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2008/04/27

雑誌「マガジンSPECIAL」2008年6号に「鉄人奪還作戦」登場予定

新連載として「鉄人奪還作戦」の新作が予告されています。

マガメガ:マガジンSPECIAL:次号予告
http://www.shonenmagazine.com/php/magazine.php?sbt=2&ptype=2
「鉄人奪還作戦2 ~シメオンの逆襲(仮)」
原作/横山光輝、漫画/さとうふみや


既刊「鉄人奪還作戦」さとうふみや 横山光輝 講談社
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=372252X&x=C

2008/04/22

ルパンシリーズ作品関係図を更新

作品関係図

大きく変えたのは「山羊皮服を着た男(A2)」の位置。フランスでの発表年が1927年であるため第二部にしていたのですが、先行して1912年に「ルパンの告白(6)」の英訳版で発表されているのです。それで最初から迷うところではあったのだけど、内容から見ても「わたし」が登場することからしても第一部に属するほうがふさわしいので第一部にしました。

ルパンシリーズ作品関係図

きつすぎる上着 - 奇岩城(4)

※以下の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※


彼はたいへん丁寧な口調で、おだやかな話し方をした。背は高く、ごく痩せてはいたが、まだまったく若い男で、短すぎるズボンに、きつい感じの上着を着ていた。娘のようにばら色の顔をしていて、広い額に短く刈った髪、金色をした不精ひげを生やしていた。目は利口そうに、生き生きしていた。彼は少しも取り乱した様子を見せず、べつに皮肉の跡も見せぬ感じのよい微笑を浮かべていた。(集英社文庫「奇巌城」P29)

この描写はイジドール・ボートルレというキャラクターを印象付けるものであるのに、結構解釈が割れる箇所ではないかと思う。短すぎるズボン、きつい上着はもちろん背広の丈が合わないことを言っている。サイズの合わない服を着ているなんて成人男子にはあるまじき醜態(フランス人ともあろうものが←偏見)。それなのににこにこしているというのは怪しいわけです。似合わないひげまで生やして。

考えられるのはまず貧乏か変人か。バーネットは後者だけど、ボートルレは違う。かといって貧乏でもなくてどちらかというとぼんぼん(金には困らない家の子)で、サイズが合わないのは単に成長期だからなんだと思う。貧乏ゆえにしては卑屈なところが無い。サイズが合わないというのも見るからにつんつるてんなのじゃなくて、よく見れば変だぞ程度なもので。

母親不在というのもあると思う。母親かもしくは身近に女性(叔母や使用人など)の眼があれば成長に合わせて服を仕立てるだろうし、貧乏だったらなおさら大きめに仕立てて裾上げなどをしてサイズには気をつけるのじゃないのかな。


「アマチュア探偵」と言う言葉にも表れている。無報酬で行っていて、経費は自分持ち。それによって名を挙げようという大それた望みを持っていない。そんなところもぼんぼんらしい。

ジェーヴル伯爵はヴァルメラ親子ともボートルレ親子とも食事を同席しているからそこそこの身分なのでは。サヴォワに住んでいるというのも、妻が無くなり子供も寄宿舎に入ってしまったから引退したとも考えられるし。ジェーヴル伯爵は他の身分の人物に対してあまり偏見を持っていそうな人物ではないので、そう豊かではないブルジョワとも考えられるけれど。

ルパンの書簡がジェーヴル親子を本気で非難していると捉えるのは早計で、金と宝石がたくさんあれば女性の気持ちは変わる、と言いいたいのだ。女性の気持ちを変えるのは劇的な出会いと誠実な付き合い。まあ古典的な筋立てだけど、だからこそ大衆は納得しやすい。そういうシナリオだと思う。


※以上の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※

名探偵コナン「紺碧の棺」感想

読み:こんぺきのジョリー・ロジャー
日本テレビ、4/21 (月) 19:00~20:54

声聞いて絶対犯人だと思ったらやっぱり。でもなんかあっさり解決。勿体無い。勿体無さ過ぎる。
メリハリに欠ける気がしたし、ああ知っているというネタもなかったしあまり楽しめかなった。日本が舞台なのにフランス語でどうのとかスペイン語でどうのとか言われてもね。外国を舞台に出来ないのは分かってるけど。トレジャーハンターの話だとは知っていたけれど、海賊の話だとは知らずに見たので、ちょっと置いてきぼり。何で棺と書いてジョリー・ロジャーと読むのだろう。

CD「伝説のピアノ録音集」

こういうCDが出たそうです。日本では手に入らないでしょうが、ジョルジェット・ルブランの歌も吹き込まれているとか。
Legendary Piano Recordings
The Complete Grieg, Saint-Saens, Pugno, and Diemer
http://www.marstonrecords.com/legendary-piano/legendary_piano_ward.htm

タイスが作曲した曲のなかには「タイスの瞑想曲」というのががありますが、これは音楽に疎い私でも聞いたことがあります。
http://www.hi-ho.ne.jp/m-hiroi/BGM/bgm-menu.html


