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2005/12/16

鉄人28号VS.鉄腕アトム展

「鉄人28号 VS. 鉄腕アトム展 -スーパーロボット、夢の競演-」
期間:2005年10月27日(木)-2006年2月20日(月)
会場:宝塚市立手塚治虫記念館

訪問日:12/11
両作品の紹介、両作家の紹介、映像の紹介など、小ぢんまりと良くまとまっていたと思う。

最初のコーナーでは漫画のコマから絵を起こした書き割りの奥に鉄人の等身大人形がいて、上空にアトムが飛んでいた。鉄人と目線が合ってしまった。鉄人は目が盛り上がっているから、少々身長が違っても目線が合うと思うかもしれない。奥のアメリカーンな背景はアトムからだろう。同じく高層ビル群でも鉄人の場合、オフィス街っていうイメージかなあ。書き割りが「あ、鉄人だ」というセリフ付きなのがツボ。


会場では原画が見れて、鉄人はブラックオックス編、サターン編、ギャロン編のうちからそれぞれ数十ページの原画が展示されていた。うーん、予想に違わぬ切り貼りっぷり。鉄人は「少年」の本誌と付録の両方に載っていて、本誌は1ページのコマが4段、付録は3段と異なっている(付録の場合は小さい原稿用紙を使っていたのかもしれない)。それを単行本化するときに1ページコマ4段になるよう直しているからだ。本誌対付録の割合は1対9ぐらい。その1に合わそうってんだから無理に決まっている。

原稿には薄い青で色がついていた。ブラックオックス編やサターン編(連載中期)のころは水彩絵の具のようなのような筆跡で濃淡があり、ギャロン編(連載最後)のころはクレパスのような筆跡だった。元の原稿が水彩絵の具なのに、付け足されたところがクレパスなのはかなり無理があるぞ。これをこのまま単行本に使用したとは考えにくい。秋田書店版はスクリーントーンが使われているので原稿をコピーして使ったのだろうか。


アトムの原画ではデッドクロス殿下の回が読めて懐かしかった。昔家に合った鉄腕アトムの単行本にはデッドクロス殿下の話とアカノタニンが出てくる話が載っていた。当時アトムのアニメを見ていた記憶はないけれど、アトムの声は清水マリさんだなあ。

両作品の登場ロボットと、ライバルたちと、博士の紹介もあった。シャネル・ファイブは二十世紀のアルセーヌ・ルパンを自称しているらしい。えーと、本家も20世紀の人間よ(フランスの歴史の考え方では第1次世界大戦開戦まで19世紀と勘定するらしいけど)。この説明は光文社文庫には出てこないので、昔の単行本で編集されたセリフなのだろうか。それともモノクロアニメ? モノクロアニメにも奇巌城が出てくるのだよねえ。

作者のコーナーでは手塚治虫氏が描き、横山光輝氏がリメイクした「仮面の冒険児」が2ページ比較できるようになっていた。同じシーンなのに、かなり違う印象を受ける。横山版では悪人がイケメン(異論あり)になってた。でも知らずに横山先生のはどちらでしょう訊かれても分からないだろう。


映像コーナーでは、大きなモニタでアストロボーイアトムと2004年度アニメ鉄人と実写劇場版鉄人のダイジェスト映像が音声付で流れていた。池松君の声はいいなあ。出動するところはもうちょっと張りがあるとよかったのだけど。2004年度アニメ版鉄人はTVサイズのOP曲に載せてOPと1話2話のダイジェストを混ぜたような映像だった。このために編集したのだろうか。あとは音無しでモノクロアニメのアトム、鉄人、1980年のアトム、鉄人、鉄人28号FXの映像が見れた。FXは、オヤジ正太郎が操縦するところの旧型鉄人が出るシーンだった。29号と合体していないFXが落ちるところを空中で受け止める鉄人、なかなかかっこよい。写真だけだがTV実写版アトムはやっぱ衝撃的。TV実写版鉄人は慣れたかなあ。


JR宝塚線は冬の間開閉ボタンでドアを操作するらしく、それはいいとしてアナウンスが一定間隔で流れるのが苦痛…。「ドアの横のボタンを押してください。ドアが開きます。(間)ドアの横のボタンを押してください。ドアが開きます(間)」勘弁してーーー。


TEZUKA OSAMU @ WORLD TOMM:ニュース:鉄人28号VS.鉄腕アトム展
http://ja-f.tezuka.co.jp/tomm/news/news/
TEZUKA OSAMU @ WORLD TOMM:コラム
http://ja-f.tezuka.co.jp/tomm/news/column/2005_11.html

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鉄人28号」カテゴリの記事

コメント

関連記事をTBさせて頂きました。よろしくお願いします。

どうも、お久しぶりです。
「鉄人28号VS.鉄腕アトム展」に行かれたんですね。お疲れ様でした。
展示・原画・映像と充実した内容だったようで興味津々です。

>OPと1話2話のダイジェストを混ぜたような映像
DVD-BOXに映像特典として収録されていたものとは別のものでしょうか?
もし新たに編集しているのであれば、ちょっと見てみたいかもです。

>実写版アトム
リアルタイムに視聴したことのある親から「当時としてもちょっとアレな感じだった」
…と聞いたことがありますね(苦笑)

お久しぶりです。
鉄人VSアトム展行ってみたかったので、遠出の帰りに思い切って途中下車して行ってみました。なかなかよかったですよ。おもちゃのコーナーでは胡座鉄人のおもちゃのひざ先にアトムがいて、何だかほのぼのとしてしまいました。

