2005年9月1日付読売新聞夕刊 「鉄人28号」に完全版
「鉄人28号 完全版・原画のタッチ復元 11月刊行開始」
というタイトルの記事が載りました。Webにもあがっています。
鉄人28号 完全版 出版トピック 本よみうり堂 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20050901bk05.htm
今年11月から横山光輝氏の漫画「鉄人28号」の完全版が潮出版社からB6判24巻でが発売されます。約2年かかる見通しです。気の長い話ですが、その復活の作業もなかなか大変なようで記事に詳しく載っています。
「鉄人28号」の連載が開始したのは昭和31年7月号。(いったん昭和31年9月号の途中で区切れるとしても)それから話がずーーーと続いてるんですよ。勿論人物事件は変わっていくんだけど入れ替わり立ち代わりで、やっと区切りがつくのが昭和34年1月号。といっても同じ号から人造人間モンスターが登場している。まさに連続活劇です。人造人間モンスター編からは1エピソードずつ区切れるような作りになっています。そのため単行本にしづらかったり、また、不満足な点を改良するため、最初の単行本が出たときに改変されました。とくに最初のあたりはザクザク削られたみたいです。
しかも、付録の場合1ページ3段だったものを単行本で4段に統一したため、単行本の枠には収まらないから書き直されたり、たてに飛んでた鉄人が斜めに飛んだり、コマの一部を切って収めたり変更を余儀なくされたのです。かくして原稿はぼるぼろに…。(たぶん秋田書店がコミックスを出した時点ではすでに原稿はずたずたでした。なので、既存のカッパ・コミクスで使用した原稿を流用して出版しています。その続きを既存の紙面に合わせたりページ合わせのため改変してますけど)
雑誌に掲載された形が一番あるべき姿ではないとは思います(今の漫画でも単行本になる際に書き換えられる例はあるし)。でも、鉄人はあまりにエピソードが削られてしまっているし、光文社文庫で初期の頃を読んでみると、トーンでは生まれない濃淡の具合や、枠線に収まらないコマなどがあって面白かったし、1ページが2×3段のコマで、一見単調なのに見ていて飽きなかったりしたので、ぜひ鮮明な印刷で読んでみたい。期待しています。
追記。読売新聞の実物を確認しました。
光文社文庫と、復活した原稿の比較画像が載ってました(第1話のタイトルのページ。描線が鮮明になっています。
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