« 「ゴーストハント」第17話 | トップページ | 太田勝・窪田一裕「よみがえったA・L・N」 »

2007/02/01

ルパンシリーズ作品関係図

ルパンシリーズを通読して驚いたことの一つに、作品内で他の作品に言及していることが多く、しかも互いに不可分に結びついている作品も少なくないということがあります。たとえば「カリオストロの復讐(20)」は「カリオストロ伯爵夫人(13)」を踏まえた作品ですし、そこで描かれるルパンの苦悩と諦め(ある種の開き直り)は過去の作品を読んでこそ理解できます。

そこで、ここの作品が互いにどう関係しているかを表して見たくなりました。人物や事件への言及を含めると殆どすべての作品がつながることになるのですが、とくに主題に関わるレベルの強い関係について作品同士を線で結びました。

作品関係図
(リンク先の作品タイトルは試案に基づいて表記しています)


作品の並びは2つの軸で考えています。ルパンシリーズについて考えるときに、第一次世界大戦という大事件をはずすことができません。戦争前と後で社会も政治も文化も大きく変わりました。ルパンシリーズの作品も変質していると感じます。よって執筆時期で大きく第一部、第二部に分けました。「虎の牙(11)」以前とzその後とでは印象や面白さが違うというのはあまり異論がないのではと思います。

その次に何で分けるかと考えるに、作中の舞台となっている年代です。やはり第一次世界大戦を機軸としてその前時代であるベル・エポックは前半の19世紀と後半の20世紀に分けました。判明している範囲では事件が起こった順に並べましたが、上下の位置が必ずしも年代順を表すとは限りません。とくに第二部は年代判定が難しいのでとりあえず発表順に並べています。「謎の家(16)」「バール・イ・ヴァ荘(17)」はベル・エポック期とするには違和感が残りますが、とりあえずベル・エポック期に分類しています。いつかは年表を作ってみようと思いますがまだ読みも知識も足りません。

「ルパン最後の事件(21)」は現在邦訳の中では最も時代の遅い事件ですが、未邦訳の「アルセーヌ・ルパン最後の恋(22)」はそれよりも後のようです。


□2007/02/01更新

« 「ゴーストハント」第17話 | トップページ | 太田勝・窪田一裕「よみがえったA・L・N」 »

アルセーヌ・ルパン」カテゴリの記事

コメント

これは素晴らしい! 「やられた!」です(笑)。
「虎の牙」を境に第一部・第二部と言うのはやはり同じ見解ですね。こうやって見ると、「ルパンの青春をもう一度頭からなぞりなおし」してるのがひと目で良くわかって興味深いです。「カリオストロ伯爵夫人」「カリオストロの復讐」ラインはその象徴ですね。

「謎の家」「バール・イ・ヴァ荘」はベル・エポックなのかどうか微妙ですよね。特に「バール・イ・ヴァ」では、「いい年して!」って台詞だとか、ベル・エポックを懐かしむ台詞だとかありますし。

ありがとうございます。嬉しいです。
まさに「なぞりなおし」を狙ったんだと私も思います。第一部のようは覇気は感じられないけれど、第二部もルパンにとっては必要な作品群ですね。

「謎の家」「バール・イ・ヴァ荘」の年代難しいですよね。ルパンに足りなかったもの(はいくつもありますが…)の一つに同世代の友人があるかなあと。その意味でベシューは凄い貴重な存在だと思います。同じ時代を同じ年頃で生きている。「いい年して!」というのも同世代だから軽口で言えるわけで。かなり力関係はっきりしてますが(笑)

その他には家庭かなと考えています。カリオストロの2つはまさにそうだと思えますし。その意味で現在確認されているラストの作品「ルパン最後の恋」というのが気になります。邦訳切実に出て欲しいです。

>ルパンに足りなかったものの一つに同世代の友人があるかなあと。

同感です。ベシュは本当に貴重な存在ですよね。

>同じ時代を同じ年頃で生きている。

ああ!改めてそう言われてみると、ベシュ3部作は連続して起こった3つの事件じゃなく、ルパン年表に満遍なくバラかせて配置した方がしっくりする気がしてきました。

もともと、

「バーネット探偵社」=半分敵半分味方で不承不承に最後和解
「謎の家」=一転して敵同士、
「バール・イ・ヴァ荘」=さらに一転して古い戦友のような関係…

と、連続した事件と考えると、ベシュの態度が少々分裂気味なのが気になっていたんですよ。でもこれはもっと広い目で、ルパンの人生と言う長いスパンでの二人の関係と理解すれば、非常にスッキリする気がします。

>その他には家庭かなと考えています。

なるほど、確かにそうですね。「戯曲」の解説にあった内容を鑑みると、確かに「最後の恋」にはその点期待できそうで気になります。

個人的には「虎の牙」の大団円が印象的なんで、フロランス・ルバッスールの行く末が気になってます(笑)。ルパンってアバンチュールは多いけど、クラリスやレイモンドの時の記述を見ると「結婚(つまり家庭)」には誠実なような気もするんで、その家庭を自分からただ捨てていくイメージはないんですよね。…いや、自信ないですが(笑)。

おっしゃる通り、長いスパンで考えた方がいいかもしれません。たいがいにそれぞれ経験をつんで折々出会う、ということになるのかも。ベシューの態度もたしかにバラバラに見えますし、ベシューの階級がどうなっているの?という問題も。そのあたりもっと読み込んでみたいです。

家庭を捨てていくことはしないにしても、そこに行くまでが逃げ腰な気が…。それに「奇岩城」の行動にしてもまだまだ家庭に収まることが出来そうにない気配ですし。フロランスは上手く制御できたのでしょうか。「虎の牙」は好きですが、フロランス自身の魅力は今ひとつピンときません。多分金髪美人で頭もよくてルパンの理想直球ど真ん中なんでしょう。自分の庭をフロランス(花)とルパンで満たすというのがなんとも大団円でいいですよね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54863/13739322

この記事へのトラックバック一覧です: ルパンシリーズ作品関係図:

« 「ゴーストハント」第17話 | トップページ | 太田勝・窪田一裕「よみがえったA・L・N」 »

案内

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

アルセーヌ・ルパン

スキップ・ビート!

鉄人28号

つぶやき

無料ブログはココログ