岡本太郎「日本の伝統」
光文社知恵の森文庫より
光文社発行の書籍:日本の伝統
http://www.kobunsha.com/book/HTML/chi_78356_2.html
□目次
- 伝統とは創造である
- 縄文土器―民族の生命力
- 光琳―非情の伝統
- 中世の庭―矛盾の技術(
- 伝統論の新しい展開―無限の過去と局限された現在
□感想
岡本太郎の視点から日本の伝統について批評した本。そういえば縄文土器の周辺で岡本太郎の名前を聞いたことがあるなあ、と思いつつ、訴えかける力強さについ引き込まれてしまった。読むのになかなか苦労したのは4章。銀閣や竜安寺は行ったことがあるけれど、庭園をどう鑑賞するかという感覚が掴みにくいので。「伝統論の新しい展開」の以下の個所が一番印象に残った。最近“伝統”を取り込んでいないなあと哀しい。
われわれが見聞きし、存在を知り得、何らかの形で感動を覚え、刺戟を与えられ、新しい自分を形成した、自分にとっての現実の根、そういうものこそ正しい意味で伝統といえるでしょう。
「日本の伝統」(この文庫は元の本に5章「伝統論の新しい展開」を加えたもの)と題した本が最初に出版されたのは昭和31年。その時代の空気も垣間見えて面白かった。「今日の芸術」も読んでみようと思う。
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