「乙女は龍を駆る!」+雑誌「コバルト」2008年4月号の外伝

雑誌「コバルト」2008年4月号には、榎木洋子さん「乙女は龍を導く! 」シリーズの短編「吹雪のちガーデンドレス 」と、イラストの牧あさかさんによる漫画「スペシャルまんが教えてマー介!! 乙龍の世界」(1P)が載っています。本編のようなシリアスさはなく、気楽に読める作品でした。

「乙女は龍を駆る!」はシリーズ5冊目。幼い理花が蛇嫌いの原因が明らかに。たしかのあの龍の種別は他の種族より少ないように描写されてたなあと気づいたり。龍の過去と未来はどうなってしまうのだろう。榎木さんの公式ブログによると全7巻の予定らしいです。

乙女は龍を駆る! 試し読み
http://books.shueisha.co.jp/tameshiyomi/978-4-08-601146-4.html


榎木洋子:守龍ワールド作品リスト

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「鞍馬天狗」時代小説英雄列伝

大仏次郎著、縄田一男編、中公文庫、2002年

□目次
【鞍馬天狗】大佛次郎
 鬼面の老女
 黒い手型
 西国道中記

【翻訳】大佛次郎
 「夜の恐怖」金扇

【随筆】大佛次郎
 鞍馬天狗と三十年

【解説】縄田一男
「行動する思索者」鞍馬天狗
大佛次郎年譜

□感想
掲載されている小説は、「鞍馬天狗」シリーズの処女作と歳晩期の作品(ラストから3番目、2番目)である。書かれた年代が30年強開いているので、「鞍馬天狗」の位置づけも異なるし、文体も大きく違う。「鬼面の老女」の文章はなかなか面白い。当時の教養が為せる業と言うか、今の時代こういう文体を書ける人はなかなかいないだろうから。

「鬼面の老女」は今回のTV時代劇「鞍馬天狗」の第1回の原作で、小野宗房と鞍馬天狗は原作では別人なのだけれど、TV版は同一人物である。この作品には元ネタがある。ジョージ・ウーリー・ゴフ(Gough, George Wooley)の「夜の恐怖(Terror by Night)」中の一編「金扇」という作品。すなわち、翻訳として収められている作品である。読み比べてみると、確かに換骨奪胎したものといえる。そこに、京都と言う土地柄や時代性、小野宗房という性根のまっすぐな青年や若人の恋の芽生えが散りばめられていて面白かった。「黒い手型」はスタンダードな探偵小説とも言える内容で、同種の趣向をどこかで見たり読んだりした気分になってしまった。「角兵衛獅子」の西郷吉之助は知っていたけれど、「西国道中記」の勝安房は知らなかったので、気づいたときは嬉しかった。


「鞍馬天狗と三十年」という随筆では、鞍馬天狗という自ら生み出したキャラクターを、時に疎ましく思ったり、好ましく思いながら付き合い続けたことや、書くスタンスの変化など、一人歩きしていくキャラクターと付き合うことの苦労について語らていて、ついルパンの生みの親に思いを馳せてしまう。

第1作の構想は「夜の恐怖」だとしても、鞍馬天狗はどこから生まれてきたのか。この随筆ではそのモデルについて語られていない。以下のページに拠れば「あれは『アイヴァンホー』の黒騎士と、ダルタニアンを混ぜたものだ」ということを言ったことがあるらしい。
日本推理作家協会
http://www.mystery.or.jp/kaiho/0301/rohei.html

とすると、アルセエヌ・ルパンとダルタニヤンの名が随筆に出てくるのは全くの無縁ではないと言うことかも。シトロエンを飛ばすというのはルパンのことか。シトロエン社は第1次世界大戦後に設立した会社なので、そのころのルパンならば乗っていてもおかしくはない。(シトロエンを飛ばすというと、もちろん高速でかっ飛ばす意だけど、映画「ファントマ 電光石火」でシトロエンが本当に飛んでいたことを思い出してつい楽しくなった。
シトロエン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A8%E3%83%B3


縄田氏による解説も読み応えがあった。鞍馬天狗の作品リストもあり。

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古龍「楚留香 蝙蝠伝奇」全3巻(上・中・下)

土屋文子訳、小学館文庫、1998年

名前だけは知っていて、3巻手元に揃ったので読んでみた。
連続活劇風で次々話が展開していくのだが、
未知の武道の使い手や、未知の技が次々に出てくるものだから、
知っているのか雷電、と言いたくなった。
でも正直なところを言うと途中で付いていけなくなった。
大きいのは、私のスキル不足が大きいと思うが登場人物が多くて、
会話部分で、どのセリフを誰が言っているのか分からなくて混乱してしまったから。
主役は楚留香なのだろうけど、後半は友人の胡鉄花のほうがキャラが立っていていいかも。

この邦訳は上巻が「鬼恋伝奇(借屍還魂)」、中・下巻が「蝙蝠伝奇」という2作品の翻訳である。
話は上巻の方がまとまっている。中・下巻は最後があっけないし、“どうして”という部分が残ってしまう。

中国のルパン、颯爽と登場という風に下巻の解説で書かれているのだけど、分かる気はする。
(上巻で探偵役をつとめることや、下巻のおどろおどろしさもルパンシリーズに共通すると言えばいえる)
この本では盗みの場面は無く、手下の美女3人も名前しか出てこないが、
楚留香は盗みの現場にほのめく残り香から楚留香と呼ばれていて、決して人を殺めない侠盗である。


私が楚留香を知ったのはこのページ。楚留香の紹介と翻訳がある。
楚留香傳奇
http://www.hcn.zaq.ne.jp/caapa406/Classic/Chuliuxiang/

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榎木洋子「緑のアルダ 約束の地」

緑のアルダシリーズの外伝です。アルダたちのその後。ラダのその後。ヨールのその後。風の貴婦人のファンは必読です。
これでようやく私の中で緑のアルダが完結したようです。正直、本編のラストは尻切れトンボで消化不良だったので。