このCDは次のブログの記事で知りました。タイトルも拝借しました。
ブリュッセル→東京 日々つれづれ 伝説の記録
http://louise200.exblog.jp/8231495/

2008/04/21

雑誌「ロボコンマガジン」No.57 ブラックオックス

Online ROBOCON Magazine
http://www.ohmsha.co.jp/robocon/
「ロボコンマガジン」の表紙にヴイストン社のブラックオックス登場です。
ロボットNewsとして鉄人28号のライバル「ブラックオックス」商品化が取り上げられています。

ちなみに、この雑誌のNo.45は同じくヴイストンの鉄人28号でした。
Online ROBOCON Magazine No.45 紹介
http://www.ohmsha.co.jp/robocon/magazine/no045/no045-main.htm


ヴイストンが「ブラックオックス」ロボットを開発中&「鉄人28号」再販
ヴイストン「鉄人28号ロボット」まとめ
雑誌「ロボコンマガジン」No.45 テレビアニメ版鉄人28号ロボット

雑誌「ネムキ」2008年5月号に「怪盗アルセーヌ・ルパン 八点鐘」掲載

JET氏による漫画化。今回は事件2「水瓶」。

OPENDOORS:雑誌:ネムキ
http://opendoors.asahi.com/nemuki/index.shtml


モリソーの代わりにガニマール登場。ガニマールにしたってことはこれから先何かあるのだろうか。

□2008/05/19
あとがきを読んでで気づいたけれど、新潮文庫では水瓶に「みずがめ」とルビを振ってある。偕成社版の邦題は「水びん」。今の日本語の場合、ガラスなら水びん(光が通過するから多分ガラス)とするほうが普通ではないかと思う。水がめというと、昔ながらの陶器や土器など不透明なものをイメージしてしまう。

「花とゆめ」2008年10号 スキップ・ビート!感想

著者:仲村佳樹

キョーコが仕事中に落ち込んでいて、蓮に事情を打ち明けたのは、大遅刻で新人なのでこっぴどく怒られると思っていたら全く咎められなかったうえに、ろくに謝罪も出来なかったから。そんな自分に活を入れてすっきり再生させてくれるなんてまるで盆栽か植木職人のよう、とたたえる。そしてなぜか二人で謎の植木談義に(笑) それを冷静に観察する社さん。相変わらず読者よりのいい突っ込みです。

蓮はやっと薔薇の名前をキョーコに言うことができた。クィーン・ローザ。その元になった薔薇にはある伝説があると言う。キョーコならこう想像すると捏造したのか分からないけれどこんな話。プリンセス・ローザという皆にたいそう可愛がられたお姫様がいたのだけど、不慮の事故で亡くなってしまう。それを嘆き気悲しんだ母クィーン・ローザは姫が無くなった湖のほとりではかなくなってしまう(涙に暮れて亡くなってしまう)。クィーン・ローザの亡骸があった場所にいつしか一輪の薔薇が育ち、そのつぼみの中からかわいらしい女の子が生まれ、そしてその子はプリンセス・ローザと名づけられましたとさ。と言う話。
どこまでが作り話でどこまでが実話か分からないから伝説…それをわざわざ言うのは、いたいけな少女を騙す罠ね(笑)

間に合わせの花瓶では薔薇にサイズが合わなかったので、キョーコが新しい花瓶を買って帰宅すると、花瓶が倒れていた。倒れた薔薇から出てきたのはピンク色の涙の型をした結晶(宝石)。一つ大人になったのだからもう浮かれたりしないわ、と決意しつつも浮かれまくって蓮に感謝の報告。社さんがつっこんだように高いんだろうなあ。


次回11号はお休みで12号から再開。
「スキップ・ビート!」感想のバックナンバーはこちらから。

怪盗紳士という称号(その5) - 付記

※以下の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※


「戯曲アルセーヌ・ルパン(3)」においては、次の箇所で紳士強盗の肩書きが使われている。

Hein! est-ce assez la revanche de Guerchard! de cette vieille ganache de Guerchard?... Brummell des voleurs en bonnet de prison... Le gentleman cambrioleur sous les verrous!.. Pour Lupin ca n'est qu'un petit ennui, mais pour un duc, c'est un desastre... ("Les aventures extraordinaires d'Arsene Lupin" Vol.1 P525-526 OMNIBUS)

「(略)どうだね? ゲルシャールにとっては……君があざけった、おろかでまぬけな老いぼれのゲルシャールにとって、すばらしい復讐じゃないか? 囚人帽をかぶった、いかさまの伊達男! 監獄入りの泥棒紳士め! ルパンにとってはそんなことはなんでもないだろうが、ひとりの公爵にとっては災難だ!(略)」(偕成社文庫「ルパンの冒険」P320)

