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2008/05/28

ルパンシリーズ人名リストを更新

ルパンシリーズ人名リスト

更新しました。「カリオストロの復讐(20)」は自分の持ってる偕成社文庫が発見できないので、図書館の全集版で補ってます。


ルパンシリーズ人名リスト

八の魔術 - 八点鐘(12)

※以下の文章は「八点鐘(12)」の内容に触れています。※


「八点鐘(12)」は8つの短編からなる連作短編集である。この作品において8はきわめて重要な数字である。

8つの中でもっとも恐ろしく衝撃的な作品といえば6話だろう。そこに登場するのは、エルベット(Herbette)、エルマンス(Hermance)、エルミニー(Herminie)、イレリー(Hilairie)、オノリーヌ(Honorine)、オルタンス(Hortense)と言う名前の女性。同じくHから始まる8文字で形成されている。そのうえHはアルファベットの8番目の文字で、8を体現しているのである。犯人が固執したのはこれだった。犯人は“凶器”にも固執した。この“凶器”がHとと同じ発音だということは、すでにルパンシリーズのある短編で明言されているとおり。しかしこのHは発音されず“姿が見えない”文字となっている。“姿が見えない”犯人そのものでもあった。

同じ特徴を持つ名前の女性はもう一人いる。4話に登場する幸福な姫君ことプランセス・ウルーズ(Princesse Heureuse)。ヒロインの妹の役名であり、映画のタイトルでもある。公爵は姉妹を前にして何度もこの言葉を口にする。実はこのときに意識下で共通する特徴(等しくHから始まって同じ長さで終わる単語であると)に気づいていたのではないか、と考えると怖い話になってしまうけれど、さにあらず。自分がヒロインにプレゼントをしたいもの(幸福=heureuse。形容詞heureuxの女性形)だからである。


1話のラストで、コルサージュの留め金を無くして以来不幸だというヒロインに公爵はこう告げている。

「僕がそれを見つけ出してあげましょう」レニーヌが請け合った。「そしてあなたは幸福におなりでしょう」(新潮文庫P58)
Je la retrouverai, affirma Renine, et vous serez heureuse.

幸福をもたらすことこそがはじめに取り交わした約束だった。そして、ここがラストということは、1話はオルタンス・ダニエル(Hortense Daniel)で始まり、heureuseで終わっているのである。


幸福はヒロインの望むものであった。

「わたし贅沢も財宝も望みませんの」
「では何がお望みでしょう?」
「望みは幸福ですわ」(新潮文庫P16)

ここでいう幸福はbonheur(名詞)使われている。公爵は退屈な日々を託つヒロインに生きる望みを吹き込み幸福をもたらすために働いていた。しかし「幸福な(heureuse)」という言葉が散りばめられた4話では、木こりの“仕事道具”によりすでに見えない楔が打ち込まれている。そして6話で木こりの“仕事道具”は“凶器”に変わり、ヒロインは殺人鬼の「恐ろしい犯行(horrible besogne)」(新潮文庫P255)に巻き込まれてしまうのである。

このように「八点鐘」を連作短編集と捉えるときには、まず1話、4話、6話、8話の4つを抑える必要があると考える。残りは強弱でいうと弱であり、7話では最初の約束を忘れてしまったかのように二人はよそよそしく振舞う。


幸福な(heureuse)という形容詞のように、同じ特徴をもつのは女性の名前だけとは限らない。8話で公爵がヒロインを再び冒険に誘い出す手紙にはこう書かれている。

限られた期間内に、僕らは自分たちの生活の書に、美しい八編の物語を書き込む、その物語に精力と理論と忍耐力と、また多少の機知と、時には英雄主義のいくらかを注入するというのが、その約束でした。いよいよ、八番目の物語を書き込む時期に達しました。あの時計の文字板が、十二月五日、夜の八時を告げて鳴りだすより先にその冒険が完了するがためには、あなたの出動が必要です。(新潮文庫P347)

物語(histoire(s))、英雄主義(heroisme)、八番目(huitieme)、八時(huitieme heure)のhuitieme、いずれも8文字である。

そして、主人公とヒロインを結びつけるのはほかならぬアラングル(Halingre)屋敷の時計というわけである。


以下、羅列による補足。

  • アラングル(Halingre)というのは元々の持ち主の名前かもしれない。少なくとも綴りを創生したわけではないようだ。
    Halingre - nom de famille Halingre. Nombre et localisation(仏語) http://www.linternaute.com/femmes/nom-de-famille/nom/104796/halingre.shtml
  • 「テレーズとジェルメーヌ(12-3)」に出てくるオーヴィル(Hauville)というホテルは、ルーアンの西にある地名を屋号にしたものか、あるいは人名(姓)由来か。
    Hauville - Google マップ
    Hauville - nom de famille Hauville. Nombre et localisation(仏語) http://www.linternaute.com/femmes/nom-de-famille/nom/106355/hauville.shtml
  • 八時(huitieme heure)などの時(heure)と、幸福な(heureuse)や幸福(bonheur)の語幹部分はつづりも発音も同じようだ。heur(幸福)という古い名詞もある。
  • 犠牲者の一人の名前について、ある箇所で「エルミーヌ」となっている(新潮文庫P254)。Hermineは7文字。普通名詞だとエルミン(和名はオコジョ)という動物で、真っ白い毛皮が特徴。この部分は誤植なのか、別に意味があるのか不明。Hから始まっているのでいたずらに誤りとも思われない。また、「清純で無垢な人」の意味もあるらしい(2009/07/26加筆)。
  • ルパンシリーズには他にアヴリーヌ(Haveline)という女性が登場する。「バーネット探偵社(15)」
  • イギリスの小説ハリーポッターシリーズに登場するハーマイオニーという名前のつづりはHermione。ギリシア神話だとヘルミオネ、フランス語風に読むとエルミオーヌ(ラシーヌ「アンドロマック」岩波文庫)。余談ながら同シリーズにはリーマス・ルーピン(Remus John Lupin)という登場人物が出てくる。
  • ジャック・ベッケルの映画「怪盗ルパン」に出ていた女優ユゲット・ユー(Huguette Hue)にも危険信号が。

