« 郵便局と電話の関係(その1) - 奇岩城(4) | トップページ | 瀬名秀明「大空の夢と大地の旅」 »

2010/05/05

郵便局と電話の関係(その2)

□電話の仕組み
電話交換手が回線をつなぐため、電話機は電話を掛ける、電話を受けるというだけのシンプルなものだった。

受話器をはずすと、電話交換手のところにつながる。電話交換手に○○番をお願いします、と告げると、○○番と自分の回線をつないでくれるので会話ができるようになる。

市外電話の場合、自分の番号が△△局の□□番で、相手の番号が▲▲局の●●番だった場合、受話器をはずすとつながるのは△△局の電話交換手なので、△△局から▲▲局につないでもらい、さらに▲▲局の電話交換手に●●番につないでもらう。手間と時間のかかる作業となり、利用者が多いほど待たされる。

なお、映画かドラマで何かをぐるぐるぐると回して電話を掛けているのを見たことがあるけれど、ダイヤルしているのではなく電話を掛けるための電力を発生させているらしい。


□郵便局と電話交換室
ボートルレや一味が郵便局を利用したのは、公衆電話の代わりと漠然と思っていた。でもよく考えてみると、
・電話と郵便の管轄は同じ
・電話は電話交換手がいるシステム
ということは、郵便局には電話交換手がいる、ということではないだろうか。需要の大きい都心部では別の施設になっているかもしれないが、地方では併設されている可能性が大きい。

近辺から電話をかけようとすると、すべて電話交換室にかかってくる。そこから、市内の電話、市外の電話につなぐ。だから電話交換室には周辺の通話情報が集まっていることになる。

しかし、もし窓口で情報を得られなかったら、電話交換室に尋ねたかもしれない。と考えるのは行き過ぎかもしれない。親分が電話を掛ける、手下が長距離電話を申し込むというのが、何となく食い違っているように感じてしまうのだけれど、現代と感覚が違うのかもしれない。掛ける側も受ける側も窓口に申し込まなければならないし、長距離電話を申し込んでも繋がるまで結構時間がかかるようだから。


日本でも1949年まで郵便と電信電話は同じ管轄で、管轄省庁は逓信省といった。愛知県にある明治村で保存公開されている宇治山田郵便局は電話交換室が併設されている郵便局の一つだ。

逓信省 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%93%E4%BF%A1%E7%9C%81
100年前の郵便局にタイムスリップ!
重要文化財の郵政建築≪宇治山田郵便局舎≫新見学ルート開設
http://www.japanpost.jp/pressrelease/1001_00_04_2010021901_1.pdf


□郵便局の営業時間
郵便局の営業時間については以下のような情報がある(1900年のパリの状況)。

郵便局は、朝7時から夜の9時まで開いていた(冬は朝9時から。日曜日は午後4時まで)。(小玉齊夫「世紀初めのベルエポック」)

朝7時に郵便局に行ったボートルレは、窓口開始すぐに電話を申し込んだということなのだろう。


□参考文献、参考サイト
・小玉齊夫「世紀初めのベルエポック ―<開かれた社会>のなかの<開かれた個人>―」駒澤大學外国語部研究紀要2005年3号
http://wwwelib.komazawa-u.ac.jp/cgi-bin/retrieve/sr_bookview.cgi/U_CHARSET.utf-8/XC00016987/Body/link/jffl341-04.pdf
・電話交換手 - 通信用語の基礎知識
http://www.wdic.org/w/WDIC/%E9%9B%BB%E8%A9%B1%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E6%89%8B
・Postes, telegraphes et telephones (France) - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Postes,_t%C3%A9l%C3%A9graphes_et_t%C3%A9l%C3%A9phones_(France)
・Histoire du telephone en France - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Histoire_du_t%C3%A9l%C3%A9phone_en_France
(1908年の電話回線数が載っているけれど、フランスはドイツやイギリスと比べて普及率が低かったようだ。)


□2010/05/25
ほかの翻訳も確認してみたが、少し解釈にとまどってしまう。次のような状況と解釈すべきなのだろう。朝7時にルパンが新聞を確認し、朝7時から8時までの間にシャトールーに電話をかけた。手下はルパンと連絡を取るためシャトールーで電話を使った。

集英社文庫版等では、郵便局のくだりがないのに、シャトールーで電話を使ったことが前提となっている。翻訳に使われているフランス語のテキストが省略版らしいのだが、説明不足になっている。

これらを総合して考えて、ボートルレの父親がこのあたりにいることだけは、確かなように思われた。もしそうでないとしたら、あの連中がフランス国内を五百キロも走って、シャトールーにきて電話をかけ、それから鋭角を描いてパリ方面に戻ったという理由がわからない。(集英社文庫「奇巌城」P147-148)

ここも「電話を掛ける」というより「電話を使う」「電話を申し込む」と考えたほうが良いのではないかと思う。


前→郵便局と電話の関係(その1)

« 郵便局と電話の関係(その1) - 奇岩城(4) | トップページ | 瀬名秀明「大空の夢と大地の旅」 »

アルセーヌ・ルパン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54863/48274514

この記事へのトラックバック一覧です: 郵便局と電話の関係(その2):

« 郵便局と電話の関係(その1) - 奇岩城(4) | トップページ | 瀬名秀明「大空の夢と大地の旅」 »

案内

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

アルセーヌ・ルパン

スキップ・ビート!

鉄人28号

つぶやき

無料ブログはココログ