偕成社文庫は英語ノベライズ版からの翻訳なので少し内容が違うけれど、分かりやすいので引用した。ゲルシャールは、ルパンが普段紳士強盗と名乗っていることを皮肉って「監獄入りの紳士強盗!」と言っているのである。(監獄入りというのは未来に起こることを言っているので、め、とつけるとニュアンスが違うかな)

なお「gentleman cambrioleur」は英語ノベライズ版では「gentleman-burglar」となっている。英語の「burglar」もフランス語の「cambrioleur」と同じく押し込み強盗の意味。ブランメル(Brummell)は実在の人物で、ここでは伊達男、ダンディの代名詞として使われている。ダンディやスノッブという言葉は、小説にはなく戯曲だけに現れる言葉ではないかと思う。ルパンがダンディかどうかは別として。ルパンの肩書きがゲルシャールの口から発せられることを含めて、小説と戯曲ではいくつかの差異が感じられるため最初の考察からははずした。


ルパンの先達であるラッフルズの単行本タイトル「The Amateur Cracksman」は、ラッフルズの出自がジェントルマンであり、アマテュアのクリケット選手(cricketer)であることを表している。しかし、盗みの動機には困窮、生活資金の不足がある。しかし紳士強盗は金に困ることがないし、盗みをしなくても生活できる。アルセーヌ・ルパンの出自はジェントルマンではない。
ラッフルズとルパン

余談として、紳士強盗で検索して引っかかる映画「ブランケット&マクレーン」のGentleman Highwaymanは、「礼儀正しい追い剥ぎ」を意味するようだ。
CINEMA TOPICS ONLINE|プランケット&マクレーン
http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=431
James MacLaine - Wikipedia, the free encyclopedia(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/James_MacLaine


前→怪盗紳士という称号(その4) - 対義語あるいは類義語

※以上の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※

2008/04/17

怪盗紳士という称号(その4) - 対義語あるいは類義語

※以下の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※


「謎の家(16)」には紳士航海士(gentleman navigateur, gentilhomme-navigateur)、紳士探偵(gentleman detective, gentleman-detective)という肩書きを持つ男が登場するが、この肩書きは一見すると自己パロディと言える。しかし航海士、探偵が趣味であることに嘘は少ない。紳士(ジェントルマン)ということは、金銭を得るために働く必要がないということであり、アマチュアであることを表す。アマチュア探偵(detective amateur)と名乗っている男も「エメラルドの指輪(A3)」で登場する。いずれも紳士強盗の隠れ蓑であり、プロの強盗であることが見え隠れしている。探偵行為は無報酬で(ないときもあるが)、本職としていないというのは確かなので面白みがない。紳士強盗は確かに趣味でもあるが、プロの強盗だから名乗る意味があるのだ。また、普通にアマチュア探偵と名乗るより、報酬“は”頂きませんという我流解釈を掲げるほうが面白い(「バーネット探偵社(15)」)。

アマチュア探偵と名乗ってこそいないが、無償で謎解きをするルパンの姿は早くから登場する。もっとも、謎を解くのは探偵の専売特許ではない。人助け、犯罪を暴くという意味での探偵である。「謎の旅行者(1-4)」では書類を奪われて俄か探偵になるし、紳士強盗としてのデビューである「ハートの7(1-6)」も、無償で謎を解く話となっている(後におこぼれを頂戴していることが判明するが、報酬や自己の利益が目的ではない)。職業探偵ではないから報酬は不要だし、依頼をしなくても、自分が危機的状況にあると気づいていなくても、ルパンのアンテナに引っかかれば助けてくれるのだ(「さまよう死霊(6-6)」)。「ルパン対ショルメス(2)」におけるルパンとショルメスの役割は、「金髪婦人(2-1)」では強盗と探偵だが、「ユダヤのランプ(2-2)」ではアマチュア探偵と職業探偵なのである。


探偵行為が本業ではないことはもとより、金銭を受け取らないことは何度か強調されている。

「それで、どことんまでやる気かい?」
「出来れば、その先までもな」
「なぜだ? どんな利益があるんだ?」
「アマチュアとしてだ。それにきさまが<いやだからだ」
(新潮文庫「棺桶島」P447-448/三十棺桶島(10))

アマチュアとして(En amateur)、つまり報酬はいらないということである。少しひねた捕らえ方をすると、趣味、道楽としてということになる。

en amateur ((軽蔑して))道楽で,気まぐれに,いい加減に(「小学館ロベール仏和大辞典」1988)

「それじゃ、お詫びはしません」とパトリスは笑いながら言った。「そのかわり、お礼を申します」
「なんの? あなたの命とコラリーさんを救ったことのですか? お礼には及びません。人を救うのは、わたしにとってスポーツですよ」
(創元推理文庫「金三角」P368/金三角(9))