□2009/11/08
Gerard Pouchain "Promenades en Normandie, avec Maurice Leblanc et Arsene Lupin" にエトルタ・オーヴィル(Hauville)ホテルの広告が載っていました。実在したようですね。


※以上の文章は「八点鐘(12)」の内容に触れています。※

2008/05/27

芸術都市パリの100年展

TBS 日仏交流150周年記念 芸術都市パリの100年展 ルノワール、セザンヌ、ユトリロの生きた街 1830-1930年
http://www.tbs.co.jp/event/paris.html
東京都美術館<企画展>
http://www.tobikan.jp/museum/paris.html
会場:東京都美術館
日時:2008年4月25日(金)~7月6日(日)


○第1章 パリ、古きものと新しきもの - 理想の都市づくり
パリの町並みを描いた絵や、写真アドがあった。多くの写真により、エッフェル塔が着々と建設されている様子が分かる。エッフェル塔への落雷の瞬間をとらえた写真はすごいタイミング。

○第2章 パリの市民生活の哀歓
諷刺画のシリーズが面白かった。

○第3章 パリジャンとパリジェンヌ - 男と女のドラマI 絵画
○第4章 パリジャンとパリジェンヌ - 男と女のドラマII 彫刻
デュマやユゴーなど文筆家の肖像や、ゾラ自身が撮影した写真などもあった。ユゴーが描いた油絵も1点あった。

○第5章 パリから見た田園へのあこがれ
「フランス美術の歴史」は名画の作品と作者を天井絵に仕立てている。名画には疎いがドラクロワはすぐ分かった。
パリ近郊(と言っても数十メートル離れた場所もあった)の影像を映した中にヴィル・ダヴレーがあった。ルパンシリーズでは何度か出てくる「斧を持つ貴婦人」など。

2008/05/26

発掘された映画たち2008「由比正雪」ほか

上映会情報発掘された映画たち2008:由比正雪
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2008-05/kaisetsu_18.html


○由比正雪
日本映画データベース:由比正雪
http://www.jmdb.ne.jp/1931/bg000170.htm
日本映画俳優御写真・男優編11(葉山純之輔の紹介あり)
http://www.asahi-net.or.jp/~ia6t-tkhs/j-movies-11.htm
無声映画。由比正雪事件の詳細は知らなかったけれど、セリフや文章のコマが挿入されているので困らなかった。登場人物も個性的で、類型的なところもあるので分かりやすい。熊谷とかキャラ立ちすぎ(笑)信綱の名前は知らなかったけど、智慧伊豆というあだ名はおぼろげながら知ってた。化粧や演技が歌舞伎っぽいけれど、鷹揚な感じがしてよかった。純愛物語。

字幕は当然旧かな旧字。な(奈)とか様とか字体が違うし、心得てムる(こころえてござる)、(死んで)了へたら(しんでしまえたら)、一瞬読めなかった。悔しい。それもまた良きかな。

○鐵の爪 花嫁掠奪篇
日本映画データベース:鉄の爪
http://www.jmdb.ne.jp/1935/bk000420.htm
なんか、凄かった(笑) 筋は見えないはセリフ回しがぶっ飛んでるは。いきなり完結篇なんだけど、完結篇なの? あの仮面は誰で何がしたかったのか。フック船長、右手長いです(笑) でも確かにビジュアルは悪くない。


発掘された映画たち2008「なまくら刀」ほか

2008/05/22

アニメ劇場版「鉄人28号 白昼の残月」DVD入手のこと

リボルテックなしのほうを買った。上映プリントフィルムはモンスターが登場時のクロロホルムが右手を挙げて登場したシーンだった。署長も後姿で映っている。「鉄人28号 白昼の残月完全徹底攻略本」はもちろんネタバレありなので注意。50ページまでが解説編で、「鉄人28号 白昼の残月 公式徹底解析書」と重なるところもあるけれど、完成前の脚本の設定がちらっと紹介されていたりトリビア的なことがあったりする。

映像特典の「特報」はTVシリーズのDVD-BOXに収録されているもの。懐かしい。ここから(さらに)長かったなあ。


StarChild 鉄人28号 白昼の残月
http://www.starchild.co.jp/special/tetsujin28/

アニメ劇場版「鉄人28号 白昼の残月」DVD発売情報

「奇岩城」探求〆

その14まで続くとは思わなかったけど、とりあえず“奇巌城”まで書こうと思っていた。“奇巌城”という言葉に思い入れがないわけではないが書かなかった。もう少し簡明簡潔に書けるようになればと思う。

翻訳についてはいろいろと文句も書いたけど、誤訳や誤植などから逃れられる翻訳のほうが稀で、そういうことが取っ掛かりになったりするので、結果マイナスの面で取り上げることになってしまう。日本語で読めるという恩恵にあずかれること自体がありがたいのは分かっているけれども、贅沢を言うと複数の翻訳で読めたほうがいい。「奇岩城(4)」の翻訳で私が一に推すのは岩波少年文庫版。原題「l'Aiguille creuse」の意味を考えるのによかったし、文章が私には合う。「大宝窟王」は断片的にしか読んでいないので、最後まで読んでみたい。

