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2008/03/01

映画「かつて、ノルマンディーで」

『ニコラ・フィリベールのまなざし~正しき距離』公式サイト
http://www.nicolas-movie.jp/
原題は「Retour en Normandie」(ノルマンディーへの帰還)

ある殺人事件を扱った30年前の映画の出演者を追ったもの、という予備知識を持って見に行ったが、見てからそれが19世紀の殺人事件だと知った。1835年、20歳の青年ピエール・リヴィエールは母、妹、弟の3人を殺害した。尊属殺人は重罪である。裁判はつねに被告は狂人か否かが問われるものだった。その問題は20世紀にミシェル・フーコーの著書によって再燃し(映画には日本語の翻訳書も映った)、その著書を元に作られた映画が「私、ピエール・リヴィエールは」であり、1975年に撮影された。当時助監督を務めた人物が30年後に撮った映画がこの「かつて、ノルマンディーで」である。

この映画から何がしかの総括を得ようとするのは難しいかもしれない。全くの素人であった出演者たちのインタビュー(あるいは過去を懐かしんだり、あるいは現在おかれた状況を語ったり)や、農村のシーンを中心に、映画「私、ピエール・リヴィエールは」のシーンをはさみながら進んでいく。出演者は140年も前に生きた人の人生を掴もうとそれぞれ努めていた。終わりの頃にようやく登場した主演のクロード・エベールが饒舌に語る人だったので意表を突かれた。膨大な日記を書くことで昇華していた心のうちにあった言葉が、今の職業に付くことによって花開いたのだろうか。ピエール・リヴィエールを演じるにあたっては、見る人に好かれるようにしようと心がけたらしい。

30年経てば亡くなった人もいる。最後に19世紀の人物に扮した少し緊張気味の初老の男性が映る。監督の父である。撮影待ちなのか息子へ合図を送っているような仕草をしている。父の出番は「私、ピエール・リヴィエールは」の本番フィルムではカットされた。フーコーもフィルムに取られたけれど、同じくカットされたらしい。「かつて、ノルマンディーで」の中では映画フィルムの危機的な状況についても触れていたが、監督は、この映画が永劫に残ることを信じて、父の姿を留めておきたかったのかもしれない。


河出書房新社|ピエール・リヴィエールの犯罪(ミシェル・フーコー 著)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309706139
Amazon.fr - Moi pierre riviere - Rene Allio DVD(仏語)…ルネ・アリオ監督「私、ピエール・リヴィエールは」のDVD
http://www.amazon.fr/dp/B000YHGBB6
Moi, Pierre Riviere, ayant egorge ma mere, ma soeur et mon frere... (1976)(英語)
http://www.imdb.com/title/tt0074910/

「パリ・ルーヴル美術館の秘密」が見たかったけれど、知ったのは終わった後だった。
Amazon.co.jp: パリ・ルーヴル美術館の秘密 ドキュメンタリー映画 DVD
http://www.amazon.co.jp/dp/B0002GD4M8

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