スポーツ、とりわけアマチュアスポーツのことだろう。この時代、ジェントルマンとアマチュア、スポーツという言葉は不可分の関係にあり、アマチュアスポーツはジェントルマンにのみ許された行為だった。近代オリンピックも、設立時にはアマチュア=ジェントルマンしか参加できなかった。労働者や、プロスポーツ選手、スポーツにより金銭を受け取ったことのある人物は参加することが出来なかったのである。


ルパンにとっては盗みも人助けもスポーツなのかもしれない。何より自らの好奇心にしたがって行動する人間であり、そこに救うべき人がいれば助け、奪うべきものがあれば奪う。そのためのアンテナを広げておくのは、どこにチャンスが転がっているか分からないからだ。そして好機を見つけたらそれに賭ける。それは冒険家(aventurier)と言うことになる。「813(5)」のルパンはヨーロッパの地図を書き換えんとする策謀家であり、敵である男爵との付き合い方のように危険と隣り合わせの状況を愉しむ危険愛好家でもある。

日々の努力を惜しまず、その日その日に悪事を働く一方、遊び好きで情にもろいドン・キホーテのように、持ち前の性格と道楽気分により、善行も施していたのである。
(集英社文庫「アルセーヌ・ルパン」P7/太陽のたわむれ(6-1))

「もう一つある。第三の賭だ。二百万フランが懐に入るかもしれんのだ……そしてほんの手付け金にすぎないその二百万フランを手に入れたら、そこからがぼくの腕の見せどころさ。(略)」
(集英社文庫「アルセーヌ・ルパン」P23/太陽のたわむれ(6-1))

aventurier 1 (手段を選ばず富や権力を得ようとする)策士;山師,ペテン師. 2 冒険家,あえて危険を求める人.(「小学館ロベール仏和大辞典」1988)

そしてこれは紳士強盗を捨てたルパンが墓碑銘に選んだ肩書きなのである(「813(5)」「虎の牙(11)」)。


前→怪盗紳士という称号(その3) - その登場
次→怪盗紳士という称号(その5) - 付記

※以上の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※

怪盗紳士という称号(その3) - その登場

※以下の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※


この肩書きはいつから登場したか。最初に挙げた6つの用例のうち、最も登場が早いのは「ハートの7(1-6)」(「ジュ・セ・トゥ」1907年5月号)である。「ハートの7(1-6)」が掲載された翌月号に最初の単行本“紳士強盗アルセーヌ・ルパン”の広告が掲載され、実際に発売されている。「アルセーヌ・ルパンの逮捕(1-1)」の“紳士強盗アルセーヌ・ルパン”という言葉は、単行本化の際に書き加えられたものである。「ハートの7(1-6)」の掲載は単行本発売に連動した企画でもあったのだろう。
雑誌「ジュ・セ・トゥ」目録

ルパンシリーズは長期にわたって書かれているため、何度か設定の見直しが行われているが、その中で一番初めで大きなものが、この紳士強盗の肩書きだろう。そしてアルセーヌ・ルパンのイメージが決定付けられたと思う。

私は金のために盗むのではない、紳士強盗だと嘯くことが出来た理由もこの頃思いついたのではないかと思っている。やはり金である。十分に稼いだとするのもいいが、趣味だと豪語できる収入源を別に持っていたとするなら…すなわち「奇岩城(4)」や「カリオストロ伯爵夫人(13)」で語られるものがそれである。すでに雑誌では「奇岩城(4)」のタイトルが発表されている。当初からルパンものにする予定だったかは不明だが、ルパンに紳士強盗の肩書きを付けた時には、レギーユ・クルーズの謎とルパンとを結びつける構想を持っていたと考える。


なお、アルセーヌ・ルパンの名前は最初から紳士強盗(gentleman-cambrioleur)と結びついていたわけではない。最初の肩書きは「金髪婦人(2-1)」の貴族強盗(gentilhomme-cambrioleur)である(「ジュ・セ・トゥ」1907年4月号)。翻訳で対応するのはこの箇所。

まるで記念碑に書きこむような次の文章を書き込んだ。
  二十世紀のはじめ、五年間、ここに怪盗紳士アルセーヌ・ルパン居住せり。
(岩波少年文庫「ルパン対ホームズ」P238/金髪婦人(2-1))

英語のgentlemanはフランス語のgentilhommeの派生語なので、両者は一部において似た意味を持つ。この貴族強盗(gentilhomme-cambrioleur)も紳士強盗とほぼ同じ意味だろう。(gentleman-farmerのフランス語形gentilhomme-fermierで豪農の意味がある)


前→怪盗紳士という称号(その2) - その意味
次→怪盗紳士という称号(その4) - 対義語あるいは類義語

※以上の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※

2008/04/16

怪盗紳士という称号(その2) - その意味

※以下の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※


では、紳士強盗(gentleman-cambrioleur)とはどういう意味なのか。cambrioleurというのはスリや路上荒らしではなく、建物に押し入って盗みを働く押し込み強盗や空き巣狙いを指す。だからこそ予告状を出したり、現場に名刺を残したりできるのだ。しかし、逆に言えば押し込み以外の場面では使えないということになる。gentlemanは英語からの借用語で、仏和辞書には「紳士」としか載っていないが、歴史のある多義の言葉である。長くなるので詳しく述べることはしない。