なお「大宝窟王」では発見シーンにこう書き加えられている。

此処は何処だ?……江鳥田えとりたの海岸じゃないか! あの巌(いわ)の形は何だ?……針の形じゃないか!(後篇P149)

岩=針の形というのは現行のポプラ社文庫版でも扱っているけれど、三津木訳では江鳥田(エトルタ)という地名を疎かにしていない。針の形だからレギーユなのではないのだけど、探していたものを見つけたと8章のラストで示せているという点はよいと思った。その点が翻訳ではあいまいになりがち。

「奇岩城」探求(その14) 奇巌城・後

※以下の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※

この項では引用に当たって仮名遣いと漢字は現代のものに改め、重ね字は用いないようにした。ルビは分かりにくい箇所のみ残した。


前項で引用した新学社版の部分、私は言葉が繋がってないと思ったし意味もとれなかった(頭を包む絶壁とは如何)が、三津木春影「大宝窟王」を読んで腑に落ちた。これは日本における「奇岩城(4)」の最も早い紹介とされている作品である。


にも係らず、巌全体の形が如何にも巨大である、堅固である、驚くきものである、そして堂々として破壊す可からざる面魂つらだましいを備えている。それに対しては海の激浪怒涛げきろうどとうも一堪りもなく跳ね返されそうである。不朽不滅の形は壮厳偉大の相、相対して大陸を限る綿々無辺の絶壁の城塁を侮り、脚下きゃっか囲繞いにょうする広漠際涯こうばくさいがいなき大洋をあざわらって、屹然頑然きつぜんがんぜんとして聳立しょうりつするこの怪巨巌!(三津木春影「大寶窟王」後篇P148-149)

新学社文庫の訳は三津木訳を踏襲していることは明らかで、奇巌城は怪巨巌の言い換えということもできる。三津木訳は表現は古いが文章自体は明瞭だ。ここはやはり岩のほうがしっくりくる。原文ではこうなっている。

Et tout cela puissant, solide, formidable, avec un air de chose indestructible contre quoi l'assaut furieux des vagues et des tempetes ne pouvait prevaloir. Tout cela, definitif, immanent, grandiose malgre la grandeur du rempart de falaises qui le dominait, immense malgre l'immensite de l'espace ou cela s'erigeait.

そしてその全体が力づよく、ものすごく頑丈で、荒れ狂う波や、吹きつける嵐をものともしないように、いかめしくそびえ立っている。全体が厳然と、どっしりしていて、それを見おろしている断崖の壮大さにも劣らず雄大であり、周囲の空間のひろがりにも負けず広大である。(集英社文庫「奇巌城」P224-225)

この箇所の意味を捉えるときに注意が必要なのは、レギーユは断崖より低いし、周囲の空間の中に納まっている存在であるということだ。だからこそレギーユの絶対的な大きさを表しているといえる。もしくは、崇高さ偉大さといった抽象的な大きさを含んでいるのかも知れないし、ボートルレの視界の中での大きさを表しているのかも知れない(岩に意識が集中しているので周りの大きさは問題にならない)。


三津木訳でタイトルと呼応する箇所はこのあたりになる。

『(略)実に綺麗な風景じゃないか! この渺茫びょうぼうたる大海おおうみと……あの無辺むへん蒼空あおぞら……左右には安春あばる巌門がんもんと、万年門まんねんもんとが屹立して、城主の為に永遠に凱旋門の役を勤めていてくれる……ところでその光栄ある城主は誰だ?……即ちくいう我輩じゃないか! 我輩はものがたりのなかの主人公である、魔法国の王である、大宝窟の殿様である! 実に奇抜な、自然界を超絶した国王だねえ! しいざあから鉄光!……何という華々しい運命だろう!』不意にカラカラと呵笑わらい出して『魔法国の王様! どうしてどうしてそんなケチなんじゃない……そうさ、全世界の王様とでも言ったら少しは当るだろう! この大宝窟の最上層から我輩は世界に君臨しているのだ!(略)』(三津木春影「大寶窟王」後篇P216-217)

※鉄光はルパンのこと


この高揚感とスケールが堪らない。「即ち斯くいう我輩じゃないか!」このフレーズが自作自演で自慢しい(自慢屋)のルパンっぽくて好き。万年門(Manneporte)、凱旋門と語呂がよいし、安春(Aval)も字面がよくってめでたい。なお、大宝窟の殿様(Roi de l'Aiguille creuse)、大宝窟の最上層(pointe d'Aiguille)でAiguilleと対応している。

それからここでは城という言葉が出てくる。空洞でない岩は城とは呼べない、かといって内部が空洞になっている岩があってもそれは城とは呼ばない。ただの隠れ家なら城とは言わない。ではあの場所を城とは言えないのかというとそうではない。外部の人間が城と言うなら豪勢な建物、しかし内部の人間、持主なら「自分の思い通りになる空間」を指して言うことが出来る。主にとっては門とを備えた城であり、自ら君臨する場所であるのだ。岩波少年文庫版とハヤカワ文庫版ではこの場面(「奇岩城」探求(その11)引用部の後)に“奇巌城”が使われている。“奇巌城”はあくまで固有名詞だから訳文で唐突に使用するのはどうかと思うが一見のよそ者が言うより納得できる。

「(略)ほら、君が解読しようとしてもできないあの<空洞の針エギーユ・クルーズ>の秘密は、ひょっとすると無尽蔵のすばらしい宝かもしれないし……あるいは、目には見えない、ふうがわりな、とほうもない隠れ家かも知れないし……あるいはその両方かもしれない(略)」(岩波P159)