実は緑のアルダシリーズはあまり嵌れなくて、ヨールが出てくること自体が好きではありませんでした。ミズベ国が絡んでくるところもなんだか納得できなくて。でも今なら違った読み方ができるかもしれないと思いました。ヨールはいつか目覚めなければならないし、ヨールにはヨールの生きる道があるのだと当たり前のことに気づいた気がします。本編じゃなく外伝という形でよかったです。そういえば、色同じだ(髪と目の)…とはじめて気づきました。他にも過去シリーズから詠んできた者にとっては色々と感慨深かったです。


緑のアルダ-約束の地(試し読み)
http://books.shueisha.co.jp/tameshiyomi/978-4-08-601100-6.html


作品リストに「約束の地」追加。
榎木洋子:守龍ワールド作品リスト
緑のアルダのリスト化はまだですが、イスタキニアもユンガムも他の本に出てきます。
守龍ワールド人物さくいん

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ジョルジェット・ルブラン「青い鳥を見つけた少女」

インターネット・アーカイブで、モーリス・ルブランの妹ジョルジェット・ルブランの著作(英訳書)を見つけました。その中に、「青い鳥を見つけた少女」という一冊があります。

Internet Archive Details - The girl who found the blue bird(英語)
http://www.archive.org/details/girlwhofoundblue00lebliala

キーワードにヘレン・ケラーとあり、ジョルジェット・ルブランと何の関係があるのだろうと思っていたところ、次のような逸話が見つかりました。

東京ヘレン・ケラー協会|青い鳥とヘレン・ケラー女史
http://www.thka.jp/helen/blue_bird.html

ヘレン・ケラーが大学を卒業したとき、メーテルリンク夫人と会い、「あなたこそ幸福の青い鳥を発見したただ1人の人です」と言われたそうです。

そういえばこの言葉は以前目にしたことがあると思い出しましたが、メーテルリンク夫人というのがジョルジェット・ルブランです。正式には結婚していなかったのですが、事実上夫婦であり、メーテルリンク夫人として通っていたようです。(結婚しなかったのはジョルジェットに結婚歴があり、離婚手続きが成立していなかったためらしい。でも20年連れ添ったら元夫婦と言うのには十分だと思う)


「青い鳥を見つけた少女」というのはヘレン・ケラーのことであり、この本はヘレンと会った時のことを書いた手記です。ヘレンに付き添っているミセス・メイシーはアン・サリヴァンです。英語ダメなので詳しいことは言えませんが、レンサムという土地で、ヘレン・ケラーの年齢は28歳、つまり1908年に会っています。上記サイトでは1904年となっていますが、サリヴァンが結婚したのは1905年なので、手記のほうが正しいのでしょう。ヘレンが公共施設建設を援助していることが出てくるので、大学卒業後何年か経っていると見るほうが妥当だと思います。ヘレン・ケラーとはメーテルリンクの本についても話をしたそうです。

ジョルジェットがヘレン・ケラーのことを知ったのは、ジェラール・ハリー(Gerard Harry)という人からで、ジェラール・ハリーは「人間の奇跡」というヘレン・ケラーの本や、メーテルリンクに関する本を書いています。


以下は1913年1月5日付けニューヨーク・タイムズの記事です。ヘレン・ケラーと会った時のことをパリで取材されたもの。「View Full Article」ボタンをクリックするとPDF形式で紙面が表示されます。
TRIBUTE TO HELEN KELLER.; Maeterlinck's Wife Tells of Meeting Her When... - Article Preview - The New York Times(英語)
http://query.nytimes.com/gst/abstract.html?res=9C0DE1D91139E633A25756C0A9679C946296D6CF

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雑誌「ふらんす」の連載「ポラール あらかると」

著者:太田浩一

フランスの推理小説を紹介する連載コラム。
今回(2007年10月号)知らない作家が出てきたのでメモ。
ちゃんとメモっているのはタイトルだけなので、他は調べて補っている。
「ヴィドック回想録」は古本で見かけたけれど、状態がよくなかったのでパス。他は読んでいたり、紹介を読んでから読んだりいろいろ。

  • 2007年4月号/カトリーヌ・アルレー「わらの女」創元推理文庫
  • 2007年5月号/E.-F.ヴィドック「回想録」(「ヴィドック回想録」作品社)
  • 2007年6月号/フレッド・カサック「殺人交叉点」創元推理文庫
  • 2007年7月号/ノエル・カレフ「死刑台のエレベータ」創元推理文庫
  • 2007年8月号/フレッド・ヴァルガス「死者を起こせ」創元推理文庫
  • 2007年9月号/ジャン・クロード・イゾ「失われた夜の夜」創元推理文庫
  • 2007年10月号/トニーノ・ベナキスタ「夜を喰らう」ハヤカワ文庫
  • 2007年11月号/A・D・G「おれは暗黒小説だ」ハヤカワ・ポケット・ミステリ
  • 2007年12月号/アルベール・シモナン「現金に手を出すな」ハヤカワ・ポケット・ミステリ
  • 2008年1月号/ジャン=クリストフ・グランジェ「コウノトリの道」創元推理文庫
  • 2008年2月号/バルザック「暗黒事件」岩波文庫
  • 2008年3月号/ダニエル・ペナック「人喰い鬼のお愉しみ」白水社Uブックス

□2008/02/25リスト更新

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「コバルトときめきWebラジオ」第53回:榎木洋子先生

-Webコバルト- ときめきWebラジオ
http://cobalt.shueisha.co.jp/radio/index.html

今回は榎木洋子先生スペシャルということでパート1とパート2の2部構成です。パート1は、最新刊を中心にした乙龍シリーズのお話で、前編jに池澤春菜さんによる最新刊「乙女は龍を抱く!」の朗読あり。パート2は守龍ワールドについてのお話で、後編に読者からのお便りや質問。12月刊として「緑のアルダ」の外伝3編が収録された新刊が出るそうです。

榎木さんは濁してらしたけれど、抱く、って冒頭のアレじゃない、ですよねえ。後半のアレですよね。今までの伏線が色々わかって面白かった。理花の蛇嫌いにもなにか裏がありそう。


