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2005/10/27

映画「ルパン」:父譲り母譲り

映画「ルパン」ではルパンが正直なところは母親譲りと言われている。正直かあ?という疑問は置いといて、完全な悪になりきれないものを持っているのだろう。父親譲りとしては盗みの才能、サヴァットの腕前あたりか。お金に執着がさほどなさそうなのは母譲りかも。

原作「カリオストロ伯爵夫人」では母譲りのものは特に語られないが、父から譲られたものを4つ拾い上げることができる。原作の場合、アルセーヌ・ルパンという名が父に、ラウール・ダンドレジーという名が母に結びついていて、ルパンはまだラウール・ダンドレジーの世界に生きている。

1.ルパンという名前
2.悪の道に進む素質(性向)
3.ボクシングを始めとした体術
4.悪たれ小僧のようなにやにや笑い

この4つ目、ハヤカワから描写を取ったけど、創元版・偕成社版では“いたずらっ子のようにたんかを切りながら”という訳になっている。肝心な部分なのにどうしてこう違うの。映画「ルパン」見てハヤカワ文庫読んでとっても納得してたから気になる。

とりあえず原文とハヤカワの訳を並べてみる(私は日本語しか分かりません)。

Il dit encore, avec ce ricanement de gamin qu'il tenait sans doute de son
pere Theophraste Lupin, il dit encore:

父テオフラスト・ルパンゆずりなのだろう、悪たれ小僧のようなにやにや笑いを浮かべてラウールは続けた。(※ラウール=ルパン。続けた=しゃべり続けた)

オンライン辞書で拾った単語の意味
ricanement:嘲笑
gamin:子供, 腕白小僧, 子供っぽい
sans doute:多分

ちなみに似たような表現が「813」にある。

Il se baissa avec un ricanement, toucha le visage de la morte, vacilla un
instant et tomba sans connaissance.

彼は冷たく笑いながら身をかがめ、死んだドロレスの顔に手を触れ、一瞬よろめいたかと思うと、意識を失い、その場にたおれた。(※彼=ルパン。「続813」偕成社文庫)

ということはやっぱ笑ってるんだと思う。頭殴られてしゃべりながら倒れこんでるシーンなので、気絶に向かってる人間が啖呵を切れるとは思えないし、創元と偕成社の表現が同じと言うのは怪しい。偕成社版の翻訳者が創元版を参考にしたのだろう。どういう笑いかは良く分からないけど、にやにや笑いを支持したいところ。そうでなかったらお育ちのよろしくなさそうな笑いなのだろう。これに限らずルパンはよく笑っている。微笑だったり、声を立てて笑ったり。「カリオストロ伯爵夫人」では他作品に比べれば笑わないかな。

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