いわば前者に繋がるのが「宝窟」で、後者が「城」だろう。レギーユ・クルーズがルパンにとってどういう場所だったのかというときに、この意味が活きてくる。レギーユ・クルーズという言葉の意味と、その存在の意味をまずは分けて考えるべきだと思う。

それなのに両者が折々混同されているのはレギーユという言葉が正確には訳せないからだろう。他にメリットもあると分かってはいるけど、私は針岩という訳語がベストだとは思わない。針岩とは針岩と名づけられた岩だとイメージしてしまう言葉だから。レギーユは、レギーユ(エギーユ)という名前のエギーユなのだ。日本語では訳語が変わるが、原文ではずっとl'Aiguilleで、l'Aiguilleの語頭が大文字なのは固有名詞だからと分かる仕掛けになっている。

他に翻訳を読んでいて思うのは、単なるレギーユと空洞のレギーユが一緒くたにされていることがあること。同じと扱っていい場面もあるがそうではない場面もある。「奇岩城(4)」の外においても同様で、「奇岩城」探求(その12)に書いたように「カリオストロ伯爵夫人(13)」のレギーユは空洞ではない。同じように登場人物がレギーユを眺めているシーンは「テレーズとジェルメーヌ(12-3)」にもある。レギーユを指すのに普通名詞としてaiguilleが使われているのはここのみである。話者がこの土地に明るくないこと、話者にとってルパンの活躍は伝説めいたものであることを示しているのかもしれない。いずれにせよレギーユは何も知らない人間には単なる岩にしか見えない。

「(略)あの左手にそびえたってる大きなさきのとがった岩に、ほんとうにアルセーヌ・ルパンが住んでいたのかなんて、のんきなことを考えにここにやってきたんじゃなかったわね。」(偕成社全集「八点鐘」P106-107/テレーズとジェルメーヌ(12-3))

- Mais tout de meme, nous ne sommes pas venus pour jouir des spectacles de la nature, ou pour nous demander si cette enorme aiguille de pierre qui se dresse a notre gauche fut reellement la demeure d'Arsene Lupin.


※以上の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※

「奇岩城」探求(その13) 奇巌城・前

※以下の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※


“奇巌城”とは何か。これは案外厄介な問題である。作品の邦題であるが原題の翻訳ではない。“奇巌城”はどういう意味かと言うと、これも答えられる人は少ないと思う。ここは最後に“奇巌城”と邦題をつけた保篠龍緒氏の訳を取り上げるほかはない。保篠訳のスタンダードな翻訳と同じものどうか不明だが、ここでは新学社文庫版を用いる。


しかもその全形といえば巨大、剛堅、怪偉、厳乎げんことして破壊すべからざる面魂、大海に荒れる狂瀾きょうらん怒涛に対するも大天おおぞらに狂う暴風劇雨おおあらしに対するも巍峨としてあえて壊れそうにもない。頭を包む長蛇のような絶壁を侮り、脚下をめぐる茫漠無限ぼうばくむげんの広いうみわらって、不朽壮厳、不滅偉大、屹然きつぜんとして聳立しょうりつするこの奇巌城!(新学社文庫「奇巌城」P282)

新学社文庫では邦題の他に作中でも用いられているが、見出しを除く奇巌城の初出はここである。部分だけ抜き出しているのでわかりづらいが、ボートルレが最後にレギーユ(尖った岩)を発見した場面である。“奇巌城”この言葉は普通名詞ではなく固有名詞だと私は思う。だからこの場面で使うのはいかにも唐突に思える。そうでなければ何かのたとえか。しかしこの後で、ボートルレもルパンも“奇巌城”という言葉を使うので、両方とも成り立たない。固有名詞なのだとしたら、情報が伝達されていないのに同じ名前で呼ぶことはできないだろうし、比喩なのだとしたら独立して使うのには違和感が残る。

また、“奇巌城”という言葉は数例あるが、原文のAiguille並びにAiguille creuseの出現必ずしも対応してはいない(“奇巌城”はレギーユではないと逆主張することもできる)。この場面でも話題になっているのはAiguille(尖った岩)ではroc(岩)であり、まだ空洞であることが分からない場面なのである。実際のレギーユを写真を見て知っているからかもしれないが、それが奇巌城と言えるかというと私は言えないと思う。外見だけで言えるのなら、ボートルレが数少ない発見者とは鳴らなかっただろう。だから城というのは人が住む建物ではなくて、あえて言うなら、簡単には落ちそうにない堅固な様子の意味を添えたものくらいにしか言うことが出来ない。


青空文庫所収の「奇巌城」では「ああ針の形をした奇巌城はついに発見された。」とある。「ついに」というと、長い間探していたものを発見した場合に使われる言葉だから、奇巌城がすでに出てきたかと錯覚するがここが初出である。一体何を探していたのか分からなくなってくる。訳者が菊池寛になっているが、私は菊池の名義貸しで、誰かが保篠訳を元にリライトしたものだろうと思う。固有名詞がフランス語読みの保篠訳に準じているため、英訳が底本とは考えにくい。エイギュイユ城が2つ出てくるのも原文から直接訳していないからだろう。
青空文庫:奇巌城
http://www.aozora.gr.jp/cards/001121/card46187.html

講談社版「奇巌城」では城と明言しているが、この文章では本末転倒だと思う。城と言えるなら中が空洞だという必要はない。

この岩の塔は――針のようにとんがったこの奇怪ないわおの城は、中が空洞になっているのだ。(講談社文庫P249)


