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2005/12/08

ジョセフィン・テイ「時の娘」

小泉喜美子訳、ハヤカワミステリ文庫、1977年
Amazon.co.jp:時の娘ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1 本
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150727015


怪我で入院中のグラント警部は見舞いの本に混じった1枚の写真に目を留める。刑事としての目で、殺人を犯す人物ではないと判断したが、甥であるロンドン塔の王子たちを殺害したとされるリチャード三世の写真であった。自分の観察眼を原点にグラント警部は事実を確かめようとする。イギリスの知識ゼロなので付録の系図と睨めっこしつつ読んだ、予備知識があれば良かったのかもしれないが、なくても十分面白かった。歴史上のある出来事が事実でない、若しくは事実であるという確証はないというのが既知であったに関わらず、事実であったように語られていくこと、一旦定着してしまうと訂正されないことへの憤りが印象に残った。

この作品を知ったのは高木彬光氏の小説から。「時の娘」は書店で見かけたときに買っておいたものの読む機会がなかったけれど、高木彬光氏の「成吉思汗の秘密」が新装版ででたこともあり、読んでみることに。時折「時の息子」のシーンが頭に浮かんできてその点でも面白かった。(「時の息子」…「成吉思汗の秘密」のなかで探偵役の神津恭介と友人の松下研三の会話の中で「時の娘」ならぬ「時の息子」だねとかとかそういうセリフが出てくるので)。

リチャード三世の活躍する時代は薔薇戦争の終わりの頃。世界史に疎いので百年戦争も薔薇戦争も知らないけれど、かろうじでヨークとかランカスターとかネヴィルとかいう名は知っていた(やまざき貴子さんの漫画「マリー・ブランシュに伝えて」のおかげ。完全フィクションだけど)。

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» リチャード三世をめぐる歴史ミステリ 『時の娘』 [白い猪亭 真実のリチャードを探して]
リチャード三世を題材にした、知る人ぞ知る歴史ミステリの古典的名作。 ジョセフィン・テイはこの作品で、シェイクスピア劇で [続きを読む]

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