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2010/05/30

携帯電話向けゲーム「ロンドン探偵物語2」にアルセーヌ・ルパンが登場

携帯電話で配信している。女性向け恋愛ゲーム「ロンドン探偵物語2」にアルセーヌ・ルパンが登場するらしい。

EZweb & Yahoo!ケータイ公式・女の子のための恋愛ゲーム専門サイト ◆◆ 甘い恋しちゃお! ◆◆
http://www.sweetlove.jp/pc/g42_london2.html

ロンドン探偵物語2
シナリオ:森田彩莉/イラスト:珠梨やすゆき

レストレード警部がホームズに持ち込んできた事件は
フランスの怪盗アルセーヌ・ルパンに関するものだった。

ジェインをも巻き込む事件の中で、ホームズとルパン、
さらに犯罪界のナポレオン・モリアーティーが絡み、
三つ巴の決戦の火蓋が切られる!

ジョンとワトソンが分離している?

春の新作第3弾 らいたあにっき
http://dori.txt-nifty.com/writer/2010/04/post-9088.html


シナリオ担当の森田彩莉さんはあかね書房から「少女ルパンVS少年ホームズ」シリーズという児童書を出している。
あかね書房【謎解きファイルズ 少女ルパンVS少年ホームズ】
http://www.akaneshobo.co.jp/nazotoki/index.html
あかね書房【謎解きファイルズ 少女ルパンVS少年ホームズ】
http://akane.bookmall.co.jp/search/series.php?isbn=D9784251019011

2010/05/29

雑誌「すばる」2010年5月号 「月下の鉤十字」第1回

雑誌「すばる」の2010年5月号から、矢作俊彦さんの小説「月下の鉤十字」が連載されている。現在発売中の6月号には第2回が掲載されている。

ペルピニャンに到着した列車で発生した殺人事件。そこに居合わせたのはガニマールと日本人の少年ヨシオ・コバヤシだった。いずれ奴も出てくるのだろうが、今回は出てこない。

舞台は第二次世界大戦下のフランス。1941年11月9日のペルピニャン。私はアルセーヌ・ルパンのファンだけど、それ以上にルブランのファンでもあるので、この日付設定には胸が詰まる。


小林少年は16歳、ガニマールは70代後半に設定されている。ガニマールはルパンと20歳ほど差があるので、第二次世界大戦のときは80代なのだが、少し若返っている。ルパンは1874年生まれなので67歳のはず。

ガニマールはオリーブ色のフロックコートを着てこうもり傘を持っている。本によって微妙に訳がちがうので探してみると、ずばりの描写は堀口大學だった。「強盗紳士」は未読なので「こうもり傘」に見覚えがなかった。

「タラップの端に小柄の老人がおりましょう……」
「こうもり傘を片手に、オリーブ色のフロック・コートを着たあれですの?」(新潮文庫「強盗紳士」P26)

そういえば“月下の”と付いている時点で堀口だよなあ(「月下の一群」)。堀口が主人公の「悲劇週間」も書いておられるし。


すばる文学カフェ
http://subaru.shueisha.co.jp/
すばる5月号 目次|すばる文学カフェ
http://subaru.shueisha.co.jp/contents/1005.html

ポプラ文庫クラシック「古塔の地下牢」読了

南洋一郎文、2009年

巻頭の地図でアンジャン(アンギアン)の場所がおかしい。フランスの真ん中にオアーズ・エ・セーヌ県という謎の県が存在し、アンジャンがその中にある。地図が誤っていることは珍しくないのだが(「8・1・3の謎」ではベルデンツ城がフランス国内にあったり)、これにはたまげてしまった。

もっとも文中でも地図情報が誤っている。

ここはパリの西南、あの有名なベルサイユの宮殿があるセイヌ・エ・オワーズ県にあるアンジャンという町からはなれた景色のよい別荘地帯である。(ポプラ文庫クラシック「古塔の地下牢」P14)

セーヌ=エ=オワーズ県は、パリの西半分を半円状に取り囲むように存在していた県だ。現在は、ヴァル=ド=オワーズ県と、イヴリーヌ県に分かれている。ヴェルサイユはイヴリーヌ県でパリの西、アンギアンはヴァル=ド=オワーズ県でパリの北にある。