※以上の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※

2008/05/21

「花とゆめ」2008年12号 スキップ・ビート!感想

著者:仲村佳樹

キョーコは出来る女優としての称賛される夢(獏が食べるほうの夢)を見る。ラブミー部の部屋で、それは油断だと1/8蓮人形&腹話術を使って一人突っ込み、人に見られたら羞恥プレイなシーンで蓮本人登場(笑)

キョーコはドラマ「BOX"R"」で演じるナツの役がつかめない。蓮にいじめるシーン以外は普通の女の子でつまらないという。蓮はそのまま演じてみれば、という。キョーコはいったん置いてきぼりにされた感じを受けるけれど、だるま屋の自分の部屋に帰って、ナツが普通の女の子というのは、普通の女子高生である自分と同じではと気づく。そして普通の女の子ならどう行動するかを考える。

蓮の映画では『殺し屋B・J』のほかに、「『殺し屋B・J』を演じる『謎の俳優X』」としての役割が待っている。謎の俳優だから、他の出演者のクランクインより送れて撮影開始らしい。


「スキップ・ビート!」感想のバックナンバーはこちらから。

2008/05/20

国宝 薬師寺展

平城遷都1300年記念 国宝 薬師寺展
http://yakushiji2008.jp/
東京国立博物館 特別展 平城遷都1300年記念「国宝 薬師寺展」
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=5129
会期: 2008年3月25日(火)-6月8日(日)
会場: 東京国立博物館・平成館


あまり混んでいなくて展示の数も多くなかったのでゆっくりみられた。日光・月光菩薩像展示室への通路が一段高く桟敷のようになっていて菩薩像の目線の高さの近くで見ることが出来る。これはうれしかった。普段見られない背面は下からだけれどじっくり見ることが出来た。
最古の単独での彩色画である布に描かれた吉祥天像。緑や赤(ピンク)の彩色がしっかり残っていて綺麗だった。照明を落としていたので一見分かりにくいけれど、パネルで細かく説明されていたのでよく分かる。
1階のガイダンスルームでは8分ほどのビデオ流されていたのでこれも見た。

第1章 薬師寺伽藍を行く
第2章 草創期の薬師寺
第3章 玄奘三蔵と慈恩大師
第4章 国宝 吉祥天像


【レポート】普段は見られない日光・月光菩薩立像の背面までじっくり鑑賞 - 薬師寺展 (1) 国宝の日光、月光菩薩立像が薬師寺から春爛漫の東京へ初のふたり旅! ライフ マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/03/25/yakushiji/
関連イベントとして、薬師寺東京別院でもうひとつの薬師寺展が開催されている。
薬師寺東京別院(公式サイト):もうひとつの薬師寺展
http://www.yakushiji.or.jp/about/index_2008.html
平成20年3月25日(火)~6月8日(日)


□海外の日本美術品の修復
東京国立博物館 特集陳列 海外の日本美術品の修復
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B06&processId=00&event_id=5414&event_idx=1
平成館企画展示室 2008年5月13日(火)~2008年5月25日(日)

海外では修復作業ができない日本の美術品を日本で修復し、再び海外に戻される前の作品を展示していた。パネル展示では美術品の修復の方法や海外のワークショップの様子があった。
「多武峯維摩会本尊図」多武峯の維摩居士の本地とされたことによるもので、藤原鎌足と長男定恵、次男不比等が描かれている。三者揃って書かれている掛け軸なんて始めてみた。「花卉螺鈿ライティングビューロー」はきらきらしていて綺麗だったけれど、もとから海外用に作られたのだろうか。天板というか書くところの板の裏側も綺麗に螺鈿の模様がつけられていた。


折り良く西岡常一「木に学べ―法隆寺・薬師寺の美」小学館文庫を読んでいる。初めて奈良の土地で薬師寺西塔を見たときは驚いた。でも完成された伽藍を見てみたくなった。

伝説のハッカー来日

セキュリティー:メール傍受のデモを披露 伝説の元ハッカー、ミトニック氏初来日 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/electronics/news/20080516mog00m100015000c.html
「メールの盗聴は珍しいことではない」、初来日のミトニック氏が警鐘 - @IT
http://www.atmarkit.co.jp/news/200805/19/micnick.html

ちょうどこの人の著作「欺術」(ぎじゅつ)が読みたくなって探していたからタイムリー。以前読みたいと思ったときに入手していればよかったのだけれど、今は手に入らない。増刷しないかな。人間が介在することだから、ソーシャル・エンジニアリングの問題はある程度不変だと思う。


ミトニックをモデルとした映画
Yahoo!映画 - ザ・ハッカー
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id161191/
レビューで「FBIが恐れた伝説のハッカー」という本が紹介されている。出版社が草思社だから手に入るのかなと思ったら在庫はあるみたい。

2008/05/18

「奇岩城」探求(その12) 100年前

※以下の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※


100年、それしてそれよりずっと前から存在するものもあれば、100年前にあって今はなくなってしまったものもある。その一つがフレフォセの砦である。

100年前の絵葉書に使われた写真に写っている。
ETRETAT - Le Fort de Frefosse et la Chambre des Demoiselles, Falaise d'Aval(jpg)
ETRETAT - L'Aiguille et la porte d'Aval(jpg)
上の写真で奥に写る建物がフレフォセの砦である。手前の二つ瘤の岩が令嬢たちの部屋。レギーユと一緒の写真から見てもかなり大きいと分かる。

写真を掲載していたサイトは見られなくなってしまったが、フレフォセの砦の写真の縮小版はここのトップにある。遠景の写真は「Diaporama」の「Etretat hier」というメニューから。
Etretat(フランス語)
http://www.etretat-info.com/
フレフォセの砦がいつ壊されたのか分からないが、フレフォセの城館と言う建物が今もエトルタの南にあるようだ。2つの建物はかつては同じ人物が所有していたのだろう。
GeoPortail - Chateau de Frefosse