乙女は龍を抱く!(試し読み)
http://books.shueisha.co.jp/tameshiyomi/978-4-08-601065-8.html

榎木洋子:守龍ワールド作品リスト

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ジェイムズ・フェニモア・クーパー「モヒカン族の最後」上・下巻

犬飼和雄訳、ハヤカワ文庫
下巻の中盤からはまさに息詰まる感じ。ラストああなるとは思わなかったので驚いた。

気になったのはホークアイのあるセリフ。所詮は白人だからと言えるかもしれないけれど、そうではなくて当事者になれないからこそ冷静な目を持っているのかもしれない。話の舞台は18世紀。クーパーが書いたのは19世紀で数十年の開きがある。その後の歴史を踏まえた上書かれたものだから。


何かの本で触れていたけれど、確かに鋭い観察眼を持っている。

「この足跡はたよりないものですが、しっかりとまっすぐ歩いています。歩幅が開きすぎているということはありません。それにいいですか、踵をほとんど地面につけていません。黒い髪のコーラさんは、あそこで木の根から根へと、小股にとびながら歩いています。ですから、心配なさることはないと思います。わたしの見るかぎりでは、娘さんたちはふたりとも、このあたりではほとんど疲れていません。それにたいし、歌の先生は、足跡から見てはっきりわかるように、足を痛めてひきずっています。ほら、先生はあそこで滑っています。ここでは、足を広げ、よろめきながら歩いています。ほらあそこでは、かんじきでもはいて歩いているみたいに、よたよたしています。そうです、あの先生は喉ばかりきたえて、足をきたえることをほとんどしなかったのでしょう」


この作品は「革脚絆物語」シリーズの2作目で、1作目の「開拓者たち」上下巻が岩波文庫から出版されている。

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「うつほ物語」角川ソフィア文庫

室城秀之編、角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックス
うつほ物語 文庫 角川書店・角川グループ
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200701000088

このレーベルは興味がありつつも面倒くさがりで手が伸びずにいたのだけど、「うつほ物語」なのが珍しくて買ってみた。他の古典に比べて知名度があまり高くないから。

「うつほ物語」は現存する中では最も早く成立した長編物語で「源氏物語」にも影響を与えたといわれている。でも成立過程が複雑で、複数の物語が合わさって出来たのではと考えられている。ゆえにあちこち矛盾していたり、時系列が前後してかたらえれているのだけど、矛盾を矛盾として取り込みつつ読むほうがより深く読めると私も思う。

俊蔭の巻の伝奇的な内容が有名だけれど、こうして読むとそれ以降の話にも面白さがある(現代語訳は読んだことがある)。やっぱり真砂子君(まさごぎみ)がかわいそう。父は妻子がいるのにほっぽり出してあて宮にぞっこん。捨てられた子供は悲しみのあまり亡くなってしまう。

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ティエリー・ジョンケ「蜘蛛の微笑」

平岡敦訳、ハヤカワ文庫
あとがきにもあったけれど、何の予備知識なく読むのがいいです。タネに驚くというよりも描写にやられた感がある。二人称の部分もすごい。


本筋に関係ないところで私にはちょっとしたサプライズが。ヴェジネはルパンが住んでいた場所だなあ(「カリオストロの復讐」)と思いつつ読んでいたのだけど、あそこへ行くとは嬉しかった。エヴの株が上がった。

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「コバルトときめきWebラジオ」第45回:榎木洋子先生

-Webコバルト- ときめきWebラジオ
http://cobalt.shueisha.co.jp/radio/index.html
今回も池澤春菜さんによる最新刊「乙女は龍を結ぶ!」の朗読ありです。榎木さんと聞き手の池澤さんが(お2人ともかわいらしい声)話してらしたけど、私もそうだったかーと今回思った。関係、気になりますね。

後半は読者からのお便りコーナー中心。12月に「緑のアルダ」外伝が出るようです。乙龍(おとりゅう)シリーズの次は8月発売だそうです。

-Webコバルト- オススメ文庫「乙女は龍を結ぶ!」
http://cobalt.shueisha.co.jp/osusume/otome2/index.html
乙女は龍を結ぶ!(試し読み)
http://books.shueisha.co.jp/tameshiyomi/978-4-08-601009-2.html


乙龍シリーズはタイトルがややこしい。
榎木洋子:守龍ワールド作品リスト

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ロバート・E・ハワード「血まみれの影」

尾之上浩司訳、ミステリマガジン2006年8月号、原題:Red Shadows
ミステリ・マガジン2006年8月号:ハヤカワ・オンライン
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/710608.html

盗賊ル・ルーの一味に襲われて殺された少女を前に復讐を誓うイギリス人の清教徒ソロモン・ケイン。ル・ルーの手下を倒し、逃亡するル・ルーを追いかける。ソロモン・ケインは復讐に生きる人物らしく、いくつかシリーズになっているらしい。

後半は呪術師が出てきたりゴリラが出てきたり非現実的すぎるかなと思う。シリーズとして数読んで楽しむものだろうか。ル・ルーという名前はフランス語で狼の意。そのためウルフという名でも呼ばれるから最初は少し混乱した。最初の舞台はフランスで後半はアフリカ。

ロバート・E・ハワード邦訳作品
http://www.lares.dti.ne.jp/~hisadome/howard.html
A - M Works in the public domain in Australia(英語原文)
http://www.gutenberg.net.au/plusfifty-a-m.html#howard


2006年はハワードの生誕100周年だったらしい。創元推理文庫からコナンシリーズの新装版が出ていたのはそのだめだったか。

東京創元社|新訂版コナン全集(ロバート・E・ハワード)
http://www.tsogen.co.jp/conan/

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「コバルトときめきWebラジオ」第40回:榎木洋子先生

-Webコバルト- ときめきWebラジオ
http://cobalt.shueisha.co.jp/radio/index.html

最新刊「乙女は龍を目指す!」の朗読があったり、質問コーナーがあったりという内容です。どうやらこのシリーズの略称は「乙龍」シリーズらしい。乙龍シリーズの第3巻は5月に発売だとか。