Enghien-les-Bains - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Enghien-les-Bains


ポプラ文庫クラシック版が現行のポプラ社版(「文庫版 怪盗ルパン」)と大きく違うところはボーシュレーがルパンの放った弾で死んでいることだ。現行の版では怪我が治ったあと改めてギロチンにかけられることになっている。

ポプラ文庫クラシック版ではボーシュレーは数年前に脱獄したことになっているが、ボーシュレーもジルベールと同じ年頃(21歳ぐらい)になっているため、脱獄したのが未成年になってしまう。現行のポプラ社版では年齢は変わらないが、脱獄が数年前という記述が消えている。(原作では年齢がかかれていないが、若くても30代だろう)


ポプラ文庫版で驚いたことをもう一点。

ドーブレックが、ひくい声でなにかいった。こんどもルパンは一心ふらんに耳をすましていたが、どうしても聞きとれない。
「ちぇっ、しまった。これでは、侯爵だけが連判状のあり場所をしることになる」
いっそ思いきって、ドーブレックを一発のもとにうちころして、ガラスせんの秘密が侯爵にきかれないようにしちまおうかと、ピストルに手をかけたが、
「いやいや、そんなことをしたら、玉なしだ。なあに、侯爵が聞いたら、あとで侯爵から白状させる方法もあろう」
と思いなおして、なお一心に耳をすましていた。(ポプラ文庫クラシック「古塔の地下牢」P162)

物騒な。ジルベールが身を持ち崩したのではなく、助力を求めるべく善良なるルパンの手下になった等改変をしてあるのに、こういうシーンがあるのは驚く。しかも私は、撃ち殺してしまおうと考える箇所に覚えがなかった。調べてみると、ハヤカワ文庫にこのシーンがなかったためだった。創元推理文庫や偕成社アルセーヌ=ルパン全集にはある。

アルセーヌ・リュパンは舌打ちをした。ドーブレックは何か言っているが、リュパンにはきこえないのだ! 耳をすまし、心臓の鼓動をおさえたが、何も聞きとれない。
《いまいましい》と、彼は考えた。《これは意外だった。どうしよう?》
彼はもう少しでピストルを構え、ドーブレックに一発お見舞いして、けりをつけるところだった。しかし、そんなことをしても何もわかるわけではない、成行きを見てうまくやるほうがましだ、と考えた。(創元推理文庫「水晶の栓」P180)

このシーン、ラストの布石になっているように思う。拳銃の弾を見舞うことが上策であればそれを実行しただろう。

2010/05/27

映画「ルパンの奇巌城」の公式ブログがオープン

2011年公開予定の映画「ルパンの奇巌城」の公式ブログがオープンしたようです。現在行われている東北ロケの様子や、情報が発表されてからの新聞報道なども公開されています。

ルパンの奇巌城
http://www.kaerucafe.co.jp/blog-lupin/


製作会社のサイトも更新されていますね。
カエルカフェ ウェブサイトへようこそ [Kaerucafe official site]
http://www.kaerucafe.co.jp/

原作が菊池寛訳「奇巌城」となっていますが、菊池寛が和訳したと言うのは無理があると思うんですよね。どなたか詳らかにできる人はいないのかなあ。
それはそれとして、今のところオフィシャルHPもオフィシャルブログもどっちもブログにリンクされているのですが、仮なのでしょうか。

映画の公式サイトは以下。
映画 ルパンの奇巌城 公式ページ
http://www.kaerucafe.co.jp/kiganjo/index.html


□ロケの様子
東北ロケの様子が見られます。山寺さんのコスチューム姿も。
アクロスブログ: 八戸ロケ
http://across-ent.blog.eonet.jp/blog/2010/05/post-168e.html
「ルパンの奇巌城」パート1 - みっかまちドットコム
http://blog.goo.ne.jp/demakyon/e/e8db0d99ad55f86fe85568dd88b465cd
「ルパンの奇巌城」パート2 - みっかまちドットコム
http://blog.goo.ne.jp/demakyon/e/2702791a20d8177d39fef2fa8fc03768