もう一つ欠かせない存在が「司祭の階段」である。作者に拠ればこの階段はベヌヴィル(エトルタの東にある地名)の司祭によって作られたという“断崖の中に穿たれた階段”なのである。「奇岩城」でボートルレが取材で訊きだした階段であり、「カリオストロ伯爵夫人(13)」では登場人物が下ったり登ったりしている。これも実在していたもので、現在「司祭の谷(Valleuse du Cure)」と呼ばれている場所に、かつては283段からなる階段があったという(「カリオストロ伯爵夫人」では350段と書かれている)。

Universite du havre - la valleuse du cure(フランス語)
http://www.univ-lehavre.fr/cybernat/pages/vallcure.htm
Specifites du parler yportais, par Michele Schortz(フランス語)
http://yport.web.free.fr/parler_yport13.php

モーパッサンの側用人であったFrancois TASSARTという人の1885年8月の日記に、レギーユ(l'Aiguille)や令嬢たちの部屋(la Chambre aux demoiselles)とともに司祭の階段(l'Escalier du cure)の語が見られ、モーパッサンの散歩コースに使われたことや、l'Aiguilleが当時もl'Aiguilleと呼ばれていたことが分かる。
Souvenirs, Chapitre IV(フランス語)
http://maupassant.free.fr/tassart/04.html
Souvenirs sur Guy de Maupassant(フランス語)
http://maupassant.free.fr/tassart/souvenirs.html
モーパッサンとエトルタ

「司祭の階段」は1883年に作られたが2001年7月に崩落し、現在は立入禁止となっている。「カリオストロ伯爵夫人(13)」(1894年が舞台)の当時はまだ新しい階段だったわけである。写真からでは本当に断崖の中に階段があったのか分からないが、この階段がなくては「奇岩城(4)」が生まれなかったかもしれない。


また、司祭の階段の近くにはEtigue(s)と言う名前のついた地名があり、クラリス・デティグ(d'Etigues)の屋敷もベヌヴィルの近くにあるとされている。その部屋からルパンはアヴァルの門とその傍らにあるレギーユの先端を眺めている。

左にはエトルタ湾とアヴァルの水門、巨大な針岩の切先が見渡せた。(ハヤカワ文庫「カリオストロ伯爵夫人」P14)
a gauche, la baie d'Etretat, la porte d'Aval et la pointe de l'enorme Aiguille.

このことからも「カリオストロ伯爵夫人」は明確に「奇岩城」前史を意図して書かれていることが分かる。アルセーヌ・ルパンがいかにして紳士強盗となったかの物語であると同時に、いかにしてレギーユ・クルーズを発見したかを示す物語でもあるのだ(映画「ルパン」は原作を闇雲に合体させたわけではない)。

一部邦訳でこの部分を“奇巌城”と訳しているが無理がある。“奇巌城”と訳せる言葉ではないという前提を置いておいても、この時のルパンにとってはこれは単なる岩であり、そのまま岩で終わるのかそれとも価値ある存在となるのか、ルパンの未分化な運命を象徴しているからだ。そのうえ「カリオストロ伯爵夫人(13)」に“奇巌城”が出てくる創元推理文庫版、偕成社版では、同じシリーズの「奇岩城(4)」には“奇巌城”が登場しない。偕成社版「カリオストロ伯爵夫人」は「アヴァルの港、あるいはまた巨大な奇岩城の岬」と改訳している(エトルタにあるのは港[port]ではなく門[porte])。ポプラ社のリライト版では「魔女とルパン」にベルヴァルのエギーユ(エトルタのレギーユではない)の代わりとして“奇巌城”が登場するが「奇巌城」には登場しない。


GeoPortail - Benouville
Benouville(ベヌヴィル)の北西の沖合にAiguille de Belvalがあり、北東にValleuse du Cure、東にla Haye d'Etigueと言った地名が見える。


前→「奇岩城」探求(その11) エギーユの眺め

※以上の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※

「奇岩城」探求(その11) エギーユの眺め

※以下の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※


エトルタにはレギーユ以外にも見逃せない物がある。

「(略)美しいじゃないか? 広大な海……そして空……右にも左にもエトルタの断崖がある。そこには三つの門がある。上手アモンの門、下手アヴァルの門、そして大手門マグナ・ポルタ……どれもこれも、ここの主にとっては凱旋門だ……そして、その主は、このわたしだったのだ!(略)」(岩波P352)

ここに登場するアモンの門、アヴァルの門、マンヌポルト(マグナ・ポルタ)は今も存在する。
Etretat - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/%C3%89tretat
Image:Porte Amont nuage en 2006.jpg - Wikipedia(左端の穴がアモンの門)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Image:Porte_Amont_nuage_en_2006.jpg
Image:Aiguille2.jpg - Wikipedia(アヴァルの門、左の岩がレギーユ)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Image:Aiguille2.jpg
Image:EtretatGreatArch.jpg - Wikipedia(マンヌポルト)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Image:EtretatGreatArch.jpg

遠景から見ると、視界に広がる海と断崖に、手前からマンヌポルト、アヴァルの門、アモンの門の3つのアーチが見える。
Universite du havre - Etretat(フランス語)
http://www.univ-lehavre.fr/cybernat/pages/etretat.htm
Etretat info - librairie(フランス語)
http://www.etretat-info.com/divers/librairie.htm