ここで留意したいのは、皮肉屋で嘘つきであるルパンの自称である以上、額面どおりに受け取ることは出来ないということでもある。そして、自ら名乗る以上ルパンの主張が織り込まれているはずだということである。

確かに紳士にして強盗と捉えても問題ないとは思う。「アルセーヌ・ルパンの逮捕(1-1)」で「fantaisiste gentleman」と書かれているし、紳士なのだろう(この言葉は初出にもあり。ハヤカワ文庫では「芸術家肌の紳士」と訳されている。fantaisisteは「気まぐれな」という意味もある)。しかしハイフンで繋がっている以上、まずは一語として考えたい。その取っ掛かりとなるのは、「奇岩城(4)」の例である。cの箇所は原文ではこうなっている。

Le gentleman-cambrioleur est mort, vive le gentleman-farmer!

「A est mort, vive B」というのは「国王陛下崩御、新国王万歳!(Le Roi Est Mort, Vive Le Roi!)」というのをもじったものである。このフレーズはよく使われるらしく、映画「エディット・ピアフ ~愛の賛歌~」(2007年日本公開)の中に登場する新聞記事でも「子スズメは死んだ、エディット・ピアフ万歳!」という風に使われていた。他にルパンは「金三角(9)」では種明かしの場面で使っている(AがBに摩り替わったことを言っている)。「虎の牙(11)」では「アルセーヌ一世は死んだ、フランス万歳!」なぞとのたまっている。
Le Roi est mort, vive le Roi ! - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Le_Roi_est_mort%2C_vive_le_Roi_%21

文字通り訳すなら「紳士強盗は死んだ、紳士百姓万歳!」となるだろう。gentleman-cambrioleurは作者の造語だが、gentleman-farmerは暦とした英語からの借用語で辞書にも載っている。英語の形そのままなので英語の辞書にも載っている。(「綱渡りのドロテ」でも使われていて、創元推理文庫では「ジェントルマンの農園主」(P39)と訳されている。)

gentleman-farmer ((英語))豪農:道楽で農業経営をする名士(「小学館ロベール仏和大辞典」1988)
gentleman-farmer 1(他に財産・収入があって)趣味で農業をする人. 2(自分で労働する必要のない)豪農(「ランダムハウス英語大辞典」第2版、小学館1996)

意味を置き換えると、

  1. (他に財産・収入があって)趣味で強盗をする人
  2. (自分で労働する必要のない)大強盗

となる。ここでいう紳士とは働かなくても食っていける金持ち、盗みは金持ちの道楽というわけである。しかし残念ながら日本語の紳士に金持ちの意味合いは薄い。(イギリスの伝統的なジェントルマン階級は地代などの不労所得があった)


金は十分に持っている、金が目的ではないのだ、と言う主張は主に美術品を盗むことに現れているのかもしれない。しかしこの主張が最も効果的に使われているのは「813(5)」だ。冒頭のやりとりは緊張感があってぞくぞくする。相手はルパンの正体も目的が分からない。だから金で解決しようとするのだが、部下のマルコにこの方がお金を下さるそうだ、とかわし、目的の第一段階を踏んだあとに初めて名刺を出すのである。

私は最初に読んだ(再読)したとき、本当にルパンか?と思った。そして、名刺を出したことが逆に怪しい、とも思った。わざわざ名乗ることに何の意味があるのか。盗みは趣味だといいつつも、強盗という行為は実利を求めるものである。この肩書きを名乗っておいて、金にならないことをするわけがない。しかし強盗殺人を犯したとは聞かない。本物であれ偽者であれ、紳士強盗と名乗ることは、今までのアルセーヌ・ルパンの威を借ることである。安心といっても、どうやら命をとられることはなさそうだという程度の安心なわけで、そこをすかさず突くルパンのセリフがまたいい。

dの箇所は新潮文庫ではこうなっている。最初に読んだときやっぱりこれだと思った。この場所は紳士強盗でないと締まらない。よしんば日本語で言う紳士的の意味だとしても、この名刺を突きつけられて鵜呑みにするのは余程鈍い奴で、たいていは「自分の要求を呑む限りにおいては」という但し書きつきか、「他人にとっては(自分にとっては)少なからず紳士的ではない」という逆説的な意味で受け取るだろう。

彼はポケットから一枚の名刺を取り出し、読み上げた。
「アルセーヌ・ルパン、紳士強盗」(新潮文庫「813」P31)

原文ではこうなっている。

Et, tirant une carte de sa poche, il prononca:
- Arsene Lupin, gentleman-cambrioleur.

