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2006/06/28

「ル・モンド」紙の記事:ルパン氏の生まれた土地で

ル・モンドのサイトの記事について内容を少し紹介します。フランス語はわかりませんのであくまで翻訳でなくて、メモです。なんかぐずぐずしていたら、ル・モンドのサイトから記事が消えて、有料記事になってしまってました。

Le Monde.fr : Au pays de monsieur
http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3246,36-681838@51-672256,0.html
http://www.lemonde.fr/cgi-bin/ACHATS/acheter.cgi?offre=ARCHIVES&type_item=ART_ARCH_30J&objet_id=912824
それで、探したのが以下のページです。参考まで。
http://blogs.ya.com/petite-charlotte/files/articles_141004.htm


これは、インフォシーク翻訳がフランス語に対応したので、自動翻訳を通して知ったことなどのメモです。仏英、英和と2つ通したほうが、分かりやすい文章になったりしますが、やはり直接翻訳してくれるのはうれしい。他にも仏和自動翻訳サイトを知っていますが、どうも動きが不審だったのでインフォシークの仏和対応はありがたい。<1><2>は段落番号です。


◆ルパン氏の生まれた土地で◆(Au pays de monsieur lupin)

<1>
冒頭はやはりレギュイユ・クルーズですね。激しく波に打ち寄せられる断崖のそばにあるエトルタ、消えたルパンを研究すために必要な場所でした。上手くいけば燕尾服姿の怪人に出会うかもしれません。彼は100年前の1905年7月に現れました。

<2>
かつてルブランは、測量したり、ルパンは本当にフランスの宝を返したのか?というのを調べていたフィラデルフィアの学生たちとすれ違ったそうです。現在でもこの地にルパンマニアがやってきます。「lupinophiles」と言うらしい。ヨーロッパから日本からに並んでブラジルからも来ているようです。

インフォシーク翻訳はポルトガル語にも対応してくれたので、力を借りつつ調べると、ブラジルではコートの泥棒という名前で出版されているようです。検索するとヒッチコックの映画「泥棒成金(TO CATCH THE THIEF)」も同じタイトルで引っかかります。

<3>
ルブランの名前はクロード・モネやウジェーヌ・ブーダンの間に現れます。作家ルブランはフロベールとモーパッサンに囲まれることを好んだのではと推測できますが、現在ギ・ド・モーパッサン通り(ギ・ド・モーパッサンはモーパッサンの本名)にゆかりの場所があります。この土地は1918年にルブランが購入し、厚顔無恥のドン・キホーテたるルパンにちなんでルパン荘(クロ・ルパン)と名づけられたのでした。

モネもブーダンも印象派の画家でエトルタを描きました。オンフルールにウジェーヌ・ブーダン博物館があります。フロベールは作家ギュスターヴ・フロベール。とモーパッサンは作家。記事に関係ないけれど、「ラ・マンチャの男」って「ドン・キホーテ」(の作者)ことだったんですね。

<4>
この段落はルブランの孫フロランスさんの証言です。ルパン荘はルブランの死後1952年に人手に渡ることになり、家族でお別れのキャンプをしたそうです。1998年に祖父を忍ぶ博物館を建設するため買い戻したのでした。

<5>
ルパン荘は1999年の開館以来12万人の人が訪れているそうです。ヘッドフォンでジョルジュ・デクリエールの声が案内してくれます。そうやってルパンの宇宙、47の偽名と多彩な変装の世界を探査していくわけです。

Don Luis Perrennaって“r”が一個多い。デクリエールはフランスで制作されたTVドラマで主役を務めた方ですね。

<6>
モーリス・ルブランは1864年11月11日に、ルーアンの富裕な石炭の貿易商と早くになくなった母(ルブランが21歳のときに死去)の息子として生まれました。ルブランの出産を取り上げた医者はギュスターヴ・フロベールの兄弟アシル・フロベールでした。

<7>
高校卒業後いったんは工場に勤めますが、文学を志しパリに上京し、小説や心理的な小説を発表します。「夫婦たち」「ある女」「これが翼だ」これらの作品はジュール・ルナール、レオン・ブロワ、アルフォンス・ドーデの賞賛を呼びましたが、世間の関心は引き起こしませんでした。1901年に発表された自伝的な小説「熱狂」もサッパリでした。