映画「ルパンの奇巌城」の情報
映画「ルパンの奇巌城」が撮影開始
映画「ルパンの奇巌城」が制作決定

2010/05/19

映画「ルパンの奇巌城」が撮影開始

映画「ルパンの奇巌城」の撮影が始まったようです。初日は弘前から、その後八戸、盛岡などでもロケが行われたようです。主演の山寺さんは八戸ロケから参加。

河北新報 東北のニュース/映画「ルパンの奇巌城」 クランクイン 来年5月公開予定
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/05/20100515t75004.htm

 青森、岩手両県などがロケ地の映画「ルパンの奇巌(きがん)城」(秋原正俊監督)が14日、弘前市でクランクインした。八戸、盛岡両市のほか、長野、岡山県などで11月まで撮影し、来年5月の公開を予定している。
 映画はモーリス・ルブランの「奇巌城」が原作で、舞台をフランスから日本、怪盗ルパンが盗む美術品を土偶にそれぞれ置き換えた。主人公のルパンは塩釜市出身の声優山寺宏一さんが演じる。
(略)
 秋原監督は「ルパンのテーマは私物化された文化財を公に戻すこと。土偶など数多くの重要文化財を紹介したい」と意気込みを語った。

映画「ルパン」の八戸ロケ始まる/Web東奥・ニュース20100517105832
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2010/20100517105832.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f

 会見で山寺さんは「声だけではなく、姿を出してルパンを演じることになるとは思っていなかった。宮城県出身の私が、同じ東北地方の八戸で初主演の映画撮影に臨むことができ、うれしい。頑張ります」と述べた。ウドさんは「街並みなど、出身地の山形県に似ている所があり、八戸に親近感がわいた。自分の学力などいろいろなことを考えると、僕のバックボーンに『教授』はなかったが、教授役をいただき、ありがたい」と語った。

山寺さんは宮城県ご出身なんですよね。先週「おはスタ」で塩釜と銘の入ったユニフォーム(か体操着)を着た中学生時代の山ちゃんの写真がなぜか登場してました。口元が山ちゃんでした(笑)


ルパンの奇巌城 弘前で撮影開始/Web東奥・ニュース20100514203611(動画あり)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2010/20100514203611.asp
「ルパンの奇巌城」弘前でロケ開始 監督、出演者ら意気込み語る by 陸奥新報
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2010/05/11462.html
asahi.com「ルパンの奇巌城」、弘前の庭園で制作開始-マイタウン青森
http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000001005150002
デーリー東北:主なニュース:「ルパンの奇巌城」山寺さんら会見で抱負(2010-05-17)
http://www.daily-tohoku.co.jp/news/2010/05/17/new1005170803.htm

映画「ルパンの奇巌城」の情報
映画「ルパンの奇巌城」が制作決定

2010/05/08

ポメラの漢字変換が壊れた。

ポメラDM10の漢字変換が変になった。「しかく」が変換できない。無かったことになってしまう。
 「しかく」→「」
 「しかくてき」→「的」
 「しかくに」→「に」または「資格に」「■」etc.(なぜかこれのみ変換候補がいっぱい出る)
リセットしても同じ。

一度「しかくに」→「資格に」で確定すると、「しかく」で「資格」「■」etc.が出るようになったけれど、変換候補に「」が残ってる。変換候補にある「」の後ろでは、変換候補で選択している文字と、変換中の文字がずれる。(「しかくてき」も「しかく」で変換が区切られるので同じ)

「しかくてき」の変換がおかしい。
ポメラ漢字変換化け1

変換候補に謎の「」がある。
ポメラ漢字変換化け2

変換候補から一つずれて表示される。また、「覚」は本来「視覚」になるべきだろう。
ポメラ漢字変換化け3


ポメラATOKの学習機能が変になる事例は以下のサイトでも報告されていますね。変換候補から「」を選択すると、該当箇所以降の文章が消える、というのはこちらでも再現しました。

SEIとーく - 2010年3月
http://sei.qee.jp/docs/freetalk/2010/03.html

ボタン電池のアイコンの点滅も起こってるんですよね。関係があるのかなあ。変換の不具合はATOKの学習機能によるものなので、「しかく」に関してはそのうち収まるだろうと予測していますが、他にも出てくるかもしれません。