「Arsene Lupin, gentleman-cambrioleur」これは最初の単行本タイトルと全く同じである。のみならず、a、b、eでも同じ並びで書かれている。特別な書き方ではないようだが、意識して書かれているのだろう。名前と肩書きのバランスは重要な要素である。ではfだけハイフンの付かない、冠詞の付いた「le gentleman cambrioleur」なのは別の意味があるのかもしれない。


前→怪盗紳士という称号(その1)
次→怪盗紳士という称号(その3) - その登場

※以上の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※

2008/04/15

怪盗紳士という称号(その1)

※以下の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※


アルセーヌ・ルパンの代名詞となったこの言葉は「gentleman-cambrioleur」の訳語である。最初の単行本に選んだタイトルであり、ルパンの肩書きでもあるあるこの言葉は、さまざまな日本語で訳されて、さらにその訳語が独立して使われているため、本来の意味、本来の使われ方が捕らえづらくなっていると感じる。私はフランス語も英語も分からないので、意味を断言することは出来ないが、この言葉の忘れられがちな側面について整理してみたいと思う。

なお、「gentleman-cambrioleur」の訳語には紳士強盗という語を使うことにする。(新学社文庫、新潮文庫などでこの訳語が用いられている)


紳士強盗の言葉が原作に出てくるのはそれほど多くない。次の6箇所である。(調査対象は小説のみ)

  1. 《(略)あらためて参上しよう。怪盗紳士アルセーヌ・ルパン》
    ハヤカワ文庫「怪盗紳士ルパン」P11/アルセーヌ・ルパンの逮捕(1-1)

  2. このようにして、(略)怪盗紳士ことアルセーヌ・ルパンその人であると知ったのである。
    ハヤカワ文庫「怪盗紳士ルパン」P234/ハートの7(1-6)

  3. 「(略)怪盗紳士ジェントルマン・カンブリオルールは死んだのだ。百姓紳士ジェントルマン・ファーマーばんざい! というわけさ」
    岩波少年文庫「奇岩城」P371/奇岩城(4)

  4. 男はポケットから一枚の名刺をとりだすと、これを読みあげた。
    「怪盗紳士、アルセーヌ・ルパン」
    偕成社文庫「813」P31-32/813(5)

  5. 〈下名、強盗紳士、元大佐、元下男、元死体、アルセーヌ・ルパンは、(略)〉
    新潮文庫「ルパンの告白」P295/白鳥の首のエディス(6-7)

  6. 『おれだ、アルセーヌ・リュパンだ。昔の詐欺師、怪盗紳士、ここにあり。(略)』
    創元推理文庫「虎の牙」P481/虎の牙(11)

これに加えて、1冊目の短編集のタイトル「怪盗紳士ルパン(1)」がある。なお、fだけハイフンが付かない「gentleman cambrioleur」である。

この使われ方を見るだけで二つのことが分かる。一つは、bを除いてルパンの発言またはルパンが書いた言葉であること。bの語り手はルパンのスポークスマンだから、ルパン公認といえる。紳士強盗というのはルパンの自称なのである。ルパンが自覚し、他人からも指摘される肩書きには強盗(cambrioleur)や詐欺師(escroc)がある。

もう一つは、使用例が初期の作品に限られていること。内容を考慮に入れるとcは引退宣言、dは復活宣言、fは引退後の話であって、現役を謳っているのはa、b、eしかない。第1次世界大戦より前に書かれた、第1次世界大戦が起こる前の時代ベル・エポックを舞台とした作品である。正確に言うと「虎の牙(11)」は大戦後に加筆出版されたが、fの箇所は大戦前の英訳に存在する。また「昔の」という言葉は詐欺師にしか係っていないが、立場的には引退しているし、元強盗(ex-cambrioleur)とも名乗っている。


「紳士強盗」こそシリーズ前半期のキーワードである。だから作品関係図を作ろうと考えて、第1作から「虎の牙」までを線で結んだ。紳士強盗の誕生から引退まで。盗みは終生やめることは出来なかったが、シリーズ後半では紳士強盗を名乗っていない。


次→怪盗紳士という称号(その2) - その意味

※以上の文章は前半期の作品を中心にルパンシリーズの内容に触れています。※

2008/04/09

「乙女は龍を駆る!」+雑誌「コバルト」2008年4月号の外伝

雑誌「コバルト」2008年4月号には、榎木洋子さん「乙女は龍を導く! 」シリーズの短編「吹雪のちガーデンドレス」と、イラストの牧あさかさんによる漫画「スペシャルまんが教えてマー介!! 乙龍の世界」(1P)が載っています。本編のようなシリアスさはなく、気楽に読める作品でした。

「乙女は龍を駆る!」はシリーズ5冊目。幼い理花が蛇嫌いの原因が明らかに。たしかのあの龍の種別は他の種族より少ないように描写されてたなあと気づいたり。龍の過去と未来はどうなってしまうのだろう。榎木さんの公式ブログによると全7巻の予定らしいです。