ルナールは「にんじん」「博物誌」を書いた作家。ドーデは「最後の授業」を書いた作家。ブロワも作品が日本語訳されています。

<8>
あるとき、パリ行きの夜行列車を待っていると、モーパッサン、ゾラ、エドモン・ド・ゴングールがルーアンのフロベールの胸像の除幕式のためにルーアンに行くと分かりました。ルブランはその列車に乗り込みますが、期待に反して3人とも眠ってしまったために、巨頭たちの会話は聞けませんでした。

さてルブランはパリでアルフォンス・アレ、デザイナーのスタンラン、マラルメと交際します。妹であり女優のジョルジェット・ルブランの相棒であるベルギー人で将来のノーベル賞詩人モーリス・メーテルリンクの干渉のおかげでした。

ゴングールも作家で浮世絵の歌麿の研究本を出したりもしています。アルフォンス・アレは作家、マラルメは詩人のステファヌ・マラルメ、スタンランはテオフィル・アレクサンドル・スタンラン。モーリス・メーテルリンクは「青い鳥」などの劇作家でもあります。

<9>
1905に月刊誌「ジュ・セ・トゥ」の編集者であったピエール・ラフィットは、イギリスのシャーロック・ホームズの成功と競うことができる小説を希望します。それが彼の運命を決定付ける「アルセーヌ・ルパンの逮捕」でした。パリの市会議員アルセーヌ・ロパンから借りた名前でした。

<10>
ラフィットはフィユトン(新聞小説)の強盗が流行となることを保証します。2年後、「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」が刊行されます。すぐに「アルセーヌ・ルパン対エルロック・ショルメス」(コナン・ドイルの抗議により、アナグラムになりました)と有名な「レギュイユ・クルーズ」が続きます。神話は生まれます。16の長編、37の短編、4幕劇、そして多数の映画化作品。著者と進化したキャラクターの生気を失わせる危険がありました。

長編16は以下のとおり。金髪の夫人とユダヤのランプはあわせて長編扱いになっているようです。
ルパン対ホームズ(2)、奇岩城(4)、813(5)、水晶の栓(7)、オルヌカン城の謎(8)、金三角(9)、三十棺桶島(10)、虎の牙(11)、カリオストロ伯爵夫人(13)、緑の目の令嬢(14)、謎の家(16)、バール・イ・ヴァ荘(17)、二つの微笑を持つ女(18)、特捜班ヴィクトール(19)、カリオストロの復讐(20)、ルパン最後の事件(21)
短編37は、
怪盗紳士ルパン(1)9編、ルパンの告白(6)9編、八点鐘(12)8編、バーネット探偵社(15)8編、山羊皮服を着た男(A2)、エメラルドの指輪(A3)、壊れた橋(A4)(でしょうか?)

<11>
1つの、超高感度、憂鬱、ディレッタントな完全主義者。偉大なアマチュア芸術家であり、当意即妙な回答や猛烈な皮肉のふざけあい。軽快で世俗的な女たらし。憂鬱が好で家の中に収まる前の姿でした。その高貴な征服者たちはレイモンド・ド・サン=ヴェラン、アンジェリック・ド・サルゾー=ヴァンドーム、有毒なカリオストロ公の女…ルブランはしばしば、非常に機敏な文学のために傾いている彼を抑制しなければなりませんでした。

<12>
急進的な社会主義者と自由思想家であったルブランは、年齢と大戦のおかげで同時代の人が持っていた狂信的愛国主義の傾向をもつようになります。が、この流れは破壊的でなくなり、ルパン刑事のような仕事を行ようになって終わります。

ルパンが、実在の強盗マリウス・ジャコブをインスパイアしたものかどうかたびたび議論されるとのことですが、私は懐疑的です、というかどうもよく分からないんですけど。アレクサンドル・マリウス・ジャコブは「闇の仕事人(les travailleurs de nuit)」という渾名を持つ無政府主義者で、3年間で5000を超える強盗を働き、1903年に逮捕されています。ルブランは影響をうけていないと否定したそうです。
Marius Jacob - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Alexandre_Marius_Jacob

ところで、モーリス・ルブランがイタリア系の移民の子孫であるというのは事実ではないようです。もともとその説は妹ジョルジェット・ルブランの回想録の記述に拠っていて、ジョルジェットは執筆時に脚色して書いたということらしいです。

後半は余力があれば…。

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