« 星崎真紀「ひみつな奥さん」がドラマ化(続き) | トップページ | 「仏像 一木にこめられた祈り」 »

2006/11/05

「奇岩城」探求(その1) ≪針≫と針

※以下の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※


この項目では、「奇岩城」を読んでいて思ったこと調べたことなどを書いていこうと思う。「奇岩城の大嘘」を読んで、エギーユの辞書的な意味は分かったけれど、それが作中の読みにどう反映されるのか気になったので。

「大嘘」を読んでから、最初に気になった箇所がいくつかある。例えばボートルレがコー地方の農家を訪ね歩く場面の次の会話。

 そしてボートルレはいつも、さりげなくこう尋ねるのだった。
「ところで≪(エギーユ)≫は? ≪空洞の針(エギーユ・クルーズ)≫の伝説は知りませんかね?」
「いやあ……聞いたことないな……」
「よく考えてください……おばあさんの昔話とかに……針が出てくるのはないですか……きっと魔法の針かなんかだろうと思いますが
 けれども、そんな伝説や昔話はひとつもなかった。(早川P246)

原文では括弧つきの≪針≫が定冠詞付きのレギーユ“l'Aiguille”、括弧なしの針が不定冠詞付きのエギーユ“une aiguille”(この箇所で区別が分かりやすく、ハヤカワ文庫が最も良い)。ここはどういう意味なのかと気になった。ボートルレが探しているのはレギーユなのか、エギーユなのか。やはり定冠詞付きのレギーユであって、それを尋ねてみたものの反応がなかったので、形を変えて尋ねてみたと判断するべきなのだろう。

この会話は省略されることが多くて創元推理文庫、新潮文庫、岩波少年文庫でも簡略化されているけれど、原作ではボートルレが何を思い、どう考えているのかというのは殆ど直接書かれていない。それを知るにはこういう会話というのが重要なヒントになるのだということが何度か読んでいくうちに分かってきた。ボートルレは人に尋ねることによって誘い水を掛けたり、自分の考えを補強するところがあるようだ。ボートルレがレギーユを何と捉えていたか分かりにくいけれど、コー地方と言う広範囲に的を絞っていることからしても何か大きなもの、と考えていたと思う。


次→「奇岩城」探求(その2) レギーユの発見

※以上の文章は「奇岩城(4)」の内容に触れています。※

« 星崎真紀「ひみつな奥さん」がドラマ化(続き) | トップページ | 「仏像 一木にこめられた祈り」 »

アルセーヌ・ルパン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54863/12567927

この記事へのトラックバック一覧です: 「奇岩城」探求(その1) ≪針≫と針:

« 星崎真紀「ひみつな奥さん」がドラマ化(続き) | トップページ | 「仏像 一木にこめられた祈り」 »

案内

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

アルセーヌ・ルパン

スキップ・ビート!

鉄人28号

つぶやき

無料ブログはココログ