乙女は龍を駆る! 試し読み
http://books.shueisha.co.jp/tameshiyomi/978-4-08-601146-4.html


榎木洋子:守龍ワールド作品リスト

2008/04/06

シャーロック・ホームズ対アルセーヌ・ルパンのアドベンチャーゲームのデモ版公開

ホームズとルパンが対決するアドベンチャーゲームのデモ版が公開されました。北米では「Sherlock Holmes:Nemesis」と改題されているようです。
スペックが合わないので私は残念ながらプレイすることが出来ません

4Gamer.net ― 今度の相手はルパン。推理アドベンチャー「Sherlock Holmes:Nemesis」のデモ版をUp
http://www.4gamer.net/games/040/G004097/20080331006/
4Gamer.net ― Sherlock Holmes:Nemesis[PC]
http://www.4gamer.net/games/040/G004097/


シャーロック・ホームズ対アルセーヌ・ルパンのアドベンチャーゲーム発売
シャーロック・ホームズ対アルセーヌ・ルパンのアドベンチャーゲーム発売(続報)
このゲームは日本にも輸入されています。


□2008/11/01
デモ版のレビュー
Sherlock Holmes Nemesis Demo
http://www.game-damashi.com/demos/sh4.htm

□2011/02/14
楽曲まで書いてあるのはすごいな。
Sherlock Holmes contre Arsene Lupin (jeu video) - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Sherlock_Holmes_contre_Ars%C3%A8ne_Lupin_%28jeu_vid%C3%A9o%29

探偵講談「ルパンVSホームズ」上演予定

講談師・旭堂南湖氏の探偵講談は2ヶ月に一回開催されているようですが、次回は「ルパンVSホームズ」をやるそうです。
第40回「名探偵ナンコ」:講談師・旭堂南湖のレポート:So-net blog
http://nanko.blog.so-net.ne.jp/2008-03-26


過去の演目が紹介されています。3月23日(日)に行われた第39回はガボリオ作「ルコック探偵」の翻案だったようです。
探偵講談:講談師・旭堂南湖のレポート:So-net blog
http://nanko.blog.so-net.ne.jp/2008-03-23

「花とゆめ」2008年9号 スキップ・ビート!感想

著者:仲村佳樹

夢のようなときは終わり、平日に戻ったキョーコ。みんなに貰ったプレゼントをうっとりと眺めている。でも、陶酔しきってて、仕事に1時間も遅刻して、共演者を待たせてしまう。仕事というのは「BOX“R”」というドラマの台本の読み合わせ。遅刻なんてキョーコらしくないね。

新ドラマの共演者は同世代の女の子ばかりみたい。しかも天宮さんっていう女性が結構曲者っぽい。かつての学校で受けてたようないじめが再来するのかも?

その後の「DARK MOON」の現場でも落ち込んだままで、監督に心配かけさせてしまう。蓮は、気持ちの切り替えの出来ないような女優は要らないと突き放す。キョーコは気合を入れなおす。


「スキップ・ビート!」感想のバックナンバーはこちらから。

2008/04/03

ロートレック展

サントリー美術館 開館記念特別展「ロートレック展 パリ、美しき時代を生きて」
2008年1月26日(土)~3月9日(日)
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/08vol01lautrec/index.html
JDN -東京アートレビュー -48 ロートレック展 ─ パリ、美しき時代を生きて ─
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/art_review/48/index.html

訪問日:3/5
人が多かったけれど、展示物が大きく壁にかかっているものが多いのでスムーズに見られた。閉館まで時間が無くて、ロートレックの生涯などを紹介したビデオを後回しにしたら、早々と上映終了して見られなかった。

ロイ・ファラー(Loie Fuller)を描いた連作は一見しただけではよく分からず、抽象画かと思った。でも、影像を見た後で見ると特徴を捕らえていることが分かる。影像に映っているのは本人ではなく、ロイ・ファラーを真似たものらしい。大きな衣装(ジュディ・オングの魅せられての衣装のように、大きな布につけた2本の棒を持つ)でくるくると回ったりちょうちょのような動きをしたり。モノクロフィルムを彩色したものなので、いっそう幻想的な風味を増していた。模型のこうもりが飛んできて、パッと消えたと思ったら人物が現れるなど、今ではCGで行われるような仕掛けもあった。

日本画の影響についても展示されていたが、模写ではなく着想なので、見た目では分かりにくい。ロイ・ファラーの絵に描かれているのは家紋をアレンジしたもののようにも見えた。

100年前のパリを映した影像もあった、乗合馬車(※訂正)が数珠繋ぎに大通りを走っていた(本当に一直線に詰まってる)。ムーラン・ルージュの風車も動いてた。BGMとなっている歌を歌っていて、最初に一瞬映っていたのが「アリスティド・ブリュアン」ロートレックのポスターでは真っ赤なマフラーが印象的。左下隅に映画会社のもの思われるトリのマークがあった(ロイ・ファラーの影像も同じ)。どこの会社だろう? サーカスの影像は別のマークだった。