岩波少年文庫版ではアモンを上手、アヴァルを下手と訳している。アモン(amont)とアヴァル(aval)の語源は“a+montagne”と“a+val”つまり“山”と“谷”であり、転じてアモンが川の上流(上手)、アヴァルが下流(下手)を指す言葉となった。フランス北部の海岸では、アモンが東側、アヴァルが西側を指し、エトルタの北にあるサン・ヴァレリー・アン・コーでも東西に延びる断崖はアモンの断崖、アヴァルの断崖と呼ばれているようである。大手門はManneporte(マンヌポルト)のこと。この名前はmagna porta(マグナ・ポルタ。大きな門の意)なので、語呂をそろえて大手門としているのだろう。
因みに、陸から見ると、上手(アモン)の門が右、下手(アヴァル)の門が左にあり、演劇で舞台に向かって右側を上手、左側を下手ということと対応している(海から見ると逆である)。

前後に続く台詞を含めたこの言葉と景色とが相まって私の中でレギーユ・クルーズのイメージを作っている。レギーユの約80メートルという高さはビルでいうと23階くらいで、そこから眺める景色はやはり絶景だっただろう。見渡す限り空と海、陸地側はコート・ダルバートル(Cote d'Albatre=雪花石膏海岸)と呼ばれる景勝地。断崖が天然の障壁となって、陸地からの視線を遮ってくれる(レギーユより断崖のほうが高い)。誰にも邪魔されることがない。


もう一つ忘れてならない存在として、「令嬢たちの部屋」がある。これも断崖の上に今もある。
Image:1981etretat00A CHAMBRE DEMOISELLES.jpg - Wikipedia
http://fr.wikipedia.org/wiki/Image:1981etretat00A_CHAMBRE_DEMOISELLES.jpg

外見からすると二つ瘤の岩で、橋を渡った先に人が入れるほどの空間(穴)があるということである。そして、穴の中には「DF」の文字もあるらしい。「怪盗ルパンの館」サイトの「ルパンゆかりの地」写真ギャラリーで紹介されている。
怪盗ルパンの館
http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/lupin/lupin.html
ルパンゆかりの地写真ギャラリー2
http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/lupin/lpgala2.html

この「DF」に触れたコシェ神父の「エトルタの起源」は最近復刊されたらしい。
Jean Benoit Desire Cochet - Wikipedia(仏語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Jean_Cochet
Amazon.fr - Petite Histoire d'Etretat Livres Abbe Cochet(仏語)
http://www.amazon.fr/dp/2846184178
PETITE HISTOIRE D'ETRETAT (ARREMOLUDAS ) 紀伊國屋書店BookWeb
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/2846184178.html


前→「奇岩城」探求(その10) 海のオベリスク
次→「奇岩城」探求(その12) 100年前

※以上の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※

2008/05/12

発掘された映画たち2008「なまくら刀」ほか

会期:2008年4月24日(木)~5月15日(木) 、2008年5月23日(金)~6月1日(日)
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター
上映会情報:発掘された映画たち2008
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2008-05/kaisetsu.html
上映会情報:発掘された映画たち2008:発掘されたアニメーション映画
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2008-05/kaisetsu_2.html

訪問日:5/11
現存する最古のアニメーション作品となる「なまくら刀」が発見されたというニュースをたまたま目にし、それが上映されると言うので行ってみた。「なまくら刀」から「火の用心」までは無声。お腹が空いてたわけじゃないけど腹の虫が鳴りそうで怖かった(笑)

○なまくら刀(塙凹内名刀之巻)[デジタル復元版]
絵も筋もユーモラスで面白かった。なんと1917年製作・公開の作品。

○浦島太郎[デジタル復元版]
内容を知りすぎてる作品だからこれと言って真新しい感じはしなくて最後のオチを見逃しかけた。

○漫画 瘤取り
タイトル通りこぶとりじいさんの話。絵が上手く、表情豊かで面白かった。おじいさんに天狗たちに大天狗。雨が降るシーンも上手い。

○火の用心
火の扱い、後始末には十分注意しましょうという啓蒙のための作品。実写、イラストを交えて紹介しているけれど、まだまだ和服の時代で、家の造りも今とは違うからそこが面白かった。行火(あんか)懐かしい。

○古寺のおばけ騒動
ここからトーキー。肝試しをする豪胆な少年とお化けたち。まあまあ。

○熊に喰われぬ男
ミュージカルというか和風オペレッタというか、歌いながら話が進行していくのが面白い。そりゃ自分で災難を呼び込んどいて、危険を知らせず逃げる男を旅の共には選びたくない。

○狐と小鳥
小鳥とえさ(この生物は何だろう?)、えさと狐、狐と小鳥、追いかけっこの関係が面白い。音はあってもセリフはなかったかな。「トムとジェリー」みたいな感じがした。

○ガリヴァー奮闘記
既存のガリヴァー物語に納税を奨励するメッセージが組み込まれているらしい。ガリバーの口に運んだ食料箱に「税」って書いてある(笑)そのままじゃん。寝ているガリバーを勝手に縛っておいて、洪水で困ると食料をやって助けろという小人がとっても打算的。

○バクダット姫[最長版]
主題歌はサトウハチロー作詞、服部良一作曲。音楽担当も服部良一で、エキゾチックな音楽に加えて、所々クラシック音楽が取り入れられている、ライバルの王子が魔人にこてんぱんにやられるときは「天国と地獄」、剣で戦う場面は「剣の舞」、結婚シーンは「結婚行進曲」といった具合(ってこの3つしかタイトル知らない)。うつくしい王女、相思相愛の王子、ライバルの王子二人で、王女と結ばれるために象牙の小箱を手に入れるという、筋立ては簡単だけれど割と楽しめた。


