「奇岩城」探求〆
その14まで続くとは思わなかったけど、とりあえず“奇巌城”まで書こうと思っていた。“奇巌城”という言葉に思い入れがないわけではないが書かなかった。もう少し簡明簡潔に書けるようになればと思う。
翻訳についてはいろいろと文句も書いたけど、誤訳や誤植などから逃れられる翻訳のほうが稀で、そういうことが取っ掛かりになったりするので、結果マイナスの面で取り上げることになってしまう。日本語で読めるという恩恵にあずかれること自体がありがたいのは分かっているけれども、贅沢を言うと複数の翻訳で読めたほうがいい。「奇岩城(4)」の翻訳で私が一に推すのは岩波少年文庫版。原題「l'Aiguille creuse」の意味を考えるのによかったし、文章が私には合う。「大宝窟王」は断片的にしか読んでいないので、最後まで読んでみたい。
なお「大宝窟王」では発見シーンにこう書き加えられている。
此処は何処だ?……
江鳥田 の海岸じゃないか! あの巌(いわ)の形は何だ?……針の形じゃないか!(後篇P149)
岩=針の形というのは現行のポプラ社文庫版でも扱っているけれど、三津木訳では江鳥田(エトルタ)という地名を疎かにしていない。針の形だからレギーユなのではないのだけど、探していたものを見つけたと8章のラストで示せているという点はよいと思った。その点が翻訳ではあいまいになりがち。
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