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2008/03/26

セルジュ・ド・レンツ

今回は実在の犯罪者の紹介。
ルイ・シュヴァリエ「歓楽と犯罪のモンマルトル(下)」ちくま学芸文庫より

《一九二二年一月十五日、(略)、彼は自分のアパートから、見知らぬきわめて優雅な紳士が大きなスーツケースをもって出てくるのを見て驚いた。彼はあとをつけ、警察を呼んだ。取調べが始まると、すこしもおびえず、じつに優雅に、その見知らぬ男は断言した。「私はセルジュ・ド・レンツ、二十七歳。ヌイイのビノー大通りに住んでいます。私は紳士強盗です。あるいはこう言ったほうがよろしければ、強盗貴族です……」》(P335)

「紳士強盗」の原文はほぼ確実に「gentleman cambrioleur」と思われる。つまりアルセーヌ・ルパンの肩書きである(怪盗紳士と訳されてしまうことが多いけど)。この本にもアルセーヌ・ルパンの再来だと書かれている。

正面玄関をよじのぼり、屋根の上に這いあがり、月明りで美しい眠れる女性、夢を見たと思っている女性の前にあらわれる前に、かならず楽しみとアリバイ作りのためにモンマルトルのキャバレーにあらわれた。そのときにはかならず片眼鏡をかけ、新しい手袋をはめて、美しい女性を同伴していた。(同P336)

なるほど、と思わせる。でもルパンはモンマルトルに縁が薄いような気がする。シリーズ前半では。それゆえに犯罪行為に血生臭いイメージがないのだろうかとこの本を読んで思った。

Serge de Lenz - Wikipedia(仏語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Serge_de_Lenz


この男はその筋では有名らしく、アンドレ=フランソワ・ルオー氏作成の年表にもルブランとルパンシリーズ単行本の表紙絵を手がけたレオ・フォンタンがレンツの裁判を傍聴したらしきことが書いてある。

Arsene Lupin : chronologie d'un gentleman-cambrioleur(仏語)
http://captainbooks.free.fr/articles/lupin.html
「アルセーヌ・ルパン」エピソード年表(ルオー氏作成版)

アルセーヌ・ルパンは第1次世界大戦以降紳士強盗という肩書きを使用していない。その理由は時代にそぐわなくなったからだと私は考えているけれど、ケチが付いたから、と考えるのも一興かな。

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