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2010/01/07

アルセーヌ・ルパンはシルクハットをかぶっているか

2009年12月19日放送の「世界ふしぎ発見!」で番組終わりに流れた三択問題。いつもかぶっているものは?というものだった。シルクハットを導きたいのだろうが、原作ファン的にはいただけない。


アルセーヌ・ルパンはTPOに合わせた格好をするのでいつもシルクハットをかぶるような正装姿をしている訳ではない。正装が必要な場ならそれにふさわしい格好をするだけのこと。正装姿は、あえていうのなら、上流階級に潜んでいますよ、というしるしとでもいうか。

それに「いつも」というのはとっても乱暴。むしろいつもかぶってるのはレイトン教授でしょう。映画と覚しきシーンが映っていたけれど、ルパンだったら帽子を脱ぐか、脱ぐしぐさをするのじゃないのかなあと思われるシーンだった。


ではなぜ、アルセーヌ・ルパンといえばシルクハットというイメージなのか?というと、単行本でレオ・フォンタンという画家が描いた表紙が、夜会服にモノクルとシルクハットといういでたちだったからと言われている。

もちろん、原作でシルクハットをかぶっているシーンがない訳ではない。シルクハットをかぶっている描写があるのは「アンベール夫人の金庫(1-7)」で、駆け出しのルパンがよれよれのフロックコートと色あせたシルクハットを身につけている。「金髪婦人(2-1)」では、帽子を手に持っているシーンがあるが、燕尾服を着ているので、帽子はシルクハットだろう(室内でご婦人に会うので帽子を脱いている)。「ふしぎ発見」で出てきた小さくたためるオペラハットは、「結婚指輪(6-2)」で脇に抱えて登場する(同じく)。でも服装の描写はあまり多くないし、正装姿はほとんどないと思われる。


なお、ルパンシリーズが初登場の雑誌に載ったときの挿絵はスーツ姿で描かれている(無帽。スーツ姿のときに帽子をかぶるとすればソフト帽だと思う)。他はどういう姿なのかとみてみたけれど、直接姿を現すことが少ないので、挿絵に描かれることも多くないのだった。

翻訳書の状況はコレクターではないのでよくは知らない。ただ私は偕成社アルセーヌ=ルパン全集の挿絵のイメージが強くて、この本ではスーツ姿で描かれることが多い。

偕成社版より昔に読んだポプラ社版の「怪盗ルパン全集」だが、挿絵では正装姿、マント姿は少なかったはず(当時の挿絵は今年発売されたポプラ文庫クラシックの挿絵とは違う)。表紙絵については、幼心に前半の巻と後半の巻では何となく、ちがうなあと思っていた。違って当然。表紙絵の担当者が違うから(前半を牧秀人氏、後半の殆どを岩井泰三氏が担当している)。前半の表紙絵で着ているのは渋い青みがかった服で、後半の服は黒いのだ(それが関係したかどうか分からないけれど後半の作品で読んだのは「ルパンの大作戦」(オルヌカン城の謎(8))くらい)。

表紙絵は以下に展示されている。
南洋一郎「怪盗ルパン全集」の部屋
http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/lupin/minami/minami1.html


偕成社版とはちがって、モノクルとシルクハットにこだわっているのは岩波少年文庫の挿絵だ。「奇岩城」では重傷を負っているにもかかわらず、正装でモノクルをして横たわっているというなんのギャグだ状態に(笑) 小説の挿絵はある程度嘘が交じるものだけれど。

モノクルというのは顔の凹凸に直接はめ込んで装着するので、こころもちしかめ面になるし、長時間装着するものではないらしい。体調の悪い時に連続装着するのは辛いだろう。仰向けに寝ているから余計につけづらそうだ。

重傷を負った時の服装は「自動車運転手の服装」となっている。自動車の運転をするときはかぶるのは「ハンチング」。だからハンチングを落としていく。なので、正装姿だとわざわざもってこさせないといけない。(こんなことをいうと身も蓋もないが、風呂入ってないんだから恰好だけつくろっても意味がないよ。)


TBS「世界ふしぎ発見!」2009年12月19日放送 ミステリーはパリで生まれる!

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