□2008/04/06訂正
2階建ての馬車に見えたけれど、無蓋の馬車らしい。講談社学術文庫「パリ風俗史」に写真が載っているような、客席が高いところにあって屋根の無い馬車。

2008/04/01

ルパンシリーズ人名リスト

ルパンシリーズの登場人物の名前を、人名リストとして公開しました。

ルパンシリーズ人名リスト


説明は基本的に最初に登場したときの記述を元にしているので、辞書的な使い方はできないと思いますし、原文の綴りの順なので、使いづらいとも思いますが、とりあえず人名を浚ってみるということで。読みについては一部変更しましたが、表記の統一を図っていません。

なお、「カリオストロの復讐(20)」は作業中の状態です。理由が偕成社文庫が手元に見当たらないというちょっと情けないものです。でもいざHTMLにしてみるとぽろぽろとミスを発見してしまうもので、かなり直したものも、たぶんまだ残ってます。戯曲についてはさらに怪しいです。


爵位や役職については整理したいと思っていて、爵位については原文をチェックしてだいたい整理できているかと思います。princeは大公としました。

役職については未整理です。たとえば、ベシュの役職は、「バーネット探偵社(15)」では「inspecteur」で、最後に「brigadier」に昇格。「謎の家(16)」以降は「brigadier」だけれど、「ルパン最後の事件(21)」でなぜか「brigadier」にしてやると言われています。(ルパンのベシュとの会話はどこまで本気なのか分からないので最後のは冗談と受け取っておこうか。)

メモ。「inspecteur」は刑事(私服の捜査官)のことで、刑事、警部etc.と訳されている。他のinspecteurはデュージー、フォランファン、ヴェロなど。「brigadier」は班長という意味なので、他の刑事たちより偉いと思われる。翻訳では部長刑事や巡査部長と訳されている。他のbrigadierは、グレル、マズルー、フォランファン(「ルパン対ショルメス(2)」のみ)。ガニマールは「inspecteur principal」。主任刑事、主任警部etc.と訳されている。ゲルシャールも同じ。「アルセーヌ・ルパンの帰還(A1)」ではinspecteur。


「二つの微笑を持つ女(18)」と「アルセーヌ・ルパンの冒険(A5)」の電話交換手はどちらも同じカロリーヌなんですよね。同じ人物かもしれません。

ルーヴル美術館展

asahi.com 朝日新聞社 - 「ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美」
http://www.asahi.com/louvre08/
2008年1月24日(木)~4月6日(日)、東京都美術館

訪問日:3/30
訪問者が多い上に、展示品に細かいものが多くじっくり見たいと思う人が多いからか人が動かなかった。嗅ぎ煙草入れとか小さいのに、細密な絵と意匠に驚いたけれど、じっくり見られない&照明明るくない(展示物保護のため仕方ない)&視力が悪いので堪能できず。
ルーヴル美術館の所蔵品から18世紀後半のフランス宮廷美術ということで、前半をポンパドゥール夫人、後半をマリー=アントワネットに焦点を当てていた。ロココから新古典主義へということだけれど、違いはよく分からなかった。ロココの時代のピンクがかった色は可愛いかった。

ヨーロッパ絵画名作展

ヨーロッパ絵画名作展
~ロココからコローとバルビゾン派の画家たち~
2008年3月6日(木)~24日(月)、大丸ミュージアム・東京
DAIMARU MUSEUM:ヨーロッパ絵画名作展
http://www.daimaru.co.jp/museum/schedule/tokyo/europekaiga_tokyo_shosai.html
アートワン企画展 山寺・後藤美術館所蔵 ヨーロッパ絵画名作展
http://www.artone-kyoto.jp/kikaku/goto_european/gotoeuropean_top.html

訪問日:3/23
ロココは18世紀で、そこから19世紀バルビゾン派は19世紀の美術。
深い色の背景に浮かぶお人形のようは肌の人々のイメージで、屋内のものばかりだった。バルビゾン派はうって変わって、屋外の自然に目を向ける。パリの南にある農村に住まいを構え、画家の中には実際に羊を買ったり、農業を営んだりする人もいたらしい。フォンテーヌブローの森は本当にうっそうとした森のようだ。多数の絵が展示されていたけれど、その中でポール・ユエの絵が気に入ったかも。コローやミレーが有名みたいだけど。クールベの「波」と題された絵を見るのはこれで3点目。そのうちでは2番目にいい感じ。実景を描いたものではなくて、亡命先のスイスで描いたらしい。

ポール・ユエ(Paul Huet)もエトルタを描いているらしい。印象派の画家たちに先んじてノルマンディーの土地を題材とした絵を描いたらしい。嗅覚が働いたか。
「フランス近代絵画の流れ バルビゾンから印象派へ」出品リスト
http://genso-sayume.jp/kikaku/0803list-france.html
ポール・ユエ(1803-69)
エトルタ、浜辺から眺めたポルト・タヴァル 1868年 油彩/厚紙 カーン美術館

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