Webラジオでも案内されていたけれど、2007年2月号に緑のアルダシリーズの外伝「約束の地」が載ってます。長いたびが終わって生まれ故郷の村に戻ったアルダ・ココが出てきます。もちろんウルファも。

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書籍の価値

【インタビュー】ICADL2006 - Google Book Search技術担当 Daniel Clancy独占インタビュー (4) 既に離陸を果たした音楽、書籍のデジタル化は―― (MYCOMジャーナル)
http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/01/10/google/003.html

この方、検索したことがあるのだろうか? モーリス・ルブランの一次資料は検索できない。なぜならフランス語だから。英訳資料も全文閲覧はできない。そのうえフランス本国では著作権保護機関内にある。数分数秒の手間なのに何故それをせずに書くのか。

それに「アルセーヌ・ルパン」なんて作品はない(あるにはあるがこの執筆者が念頭においているのとは別だろう)。本VS本で比較ならわかるけど、すっごいばかげた比較だ。一次資料がなくては研究も解説もなにもない。フランス語という時点で大多数の日本人には無価値だろうが。

パシフィカの名探偵読本は未入手だけど(閲覧はしたことがある)4000円も価値があるとは思えない、私はね。買おうと思えばそれ以下の値段で古書店の在庫があるし。情報を探す力に欠けていると思う。


ちょい腹が立ったので脊髄反射してみた。


「赤毛のアン」ポプラ社花岡版も松本版も読んだことがあるけれど、より深い理解といっても必要ない人にとっては必要ない情報だよなと思ったりもする。たいていの本に対してはそこまで手を広げようと思わない(ルパンとルブランは別)。だけど必要に思ったとき、すぐ手に出せるというのが検索魅力だ。Google Book Searchは殆ど使っていない。欲しい情報にどうやってたどり着けるのか、よく分かっていないから。情報が整備されてもそれがわからなければ無用の長物だ。

Google Book Search
http://books.google.com/

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バルザック「ゴリオ爺さん」

平岡篤頼訳、新潮文庫

実在の人物ヴィドックがモデルといわれているヴォートランは、女より美青年がすきという部類らしい。しかしながらご婦人の前では肌を晒さず、大人しくお縄につくぬという節度も持ちあわせている。なのに一応ご婦人の範疇に入るある女人ときたら、眠っているヴォートランの刺青のあるところをバシッと叩いて確認するんだから怖いものだ。

ジャック・コラン一名ヴォートランを逮捕するゴンデュロー(Gondureau)という男。実はビビ=リュパン(bibi-Lupin)という名前であり、ゴンデュローは変名らしい。そんな情報が注釈に書かれているんだけど、ビビ=リュパンが出てくるのはどの話だろう。ヴォートランはその後ビビ=リュパンと同じ役職に就くらしい。

バルザックの作品には他に「農民」の第2部に出てくる公証人とその息子のリュパンというのがある。だからここにも出てくるのかと驚いたのだけど、他愛ない名前なのかも。

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「鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密」

横溝正史翻訳コレクション、扶桑社文庫、2006年
D・K・ウィップル著「鍾乳洞殺人事件」
ファーガスヒューム著「二輪馬車の秘密」

両方とも先は読めるといえば読める。でも楽しめた。「鍾乳洞殺人事件」はその名のとおり鍾乳洞が舞台となっている。やっぱり私も「八つ墓村」を思い出した。

「二輪馬車の秘密」は抄訳。冒頭にルコックの名前が出るのだが、第1部で事件を、第2部でその因縁を語るというのはガボリオもそうなのだろう。ルルーの場合も「黄色い部屋の謎」が第1部、「黒衣夫人の香り」が第2部と称してもいいくらいだ。

巻末の「横溝正史翻訳リスト」にルパンものの翻案作品「ルパン大盗伝」「海底水晶宮」について軽く触れられている。

Fergus Hume free web books, online
http://etext.library.adelaide.edu.au/h/hume/fergus/

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G・ファーバー「ノルマン人の謎 海賊ヴァイキングの足跡」

片岡哲史・戸叶勝也訳、アリアドネ企画、2001年

「ヴァイキングの足跡」を改題したもの。ヴァイキングといえば北欧、船、兜? ノルマン人=ヴァイキングだと知っていてもピンと来ない。ヴァイキングだったら目にとまらなかっただろうから、わたし的にはタイトル変えて正解。

ヴァイキングの発生から、ノルマン・コンクエストの時代までを扱っている。読んでいて、おお、エプトの条約!とか思った。「奇岩城」のキーワードだ。アメリカ大陸に渡った話や、スラブに進出してルス(金髪、漕ぐ人)がロシアという名称につながったという話、シチリア島のノルマン王国の建国の話なども面白かった。

次はノルマン・コンクエストのその後を扱った本を読んでみたいな。

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ロスタン「シラノ・ド・ベルジュラック」

辰野隆・鈴木信太郎訳、岩波文庫

エドモン・ロスタンの戯曲。かなり前「二人のガスコン」を読んで以来読もうと思って購入したものの、途中で中断していた。それを発掘したので再読。普段本読んでないと読めないな。文語調で私は良かったのだけど、苦手という人もいるかもしれない。

面白かった! 弁舌がたって、剣の腕前もすごくて、でも大鼻で醜いというコンプレックスゆえに恋人という地位を美男子に譲ってしまうシラノ。ラスト、愚かしくていとおしくて堪らなかった。シラノ、ロクサアヌ、クリスチャンそれぞれが哀れだなあ。

哲学者たり、理学者たり、
詩人、剣客、音楽家、
将た天界の旅行者たり、
打てば響く毒舌の名人、
さてはまた私の心なき――恋愛の殉教者!――
エルキュウル・サヴィニヤン・
ド・シラノ・ド・ベルジュラック此処に眠る、
彼は全てなりき、而して亦空なりき。

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ケン・フォレット「大聖堂」上・中・下巻

矢野浩三郎訳、新潮文庫

ノルマン・コンクエスト後のイギリスという時代と、大聖堂という2点に興味があったので読んでみた。中心人物が大聖堂を立てたい建築家や没落貴族の娘なのであまり歴史的なこと(それに左右されてはいるが)は出てこず、当時の民衆の様子が描写されている。