□フィルム発見のニュースについて
日本最古のアニメ「なまくら刀」発見 東京で来月公開 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/080326/tnr0803262046016-n1
(23)大正時代 色付きフィルム TOKYOあにめのま~ち 企画・連載 東京23区 地域 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/feature/tokyo231203958795871_02/news/2
日々辞典【にちにちじてん】 20080501(「なまくら刀」を発見した松本夏樹氏のインタビュー)
http://blog.kozakitaiji.com/?day=20080501
http://blog.kozakitaiji.com/?day=20080502
http://blog.kozakitaiji.com/?day=20080503

今回上映されたアニメの一部は以下のDVDに収録されているようだ(瘤取り、古寺のおばけ騒動、熊に喰われぬ男、ガリヴァー奮闘記)。ただし同じバージョンか不明。
Digital Meme:日本アニメクラシックコレクション [DVD4巻セット]
http://www.digital-meme.com/jp/our_products/dvds/4dvdset1.html


□企画展示
フィルムセンターの7階展示室では「映画資料でみる映画の中の日本文学Part1」という企画展示をやっていた。古事記から江戸川乱歩まで。各作家の紹介やスチール写真、映像などがあった。展示室に入ったのは初めてだったので常設展示の映画遺産も興味深かった。
展覧会情報:映画資料でみる映画の中の日本文学 Part 1
http://www.momat.go.jp/FC/BUNGAKU1/index.html

他にも会期中は沢山の作品が上映されているけれど、私は「鉄の爪」が気になる。だって…これ怪盗スタイルだよね。しかもすばらしき棒読みっぷりらしいのがまたそそる(笑)
INTRO 発掘された映画たち2008-後半
http://intro.ne.jp/contents/2008/05/01_1311.html
活動弁士・桜井麻美の桜言葉 第572回無声映画鑑賞会
http://sakura-kotoba.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/572_eac8.html

「怪電波の戦慄」もとっても気になる。他の作品についてもスチール写真があればいいのに。

雑誌「映画秘宝」2008年6月号 「鉄人28号 白昼の残月」DVD発売記念

『鉄人28号 白昼の残月』と第二次世界大戦空想架空兵器大図鑑
P44-47(カラー4P)
洋泉社 ホーム
http://www.yosensha.co.jp/
JBOOK:映画秘宝6月号[映画奪還作戦!]:雑誌
http://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/2602649/s/

DVD発売を記念しての特集。前半の2ページで「白昼の残月」の紹介と、その周辺鉄人28号の映像化などについて特集されている。後半で架空兵器にからめて少し鉄人計画の紹介がある。雑誌裏表紙の見返しに「鉄人28号 白昼の残月」DVDの広告あり。

探偵講談「ルパン対ホームズ」公演予定(続報)

上方講談師・旭堂南湖HP「正直南湖」
http://www003.upp.so-net.ne.jp/nanko/
出演予定より

5/25(日)
第40回『名探偵ナンコ』~よみがえれ!探偵講談~(奇数月第4日曜日開催)
出演/旭堂南湖「ルパン対ホームズ」(原作・ルブラン)、「お楽しみ」
ゲスト・芦辺拓(作家)「対談・探偵講談と探偵小説あれこれ」

探偵講談「ルパンVSホームズ」上演予定

2008/05/10

NHK BS2で「鉄人28号 白昼の残月」放送予定

早くも再放送です。

NHKアニメワールド
http://www3.nhk.or.jp/anime/
BS2「アニメ映画劇場」にて下記の番組を放送する予定です。
5月31日(土)午後7:45~9:30
「鉄人28号 白昼の残月」


□2008/05/18
こちらのページの放送予定も更新されています。
NHK BSオンライン:アニメ映画劇場
http://www.nhk.or.jp/bs/bsanime/

2008/05/05

東洋初のロボット「学天則」が復元される

東洋初のロボットといわれる「学天則」が大阪市立科学館により復元されたそうです。オリジナルの人造人間「學天則」は1928年(昭和3年)に西村真琴氏が製作したものの、後に行方不明となり詳細が分からなくなってしまったといいます。見てみたいものですが、実際に見られるのはまだ先。同館の展示リニューアルオープンの7月18日13時から公開される予定そうです。

大阪市立科学館、「学天則」を動態復元~80年前の「人造人間」が復活(動画あり)
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/04/25/1023.html
80年前に作られたロボット「學天則」が復元(動画あり) Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)
http://www.gizmodo.jp/2008/04/80_5.html

アニメ劇場版「鉄人28号 白昼の残月」DVD紹介記事

内容の紹介と封入特典の写真があります。

CDJournal.com - ニュース - 劇場用アニメ『鉄人28号 白昼の残月』がDVD化!海洋堂製フィギュア付き限定盤もあり
http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=18922


アニメ劇場版「鉄人28号 白昼の残月」DVD発売情報

2008/05/01

相棒×リポビタンD

土曜ワイド劇場から出発したTVドラマ相棒の劇場版公開に向けて宣伝が盛んだけれど、ここまでやるかっていうのがこれ。やっと見ることが出来た。

対極のイメージ(とくに鑑識さん)だったからどんなCMかと思ったら、会議そっちのけで部屋に転がって物陰に入ったリポビタンDを必死で取ろうとする二人。なんて情けないシチュエーション。そもそも二人協力するような仲だったっけ? でも最後は無事手にもってキメキメ(笑) 「鷲のマークの~」は伊丹さんの声もよかったけど、欲を言えば本家・矢島正明さんの声でかぶせて欲しかった。

「相棒」の脇役2人がリポビタンDのCM
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20080419-349956.html

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