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2006/09/15

「奇岩城の大嘘」とは?(その4)

「奇岩城の大嘘」は非常に分かりやすく整理されて書かれているけれど、本当の意味で分かるようになった(ピンとくるようになった)の1年後ぐらいだったと思う。針のままじゃ何がいけないのか?と思ったけど、エギーユについて地図や写真を調べたり、奇岩城を精読したり、ルパンシリーズを通読したりして理解が深まってくると、「大嘘」の指摘はやはり重要だと思えた。私はフランス語が分からないので理解不足や誤解している点があるかもしれない。もし間違っているとすれば、それは私の無理解によるものなので、理解するためには、「大嘘」を読むのが一番だと思う。

三宅氏がいうように、英語以外の外国語に対して誤訳を指摘する声が少ないという事実は確かにある。言語習得の裾野も、翻訳される量も段違いだからなのだろう。原作を軽視されがちな(現にされている)この作品に対しての指摘は、一概に誤訳とも言い切れないものを敢えてしている面もあると思う。日本人が読んで分かりやすくするためや、原意を汲むために。三宅氏も個々の誤りを非難しているのではなく、作品の根幹を左右する相対的な判断を間違えていることが重大なのだとおっしゃっている。タイトルの大嘘というのはなかなか面白い。勿論邦訳についていっているのだけど、でも最大の“大嘘”はレギーユがクルーズなこと、なのも知れない。


なお、「奇岩城の大嘘」では戦後の主な翻訳書を挙げてその中で岩波少年文庫版が優れていると書いている。私も岩波少年文庫版がいいと思う。次点でハヤカワ文庫だろうか(総合点ではハヤカワ文庫がよい)。ハヤカワ版では≪(エギーユ)≫となっているが、たぶんレギーユ(l'Aiguille)の見栄え(固有名詞性など)を表そうとしたのだと思う。


引用:
新潮文庫編集部編『百年目』新潮文庫、2000年10月初版
榊原晃三訳『奇岩城』岩波少年文庫、1983年5月初版、2001年7月新版第1刷

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