大聖堂がなぜ立てられるかおぼろげながら分かるような分からぬような。建築でいえばゴシック初期になるのだけれど、この本の登場人物が創作したわけではないから、なぜそういう様式になったのかは書かれない(ちょっと期待してた)。一つの大聖堂が立てられる段階を追っているので、その視点は面白い。建築の知識があればもう少し楽しめたかも。

でもとにかく長い。作中でも半世紀たっているけれど。皆欠点を抱えていて応援したい人物、共感する人物がが出てこない(それが人間らしいのかもしれないけど)。それにどろどろが結構うんざりする。

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榎木洋子:守龍ワールド人物さくいんを更新

今回追加したのは龍の娘編。前回は2006年3月に更新したみたいなので、10ヶ月ぶりだ。

守龍ワールド人物さくいん

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ダン・ヴラウン「ダ・ヴィンチ・コード」上・中・下

角川文庫、越前敏弥訳

表現が直接的すぎて小説にする意味は?と思ったりして。この本の種となっている話は「ジュール・ヴェルヌの暗号」という本で知っていたのだけど、展開も工夫がないし、なんだかパズル雑誌に載ってる謎解き漫画みたい。パズルを解くためだけに設定されたキャラクターが動いているという感じ。この手の謎解きは無理を承知でへえーっていうのが相場だけど、なんかダメだったな。上巻の途中で飽きてしまった。種本から引っ張ってきたであろう部分は面白かったけど。

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高齋正「パリ~ボルドー1895 最初の本格的自動車レース」

インターメディア出版、2000年

同氏の著「馬なし馬車による走行会 パリ~ルーアン1894」で取り上げられている前年のイベントは「走行会」だったけれど、今回はちゃんとしたレースです。それでも輸送手段として実用に耐えねばならぬというので、優勝する車には4人乗り以上であることなど条件がつけられた。

前回ダントツ一番で到着した蒸気自動車、開発目覚しいガソリン自動車、そして初参戦の電気自動車。その優劣の程は?とか、ここで初めて空気入りタイヤが参戦とか、見所も。ミシュランタイヤ、名前知っているのが出てきた。ダンロップのことにも触れていた。空気入りタイヤは自転車には実用されていたけれど、自動車に対してはまだ試行錯誤で開発中のもの。

一番で到着した自動車はパリ~ボルドーの往復1200キロを約49時間かけて走破。平均時速24キロ。一番の自動車は余力があったとはいえ、他の自動車はそれより10時間以上も遅れていたし、まだまだ長距離輸送には遅い時代だった。優勝しなくてもいい、完走することに意義を求めたり、一番最初にゴールすることに意義を求めたり、それぞれの思いが良かった。交代せず運転し続けて完走したルヴァソールは凄い。しかも50歳代で。


メモリンク。
ルヴァソール車のミニチュア。詳しい解説がある
My Collection Gallery Panhard & Levassor 1908
http://homepage3.nifty.com/greendragon/mycollpanhard1908_01.html
ルヴァソールの車は日本に上陸したことがあるらしい
日本自動車百年史
http://www.st.rim.or.jp/~iwat/index_j.html

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ジェイムズ・モートン「わが名はヴィドック」

副題:犯罪者、警察密偵にして世界初の私立探偵の生涯とフランス革命時代
栗山節子訳、東洋書林、2006年
http://www.toyoshorin.co.jp/detail.php?isbn=4887217161


前半はなかなか読みすすめられなかった。脱獄話ばかりで世間とかかわりがない分面白みがなかったからだろうと思う。読み進めていくと面白くなってくるけど、年代や人物名がたくさん出てきて覚えられない。覚えられてたら楽しめただろう。この本を元に年表や人物を整理したら結構面白いかも。

ヴィドックは何度も何度も脱獄を繰り返すのだけど、現実に脱獄を試みるというのはなかなか凄まじいと思った。最初の頃何度か出てくる足焼き強盗というのは被害者の足の裏を火で焼いて脅迫する強盗団。この拷問方法は「金三角(9)」でエサレス・ベイがやられたやつだ。恐ろしや。

ヴィドックのお仲間であったり、ヴィドックが追った犯罪者の例がいくつも紹介されている。

ジョサスには思いやりもあったようだ。アザール通りのアパルトマンに出ものがあると聞いて押し入ったが、あったのは質札の山だけ。そこで家具を壊したことをわびるメモとともに修理代として五ルイを置いてアパルトマンを後にした。

礼儀正しい強盗の伝統というわけだ。


見ててよかった「天井桟敷の人々」。この本を読むのにかなり期間が掛かってしまったので、その間にたまたま見たのだった。映画に出てくるジャン・ガスパール・ドゥビュロー(バチスト)、フレデリック・ルメートル、ピエール=フランソワ・ラスネール、みな実在の人物だ。このうちルメートルがヴィドックと交流があったらしい。映画のルメートルはフランスのおしゃべり男はかくやという感じ(ラスネールよりルパンっぽいイメージがした。もちろんルパンはどっちにもなれると思うけど)。実在のルメートルは「ヴォートラン」という戯曲を演じたことがあるそう。「ゴリオ爺さん」を元にバルザック自身が脚本を担当。芝居は即日上映禁止。もちろんヴォートランのモデルはヴィドック。

パレ・ロワイヤルとグラン・ブルヴァール
http://www.u-gakugei.ac.jp/~seminair/memoire/02/iwama.htm


ヴィドックの回想録は「ヴィドック回想録」として日本語訳されている。回想録はいくつかあるので、どれが元になっているか不明。
フランソワ・ヴィドック著、三宅一郎訳、作品社、1988年
作品社:ヴィドック回想録
http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/kaigaibungaku/tanpin/140x.htm

