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2009/08/04

偕成社アルセーヌ=ルパン全集「水晶の栓」入手のこと

この邦題には留意することがあって、クリスタル(cristal)は水晶というよりむしろ、結晶全般のことを指すらしい。

ミステリーの舞台裏:水晶の栓
http://www.hcn.zaq.ne.jp/caapa406/Works/Leblanc/Chrystal.htm

水晶で出来た栓がそこらに転がっているとは思えないし、最終的に見つかったものの材質は水晶ではないだろう。クリスタル・ガラスでもないと思うけれど材質は不明。でも本物をプラヴィルに見せたときにに「ガラス」と言っている。探しているもの、見つかったものの材質を包括して言うとすれば、「ガラス」なんじゃないかと思う。

ハヤカワ文庫では折り合いをつけようとして、探している「水晶の栓」をクリスタル・ガラスということにしているけれど、クリスタル・ガラスのことを水晶と言ったら詐欺だと思う。いっそタイトルも「クリスタルの栓」にすればよかったのに。(ポプラ社版は「水晶の栓」という邦題から解放されているため「ガラスの栓」となっている。)


創元推理文庫版での「金時」は「豪傑君」(P112など)となっている。ヘラクレスのこと。


殺人が発覚したときのルパンのセリフ。

ルパンは怒りに青くなって、ジルベールをつかまえた。
「ボーシュレーのやつ……それに、おまえもだ。ろくでなしばかり、そろったもんだ! おまえがついていながら、このざまとは……。見ろ、血だぞ! 血だらけだぞ! わたしが血を見るのをきらっていることを、よく知ってるはずじゃないか。人殺しをするくらいなら、殺されるほうがましだ。ああ、なさけないやつらだ、おまえたちには償いをしてもらうぞ。こいつは高くつくぞ……。ギロチンに気をつけるんだな。」
ルパンは死体を目にして、すっかりうろたえてしまった。(P19)

この箇所は人を殺さないとしてよく引用されるのだけれど、ある点が見過ごされがち。それは「一味の掟を破った」ということ。これが無かったら、ラストのルパンの行動が理解できない。


「おたのしみ、デュモレ先生。」ルパンはむりに冗談をいったが、内心おだやかではなかった。
彼の冗談にひとりぐらい笑ってくれるかと思って、子分たちの顔を見まわした。もし笑ったらそいつにやつあたりすることもできるだろうに。(P83)

八つ当たりとはひどい男だ(笑)
デュモレ先生の原文は「Bon voyage, monsieur Dumollet」。童謡で、こういう歌。

Bon voyage, monsieur Dumollet
http://bmarcore.club.fr/Tine/E135.htm

こ、これは楽しげな(笑)
訳は「いってらっしゃい、デュモレ先生」でいい気がする。罠をすり抜けて行ってしまったドーブレックに脱力して言ったセリフだから。

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