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2008/12/14

小酒井不木「ルパン物語」をアップ

「女性」1925年1月号に掲載されたアルセーヌ・ルパン論(評)である。まとまったアルセーヌ・ルパン論は珍しいので載せてみた。

小酒井不木「ルパン物語」

「いつもはシルク・ハットに折目正しい最新流行のスモーキングを着、綺麗に剃られた顔に片眼鏡という、すらりとした姿の紳士が」とあるが、ルパンシリーズにはあまり容姿や服装に関する記述がなく、表紙絵やジュール・クラルティの序文によるものと思われる。(しかしシルクハットには燕尾服かモーニングコートらしい? 混同したのかも)

わがアルセエヌ・リユパンこそは、旧式散弾銃で武装する代りにピストルで武装し天鵞絨ビロード浪漫的ローマンチックな衣服をる代りに端正なスモオキングを著た、フラ・ディアヴォロである。(「序」ジュウル・クラルティ、「アルセエヌ・リユパン」佐佐木茂索・高橋邦太郎訳、改造社、1929年)

燕尾服となっている訳(保篠龍緒訳、「名探偵読本7 怪盗ルパン」パシフィカ所収)もあるけれど、おそらくスモーキング(smoking)だろう。燕尾服(白ネクタイ)ではなくタキシード(黒ネクタイ)のこと。スモーキングを着ている記述があるのは「赤い絹の肩掛け(6-5)」の犯人と、「特捜班ヴィクトール(19)」のマルコス・アヴィストぐらい。


「ルパンの面目は、ルパンが、アルセーヌ・ルパンとして活動する前記の小説の中に描き尽されて居る」というのに賛成。「前記の小説」とは「怪盗紳士ルパン(1)」から「813(5)」まで(戯曲抜き)のこと。

なお、不木は1928年に「蜀江の錦」という「白鳥の首のエディス(6-7)」の翻案をものしている。そこでのルパンの名前は龍蟠(リュパン)。蟠竜!かっこいい。竜蟠虎踞という四文字熟語もある。(一瞬もじれないか考えたけど、コキョってコキュに似てて危険)

 怪盗龍蟠リュパンの冒険談を申し上げます。
 シルクハットにモーニングという、瀟洒にしてしかも堂々たる服装いでたち。これが龍蟠の巴里パリーを闊歩する姿なのです。が、いつも龍蟠がこうした紳士風をして居ると思っては大間違い、その巧みな変装術によって、彼は自由自在に、それこそ思いもよらぬ人間になり切ってしまいます。『神出鬼没』という言葉がありますが、この形容詞ばかりは、真に龍蟠のためにこしらえたといってもよろしい。(小酒井不木「蜀江の錦」、小酒井不木探偵小説全集第2巻、本の友社、1992年)

「蜀江の錦」の冒頭。こういうのはTPOだから、昼間街を歩くとしたらモーニングということなのだろう。


以上の引用はいずれも、漢字、仮名遣いを現代のものに改め、ルビはわかりにくい個所のみ残した。

□参考サイト
奈落の井戸:小酒井不木研究サイト
http://homepage1.nifty.com/mole-uni/

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