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「怪盗ファントマ」

スーベストル/アラン共著、佐々木善郎訳、矢崎節夫文
小学館、少年少女世界の名作23(フランス編4)所収、1976年

前半はある男性(名前忘れたけれど、多分ランベール)が普通列車にのっていて、息子が待つ駅に着くと殺人事件が起きていた。男性は、息子シャルルに疑いをかけ、後に行方不明となる。

後半は、ベルサム卿を殺害したガーンという謎の人物とベルサム夫人が出てきて、ガーンは前半の殺人事件の犯人かつファントマとされて死刑を宣告される。それを茶化した劇を上演していたファントマそっくりに化けられる役者が呼び出されて…子ども向けなのにこんな結末で言いのかー、と思った。殺人王ファントマだからなあ。

前半と後半で話が違うようでもあったのだけど、ジューヴ警部もファンドールも出てくる。ガーンが戦争から帰ってきたというのはボーア戦争のことのようだ。

ファントマ(Fantomas)
http://www.aga-search.com/874fantomas.html
Fantomas - Wikipedia, the free encyclopedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Fantomas

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ヴォルテール「カンディード 他五篇」

岩波文庫、植田祐次訳、2005年
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/32/4/3251810.html

□収録作

  • ミクロメガス―哲学的物語
  • この世は成り行き任せ―バブーク自ら記した幻覚
  • ザディーグまたは運命―東洋の物語
  • メムノン―または人間の知恵
  • スカルマンタドの旅物語―彼自身による手稿
  • カンディードまたは最善説(オプティミスム)

ページ数に怖気づいていたけど読みやすくて割とすんなり読めた。東洋(といっても中東)が舞台となっているので、東洋文庫収録の説話本を読んでいる気分になった。どれも人生万事塞翁が馬的な話といえるかもしれない。

「カンディード」はモーリス・ルブランが完璧な小説と評したらしいけれど、私の場合何を得たかというとよく分からないかも。フランスの歴史や当時の政治状況がわからないからか。いずれ参考書読んでみよう。筋を追っていくだけでも面白いけど。

「ザディーグ」はこの中では一番入門に向いているかも。小倉孝誠「推理小説の源流 ガボリオからルブランへ」で探偵的なしぐさの萌芽と紹介されてていて、ちょうどこれに収録されていたので読むことができた。引用されているエピソード「犬と馬」はエラリー・クイーン編集の「ミニ・ミステリ傑作選」にも収録されている。

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雑誌「コバルト」2006年12月号 「乙女は龍を導く!」+ミニ特集

榎木洋子さんの読みきり「乙女は龍を導く! 雨のちお姫様だっこ」と、特別企画 古今東西「守龍ワールド」冒険案内が載っています。表表紙のすぐ裏のところには牧あさかさんのカラーイラストが付いています。

「緑のアルダ」は最初からなんとなく気分が乗らなかったけれど、「乙女は~」シリーズは気楽に読めていいです。お姫様だっこ、理花はされたいみたいだけど、私は絶対いや(笑)。
「守龍ワールド」冒険案内は既刊シリーズと今回のシリーズの簡単な紹介が4P(うち1Pは扉絵)。

次号2007年1月号の予告に「緑のアルダ 外伝 約束の地」のタイトルが載っています。東の果て半島に戻った後のお話のようです。消化不良が少しでも解消されているといいのだけど。

Webコバルト -雑誌Cobalt-
http://cobalt.shueisha.co.jp/magazine/index.html
-Webコバルト- オススメ文庫 新シリーズスタート!「乙女は龍を導く!」
http://cobalt.shueisha.co.jp/osusume/newseries/otome/index.html


-Webコバルト- ときめきWebラジオ
http://cobalt.shueisha.co.jp/radio/index.html
第27回と第33回に榎木洋子先生登場。第27回は緑のアルダシリーズ最終巻「緑のアルダ 第二部~守龍編~ 龍の歌」について。第33回に池澤春菜さんによる「乙女は龍を導く!」の一部朗読があります。

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藤竹暁「都市は他人の秘密を消費する」

集英社新書、2004年

都市の発達による群集の発生と探偵小説の成り立ちや、途中までは面白かったのだけど、同じことを繰り返しすぎるように思えた。文中に触れられているとおり、一部「『パリの秘密』の社会史」と重なる部分もあったけれど、フランスの探偵小説に関しては「『パリの秘密』の社会史」や「推理小説の源流」のほうが的が絞れていてよかった。

探偵小説の探偵と、新聞の読者の立場は同じというのは外してはいないかもしれないけれど、どうも飛躍しすぎている。現代につなげるところやとくに最終章の情報化に関することは的が外れているように思う。また、引用されている推理小説の選択基準が良く分からなかった。

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永嶺重敏「怪盗ジゴマと活動写真の時代」

新潮新書、2006年6月
http://www.shinchosha.co.jp/book/610172/

ジゴマの公開から上映禁止にいたるまでや、ノベライズ、ジゴマから影響を受けたとする犯罪など、映画「ジゴマ」に関することを扱っている。駒田好洋のすこぶる博士も面白かった。

もう少し内容が濃くてもいいなと思ったけれど、実際に「ジゴマ」を見るにあたって役に立った。というよりも、この本なかったらジゴマを見る機会があると知らなかったろうと思う。


この本に載っている大正4年の映画番付で東の横綱にジゴマ(Zigomar,1911)、西の横綱にファントマ(Fantomas,1913)が選ばれている。西の大関のプロテア(Protea,1913)というのもヴィクトラン・ジャッセ(Victorin Jasset)監督作品の怪盗ものらしい。

映画「ジゴマ」

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鈴木明「ジャン・ギャバンと呼ばれた男」

小学館ライブラリー、1991年

メグレ物2本と「レ・ミゼラブル」を見て、ジャン・ギャバンの若い頃の映画見てみたいなーと思っていて、この本を見つけたので読んでみた。若い頃は男前だったんだろうなあ。
この本ではギャバンの生涯を追っていて、ギャバンはフランス人だったんだなあと思う。ベル・エポック期に生まれて2回の大戦を経験しているので、その時代背景も興味深かった。