>OPと1話2話のダイジェストを混ぜたような映像
これはDVD-BOXに入っているものとは別でした。オープニング映像の合間に1,2話の映像が時折入る感じです。

実写版アトム、アレですよね。でも歌詞はアトムのほうがいいな、と思ったことはあります。鉄人はピカピカギラギラですし…。

 実写版のアレについては、色々意見があるでしょう。しかし、当時の私を含めた友達は、恥かしいスタイルとは思ったものの格好良いと思っていました。肉襦袢は、上半身まであり、テープ状の生地をつなぎ合わせたものだったので、特に後姿にはなれるまで、違和感がありましたが。この時代は、半ズボンに、タイツは珍しくなかった時代です。確かに、海水バンツのようなパンツは辱しめでしたが。当時の噂では、アトム役の少年もかなり恥かしいと思ってこのコスチュームを着ていたという噂です。しかし、恥かしい一方、随分気に入っていたようです。火星の巻では、軍服を着ましたが、これが凝っていて、短いダブルの飾緒のついたものでしたが、これを着たいと言っていた子が沢山いました。当然、売っている訳もなく、ただ一人、これを着れる瀬川少年に、皆憧れていました。瀬川少年も、この軍服には、本当に喜んで着ていたそうです。次の気体人間の巻では、軍服はなくなり、瀬川少年も見ていた子供もがっかりしました。それても、子供は、瀬川少年は家で着れるから羨ましいと思っていました。そんな時代でした。

貴重な証言をありがとうございます。実写アトムは見たことが無いもので、つい軽く書いてしまいましたが、どの時代の作品もやはり携わった方や、楽しんでいた方もいると思うので、取り上げるときには、公正に見るべきだとは思っています。TV実写版の鉄人も特撮面での「ちゃちさ」ばかりが強調されるのですが、実際見てみると、大塚署長と正太郎少年のやり取りなど味があると思いましたし。

 そんなに恐縮される必要はありません。当時の実写版アトムの印象を述べただけです。今思い出しても、軍服を着たアトムは、けなげさがより強く感じられ、余り強く思えない一方、応援したくなったものです。敬礼姿も有名で、れこや飛ぶまねをしていた子がよくいました。当時、タイツ・ブーツ、スカーフといういでたちは確かに斬新でした。また軍服も、今はやりのPコート風で、短いため、ライダーズジャケットのようでもあり、これに飾緒がついていてついていて、敬礼すると本当に決意がにじみ出ているという感じでした。

実写アトムの写真は数枚見たことがありますが、マフラーをしていたのが軍服でしょうか。そんな風になっていたのですね。

 実写版アトムの写真で、普通、軍服を着ている写真は見た事がありません。第二部以降、タイツの上にレオタード風つなぎをきて、マフラーをしたので、管理人さんの御覧になった写真は、それを言われていると思います。火星探検の巻だけ、この上に短いジャケットの軍服を着たものです。丈はベルトの上までというものです。この時だけ、マフラーはアスコットタイ風に結んで、軍服の中にいれました。この短い軍服に飾緒がついていたものです。従って、上はヘルメット、軍服、アスコットタイが見え、したはつなぎのパンツ部と、タイツ、ブーツが出ているといういでたちでした。今でも懐かしく思い出されます。

そうなのですね。ありがとうございます。

 ついに、実写版の鉄腕アトムのDVDが10月に出るそうですね。説明を聞いても、詳しくは判らないでしょうから、機会があったらこのDVDを見てください。私は、子供の
頃の思い出に、買いたいと思っています。当時の子供の様子が判るという意味でも懐かしいですね。未来の物語なのに(笑)。火星探検隊長として、斬新な軍服を着て、
健気に頑張っていた瀬川アトムが楽しみです。

情報ありがとうございます。
機会があれば見てみたいです。過去に描かれた未来の図、当時のことを知ることができるのも醍醐味ですね。

鉄腕アトム《オリジナル版》復刻大全集
http://www.geneon-ent.net/view_item.php?id=5939
Amazon.co.jp: 鉄腕アトム《実写版》DVD-BOX [1年間の期間限定生産] 瀬川雅人 DVD
http://www.amazon.co.jp/dp/B002GRX17Y

 実写版の鉄腕アトムのDVDを早速見ました。昭和30年代の町並みの貴重な資料でもあります。懐かしかったですね。アトムの有名な辱めの衣装も、ドラマで通してみると、今でもかっこよいと思いましたね。火星探検隊長の軍服も、以前、説明したように、良かったです。アニメとは、随分違いますが、独自の味わいに再度、感動しました。一度、是非、DVDを見てください。

購入されたのですね。昭和30年代の町並み、想像できませんが、機会があれば見てみたいです。

e-shop ジェネオン エンタテインメント株式会社:GENEONENTERTAINMENT INC.
http://www.geneon-ent.net/view_item.php?id=6282

更新されていないので、読まれるかどうか判りませんが、下記に、実写版鉄腕アトムの火星探検隊長の写真が載ったのを発見しました。
百聞は一見に如かずです。
軍服を着用し、隊員と敬礼するアトム少佐の写真です。当時の雑誌「少年」に掲載されたものです。

http://hayashiharuto.blog.jp/archives/74115856.html

私は、今でも凛々しく、かっこよいと思うのですが御覧になられた感想は如何でしょうか?
タイツ姿は、気持ち悪いですか?

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日本初のテレビアニメシリーズ「鉄腕アトム」。今日はマンガ家・手塚治虫氏のこと。 [続きを読む]

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