2010/05/07

「神戸鉄人ソース」発売中

オリバーソースという会社から「神戸鉄人ソース」が販売中。「KOBE鉄人三国志ギャラリー 及び モニュメント周辺でお求めいただきけます。」とのこと。

オリバーソース
神戸新聞|社会|鉄人ソース“発進” 地元NPOがメーカーと開発
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0002942254.shtml

オリバーソース/神戸鉄人ソース
http://www.oliversauce.com/kobe_tetsujin.html
オリバーソース
http://www.oliversauce.com/

2010/05/06

瀬名秀明「大空の夢と大地の旅」

光文社、2009年

エッセイ。瀬名氏は小説「大空のドロテ」の雑誌連載後、飛行機の知識を得てから単行本化したいと願って、飛行機の免許取得したらしい。免許取得の話や、北アフリカを飛ぶ話。他に、旅の話や日本でのフライトの話が載っている。

北アフリカのモロッコとモーリタニアをフライトしたのは、「大空のドロテ」の舞台の一つとなっているため。「大空のドロテ」はモーリス・ルブランの「綱渡りのドロテ」とアルセーヌ・ルパンシリーズのパスティーシュである(「綱渡りのドロテ」自体はルパンが出てこない)。

モロッコとモーリタニアは直接ではないが、ルパンシリーズでも話題になる土地である。また、ドロテやルパンシリーズゆかりの土地を巡る話もある。もちろんエトルタの土地も訪れている。

アヴァルの断崖には、断崖の中を横に貫く穴がある。瀬名氏はそこを通ったらしい。うらやましい! (実際に行ったとしても通らないと思うけど。暗いの怖いから。)

瀬名氏が後で気づいたとおり、降りたところにレギーユ(針岩)があったと思う。横穴があるということは知っていたけれど、ブログやウェブサイトで公開されているエトルタの旅行記でこの穴にふれてあるのを見たことがないから貴重だ。


飛行機の話や他の旅の話もおもしろい。

大空の夢と大地の旅 瀬名秀明 | フィクション、文芸 | 光文社
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334975784
瀬名NEWS: 初のヒコーキ&旅行エッセイ『大空の夢と大地の旅』
http://news.senahideaki.com/article/122169568.html

2010/05/05

郵便局と電話の関係(その2)

□電話の仕組み
電話交換手が回線をつなぐため、電話機は電話を掛ける、電話を受けるというだけのシンプルなものだった。

受話器をはずすと、電話交換手のところにつながる。電話交換手に○○番をお願いします、と告げると、○○番と自分の回線をつないでくれるので会話ができるようになる。

市外電話の場合、自分の番号が△△局の□□番で、相手の番号が▲▲局の●●番だった場合、受話器をはずすとつながるのは△△局の電話交換手なので、△△局から▲▲局につないでもらい、さらに▲▲局の電話交換手に●●番につないでもらう。手間と時間のかかる作業となり、利用者が多いほど待たされる。

なお、映画かドラマで何かをぐるぐるぐると回して電話を掛けているのを見たことがあるけれど、ダイヤルしているのではなく電話を掛けるための電力を発生させているらしい。


□郵便局と電話交換室
ボートルレや一味が郵便局を利用したのは、公衆電話の代わりと漠然と思っていた。でもよく考えてみると、
・電話と郵便の管轄は同じ
・電話は電話交換手がいるシステム
ということは、郵便局には電話交換手がいる、ということではないだろうか。需要の大きい都心部では別の施設になっているかもしれないが、地方では併設されている可能性が大きい。

近辺から電話をかけようとすると、すべて電話交換室にかかってくる。そこから、市内の電話、市外の電話につなぐ。だから電話交換室には周辺の通話情報が集まっていることになる。

しかし、もし窓口で情報を得られなかったら、電話交換室に尋ねたかもしれない。と考えるのは行き過ぎかもしれない。親分が電話を掛ける、手下が長距離電話を申し込むというのが、何となく食い違っているように感じてしまうのだけれど、現代と感覚が違うのかもしれない。掛ける側も受ける側も窓口に申し込まなければならないし、長距離電話を申し込んでも繋がるまで結構時間がかかるようだから。