□アルセーヌ・ルパンに関するメモ
読んでいてびっくりしたことが。

翌年(注:1930年)は、これまた当たり役といわれた『銀行家ルパン』で、舞台芸人としての「ギャバン」の名は知られていった。『ルパン』のほうはイヴ・ミランドとアルベール・ウイルメッツの三幕物で、このオペレッタでは、「ギャバンおとっつあん」も大活躍した。(P61)

ええ?と思ってしまった。いや、でも確認すれば自分の過去の記事にもちゃんと「Jean Gabin」の文字が…。「虎の牙(上)」の解説にもしっかりと「ジャン・ギャバン」と…。無知というのは恐るべし。

レコードに吹き込んだとあるので、このCDに収められているのは、当時のレコード録音のものだと思う。(タイトルの意味は「1930年代の映画とオペレッタの歌」)
Amazon.com Chansons De Films Et D'operettes Des Annees 30 Music Jean Gabin
http://www.amazon.com/gp/product/B00005YCB3/


映画「ルパン」のDVD映像特典で流れた歌もジャン・ギャバンが歌っているのだろうか? エンドロールの音楽クレジットでマルセル・ラッテ(Marcel Latte)の名前は見つけた。でも、この本には「才能がありながら」はモーリス・ヴィアンの作曲であると書いてある。情報が少なくてよく分からない。「Les aventures extraordinaires d'Arsene Lupin」第2巻の書きぶりからすると、ルパン役はコヴァル(Koval)と言う人で、その傍らでギャバンが歌っていたと言うことなのだろうか。


□2006/12/17追記
「戯曲アルセーヌ・ルパン」の解説によれば、ジャン・ギャバンはルパンに憧れる強盗役だそう。

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高齋正「馬なし馬車による走行会 パリ~ルーアン1894」

集英社、1994年

面白かった。1894年に開かれたはじめての自動車走行会を小説仕立てで紹介している。馬なし馬車というのは自動車のこと。レースではなく、あくまで自動車が長距離走行(パリ=ルーアン間は128キロ)に耐えうるという性能を見せる催しだった。トップで到着した自動車でも平均時速18.8キロ。10年後のルパンの時代には100キロを超えるのだからまさに開発さかんな時代だったのだなと思う。蒸気エンジンからガソリンエンジンへ移る過渡期でもあった。走行した車は21台。はたして何台がたどり着いたか(読めば分かる)。
入賞順位が到着順じゃないというのが心憎い。

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アンドレア・カミッレーリ「モンタルバーノ警部 悲しきバイオリン」

千種堅訳、ハルキ文庫

イタリアの推理小説とは珍しい。舌をかみそうな名前(作者の名前からしてカミッレーリだし)が並んで覚えられなかった。でも話はまあまあ。もう一冊出ている「おやつ泥棒」も読んでみたい。

あとは料理が美味しそう。主人公の住んでいる場所がマリネッラなのについ反応してしまう。

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レスリー・チャータリス「聖者ニューヨークに現わる」

中桐雅夫訳、ハヤカワポケットミステリ

児童向けの「怪盗セイントの金庫やぶり」を読んで面白かったので、大人向けのを探して読んでみた。拗音のつが大きい…それは置いておいて面白かった。本来はイギリスの怪盗であるセイントが、子供を誘拐され殺害された金持ちの復讐依頼を請けてニューヨークにやってきます。義賊ですね。「金庫やぶり」もそうだけど、盗みの話ではないです。他のシリーズではこれほど血生臭くはないかな。

セイントことサイモン・テンプラーものの邦訳書はこれしか入手できないようで残念。

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雑誌「コバルト」2006年10月号 ヨリドラ応募

10月号のみで応募できるヨリドラ'06の2に榎木洋子さんの「緑のアルダ」シリーズが含まれているので購入。コバルト2006年12月号の予告に榎木さんの新シリーズのミニストーリーが載るとあります。守龍ワールドの案内企画あり。新シリーズも守龍ものだとはかねてから宣言されてましたが、どうやら女の子が主役っぽい。イラストを担当する牧あさかさんも何か描かれるようです。


-Webコバルト-
http://cobalt.shueisha.co.jp/
榎木洋子「緑のアルダ」
(キャスト)アルダ・ココ:神田朱未/ウルファ:野島健児/ナレーション:三浦祥朗

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鯨統一郎「月に吠えろ! 萩原朔太郎の事件簿」

徳間文庫、2006年8月
初出単行本:徳間書店、2003年9月
http://www.tokuma.com/CGI/book/base/books.cgi?proc=4&isbn=4-19-892467-8

詩人萩原朔太郎が事件を詩作と同じように“インスピレーション”で解決していく短編集。

□感想
私が誰かは2話目のラストでやっと分かった(3話目で名前が出てくるけど)。毎度毎度マンドリンを奏でつつ登場してくるのが笑えるけど、朔太郎のイメージが崩れるかも…。

□アルセーヌ・ルパンに関するメモ
なぜかルパン関連としてにこの本の名前をメモしていて、新刊で出ていたので手にとってしまった。読んで納得。この名前、本人が名乗るわけがない(あちらさんでもこちらさんでも)んですけどね。イギリス人ならハーロックと名乗るだろう。ルパンは出てこない。

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山田勝「回想のベル・エポック」

副題:世紀末からの夢と享楽、NHKブックス、1990年11月
ベル・エポックは19世紀末から第1次世界大戦までの時代を指す。フランスの場合は普仏戦争終結後から第1次世界大戦まで。元はフランス語だが、ヨーロッパ全体でこの時代をそう呼ぶことがある。この本ではイギリスとフランスを中心に、時代背景、風俗などについて紹介している。

□目次

  1. 余暇の時代―ロンドン
  2. 享楽と自由を求めて―パリ
  3. 金と地位にとりつかれた時代
  4. 階級制の混乱
  5. 冒険と夢を求めて
  6. 生活の美化とアール・ヌーヴォー
  7. デカダンスの夢
  8. なぜベル・エポックか