日本でも1949年まで郵便と電信電話は同じ管轄で、管轄省庁は逓信省といった。愛知県にある明治村で保存公開されている宇治山田郵便局は電話交換室が併設されている郵便局の一つだ。

逓信省 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%93%E4%BF%A1%E7%9C%81
100年前の郵便局にタイムスリップ!
重要文化財の郵政建築≪宇治山田郵便局舎≫新見学ルート開設
http://www.japanpost.jp/pressrelease/1001_00_04_2010021901_1.pdf


□郵便局の営業時間
郵便局の営業時間については以下のような情報がある(1900年のパリの状況)。

郵便局は、朝7時から夜の9時まで開いていた(冬は朝9時から。日曜日は午後4時まで)。(小玉齊夫「世紀初めのベルエポック」)

朝7時に郵便局に行ったボートルレは、窓口開始すぐに電話を申し込んだということなのだろう。


□参考文献、参考サイト
・小玉齊夫「世紀初めのベルエポック ―<開かれた社会>のなかの<開かれた個人>―」駒澤大學外国語部研究紀要2005年3号
http://wwwelib.komazawa-u.ac.jp/cgi-bin/retrieve/sr_bookview.cgi/U_CHARSET.utf-8/XC00016987/Body/link/jffl341-04.pdf
・電話交換手 - 通信用語の基礎知識
http://www.wdic.org/w/WDIC/%E9%9B%BB%E8%A9%B1%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E6%89%8B
・Postes, telegraphes et telephones (France) - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Postes,_t%C3%A9l%C3%A9graphes_et_t%C3%A9l%C3%A9phones_(France)
・Histoire du telephone en France - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Histoire_du_t%C3%A9l%C3%A9phone_en_France
(1908年の電話回線数が載っているけれど、フランスはドイツやイギリスと比べて普及率が低かったようだ。)


□2010/05/25
ほかの翻訳も確認してみたが、少し解釈にとまどってしまう。次のような状況と解釈すべきなのだろう。朝7時にルパンが新聞を確認し、朝7時から8時までの間にシャトールーに電話をかけた。手下はルパンと連絡を取るためシャトールーで電話を使った。

集英社文庫版等では、郵便局のくだりがないのに、シャトールーで電話を使ったことが前提となっている。翻訳に使われているフランス語のテキストが省略版らしいのだが、説明不足になっている。

これらを総合して考えて、ボートルレの父親がこのあたりにいることだけは、確かなように思われた。もしそうでないとしたら、あの連中がフランス国内を五百キロも走って、シャトールーにきて電話をかけ、それから鋭角を描いてパリ方面に戻ったという理由がわからない。(集英社文庫「奇巌城」P147-148)

ここも「電話を掛ける」というより「電話を使う」「電話を申し込む」と考えたほうが良いのではないかと思う。


前→郵便局と電話の関係(その1)

郵便局と電話の関係(その1) - 奇岩城(4)

※以下の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※


「奇岩城(4)」で父が誘拐されたボートルレは、父を探すためにシャトールーへと向かう。まず最初にしたことは郵便局に行ったことだった。

七時に、シャトールーの郵便局へいって、パリへの長距離電話を申しこんだ。待たなければならなかったので、そのあいだ局員と雑談をしているうちに、一昨日、やはりこれくらいの時間に、ドライバーの服装をしたひとりの男が、やはりパリへの長距離電話を申しこんだ事実があることを知った。
これで証拠が見つかったのだ。もうこれ以上待つ必要はなかった。(岩波少年文庫「奇岩城」P189-190)

こんな疑問が浮かぶ人もいると思う。これが十分な証拠なのだろうか?と。私も正確に理解できたわけではないが、理解するために必要な点について整理してみたいと思う。(原作ではする必要のない説明を省いていることが多い。当時常識であったことでも、現代とは異なっていれば理解しづらくなる)


まず、ボートルレが郵便局を利用したのは、犯行一味が電話を利用したことを確かめるためだったというのを明確にしておきたい。(郵便局のくだりは短縮版テキストで省略されているらしく、新潮文庫版、創元推理文庫版、集英社文庫版には存在しない)


□郵便局の利用について
電話を掛けた(受けた)証拠を集めるのに、郵便局を使ったのはなぜか。これは比較的すぐに分かった。この時代のフランスでは、郵便と電話・電信が同じ管轄だったからだ。管轄していた省庁は1920年代に郵便電信電話省(PTT)と改称された。外出先で電話を掛けようと思う場合、電話が確実にあるのは郵便局であり、郵便局では郵便、電話、電報すべてが利用できた。

彼は近くの郵便局にとびこんで、クロゾン伯爵邸へ電話をかけた。(岩波少年文庫「ルパン対ホームズ」P157/金髪婦人(2-1))

時代は下るが、セバスチアン・ジャプリゾの「シンデレラの罠」という作品でも、バカンス先で電話と電報のために郵便局を利用している。


□手下の行動について
電話の特性とはなんだろうか。手紙や電報といった通信手段と違うところは、電話を掛ける人と電話を受ける人が、同じ時刻に双方電話機の前にいる必要があるということだ。ボートルレが電話に注目したのは、シャルロットの発言からだった。

「ぼくらに見当のつくようなことは何も君の前で話さなかったかったかね?」
「何も話さなかったわ……でも、こんなことを言ってた人がいたわ。『ぐずぐずしてはいられないぞ……あすの朝七時(※)に、親分パトロンがあちらに電話してくるんだから』って……」(岩波少年文庫「奇岩城」P187。※原文では八時。)

朝7時となっているのは翻訳者がP189の時刻と合わせたのではないかと思うが、原文では朝8時に親分が電話を掛けることになっている。朝8時であれば、ボートルレとルパンとの対面時に届いた電報の中身と呼応する。

「荷物の運搬終わった……仲間も一緒に立ち 朝八時まで 指図待つ すべて良好」(岩波少年文庫「奇岩城」P157。カタカナ文を漢字かな交じりに変更した)

指図は電話で行われ、手下たちは朝8時まで電話のある場所にいるはずだ。電話がある場所とはシャトールーだ。この時代は今のような自動交換機はなく、電話交換手が回線を繋ぎ替えていたため、とくに長距離電話では回線がつながるまでに時間がかかった。だから、朝8時まで電話機の前で待機していると送ったのだろう。


次→郵便局と電話の関係(その2)

※以上の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※

「花とゆめ」2010年11号 スキップ・ビート!感想

著者:仲村佳樹

欲しいものが決まったとカイン@蓮を呼びに行ったセツカ@キョーコ。指をさしたのは70万円もする悪魔チックな服(高いし悪趣味)。わくわくした目でカインを見つめるキョーコだったが、カインはあっさりと一式買おうとする。本当はカインにあきらめさせて欲しかったのに、無条件な妹かわいがりぶりに憤るキョーコ。

キョーコが、兄さんを困らせたかったから欲しくはない服を欲しいと行ったのだ、と言うと、カインに生意気なことを言うなとほっぺたをつねられる(ほっぺたをつねるのはカイン的なじゃれ合い)。カインがこれを穿いてみろと、くるぶしまであるパンツを投げ渡す。肌の露出を押さえた格好になって、試着からかえってきたキョーコが、こういうの欲しかったのとお礼を言うと、すでに同じパンツを10本買っていたカイン。高いのに10本も買うなんてと反対するキョーコだったが、妹を喜ばせるのが楽しみなのにと訴えかけるカインに捨て犬のような哀れさを感じて、3本までOKをだす。

ダメ食らった本数のパンツを返品に行ったカインを待っている間、キョーコは自分の行動に対するカイン@蓮の反応をもっと見てみたい、もっと役を演じてみたいと思う。キョーコはこの感覚を最近味わったと思い出す。それは、クー相手に演じたクオンのときだった。

そのとき、キョーコにチンビラが絡んでくる。キョーコは、アタシと遊びたいなら大事な人に許可を取ってからにして、と言う。視線を移した先に立っているのはカイン。


カインとセツカの性格と兄妹関係が固まってきたかも。捨て犬のようなカインが反則です(笑)


次回12号はお休みで13号から再開。
「スキップ・ビート!」感想のバックナンバーはこちらから。

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