□アルセーヌ・ルパンに関するメモ
モーリス・ルブランの作品から何箇所か引用されていて、それ以外の箇所でもルパンジリーズのキーワードになりそうな事象や事件について書かれているので楽しめた。エレガントとシックの違いなど。
ただ、「虎の牙」は第一次世界大戦後の話なので、「この不機嫌な時代」は第一次世界大戦後のことだと指摘しておく。

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阿刀田高「ギリシア神話を知っていますか」

新潮文庫

ギリシア神話は昔読んだことがあるけれども忘れているので、入門にと思って読んでみた。断片として知っている話が、実はつながっていたりして、なるほどと思った。アドニスの両親って、そうだったのか…たぶん都合の良くないことは忘れてたのだろう。流石神話、何でもありだなあ。

ギリシア神話は高校生のときに英語の授業でやったのだけど、読んでみてやはりヨーロッパの基礎知識として欠かせないのだなと思う。オイディプスの話もそうだし、イアソンと金羊毛の話とか。フランスでも戯曲化や小説の題材にとられている。

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小野不由美「悪霊シリーズ」がアニメ化

10月からTVアニメとして放送されるみたいです。
なかよし:ホット・ニュース
http://games.nakayosi-net.com/joho/hot_s.html

ディーンズハートを読んでいたものからすれば「悪霊シリーズ」なのですが、いなだ詩穂さんが漫画化した「ゴーストハント」のアニメ化のようですね。でも漫画は未読です。ティーンズハートは懐かしい。「悪霊になりたくない!」はとりわけ怖かった。友達に借りて読んでいて、たいていの本はそれきりだけど、その後自分でも買ったと言うのはこのシリーズだけかも知れない。悪霊シリーズじゃない「悪霊なんかこわくない」も持っている(蓮というお寺の息子が出てくるヤツ)。ドラマCDは何枚か持ってるけど聞いていないな。気恥ずかしいと言うのと、怖そうだから。怖いのかな。

「悪霊シリーズ」はティーンズハートで完結して、その後文体を変えてホワイトハートから出たものの続きが出なくなって断筆宣言されちゃったんですよね。これを機会に原作は復刊しないのだろうか? 少女小説の一人称なので、なれない人にはものすごーくとっつきにくい本だと思う。背表紙ピンクだし、挿絵もきゃぴきゃぴ(ちょい古め)してるしね。だけど、敢えてそのまま復刊して欲しい。ティーンズハートというレーベル自体が今年の春に無くなってしまったので無理だろうか。一時期原作も増刷時にピンクじゃなくて緑になっていたような。


以下に原作と関連商品について調べましたが、たぶん漫画以外は入手できません。
ホワイトハートのシリーズはティーンズハートを先に読まないとネタバレありなので注意。

□小説(講談社ティーンズハート)


  • 「悪霊がいっぱい!?」…麻衣の学校が舞台
  • 「悪霊がホントにいっぱい!」…女の子と人形が出てくる
  • 「悪霊がいっぱいで眠れない」…スプーン曲げの話
  • 「悪霊はひとりぼっち」…安原さん初登場。こっくりさんと鬼火の話
  • 「悪霊になりたくない!」…ヴラドの話
  • 「悪霊とよばないで」…六部とか異人殺しの話
  • 「悪霊だってヘイキ!(上)」…ダムのある村の廃校の話
  • 「悪霊だってヘイキ!(下)」

□小説(講談社ホワイトハート)


  • 「悪夢の棲む家(上)」ゴースト・ハント
  • 「悪夢の棲む家(下)」ゴースト・ハント

□ドラマCD 「悪霊狩り~ゴーストハント」


  1. ヲリキリさまの鬼火 ←「悪霊はひとりぼっち」のCD化
  2. ウラドは其処に居る ←「悪霊になりたくない!」
  3. えびす異神論 ←「悪霊とよばないで」
  4. 悪夢の棲む家 ←「悪夢の棲む家(上)(下)」

□漫画(いなだ詩穂・画)


  • 「ゴーストハント」1~9巻(以下続刊)

悪霊シリーズ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E9%9C%8A%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
講談社BOOK倶楽部:小野不由美 作品リスト
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_tyosha.jsp?ty=2464
十二国記データベース(ファンサイト)
http://12db.main.jp/

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ジャン=クリストフ・グランジェ「クリムゾン・リバー」

平岡敦訳、創元推理文庫
http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?isbn=4-488-21405-3

2人視点で進んでいって、2人の警官が別個に捜査している事件が最後に絡んでいることが分かるのだけど、先に読み進ませる話で面白かった。オチというかラストはそんなんありか?と叫ぶまではいかないけど、すんなり受け入れられなかった。ラストの前までは凄くよかったのだけど。
フランスの警察組織は今も中央の警察と憲兵とがあるみたいで、そのあたりのいざこざも面白い。

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山口仲美「日本語の歴史」

岩波新書、2006年5月
岩波新書 日本語の歴史
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0605/sin_k301.html

上古から現代までの日本語の歴史。日本語をどう表してきたかとか、言文一致運動とか。

目から鱗なことがいっぱいあった。「土佐日記」では大半はひらがなだけど、ところどころ漢字が入っている。当時漢字で表すのが当然と思われていたものが漢字表示なのだけど、京(きょう)とか白散(びゃくさん)とか拗音を表す方法がなかったからというのもあるらしい。

現代語につながるのは江戸時代だと位置付けておられるのだけど、江戸時代に現代でも使う一人称(わたし、わし、おれ等)、ニ人称が出揃っていて、それぞれ少しずつ位置付けが変わっているのが面白かった。

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A.デュマ「モンテ・クリスト伯」

A.デュマ「モンテ・クリスト伯」
新庄嘉章訳、講談社文庫、全5巻

うっすらストーリーを知ってたぐらいで読んだことがなかったけれど面白かった。復讐の範囲がどこまでになるかはらはらした。

2巻の最初までは分かりやすく、復讐が始まると話が込み入ってくる。私はたいてい覚えが悪いので、読んでてそうだったそうだったと思いつつ読むのだけど、最初の罠を仕掛けた3人+1人が頭に入っていないと、かなり大変。一番印象に残るのはノワルティエ。全身不随で意思を表現できるのは