佐藤賢一「二人のガスコン」全3巻(上・中・下)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2747685
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2747669
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2747693
同著者の岩波新書「ダルタニャンの生涯」を読んで実在のダルタニャンがいるというのを知り、そしてこの本を見つけて読みたくなって読みました。3冊も一度に読めるか不安があったけど、上巻は2週間ぐらいかかったものの下巻は1日で読みきってしまった。面白かった。
主人公はダルタニャンとシラノ・ドゥ・ベルジュラック。私にとってダルタニャンといえば「アニメ三銃士」。デュマのダルタニャン物語は確か11巻あって読みたいと思いつついまだ果たせていませんが1巻目の「三銃士」は読みました。死体を立たせてその横で悠々と食事をするというのがなんだか印象に残っていたり。対するシランのほうは小野双葉さんの読みきり漫画で読んだきりでよく知りません。でもシラノの鼻、いとこのロクサーヌ、その夫のクリスチャンという基本設定知っててよかった。あと昔読んだ漫画(たぶん川原泉の漫画)に「同性相手にシラノを演じるのは気が重い」とかそういうト書きがあって、どういう意味で使ってたか分からないけど(恋の代筆をする?歯の浮くようなせりふを言う?後者かな)、それが妙に頭に残ってる。
またこの話には鉄仮面を被った男についてが出てきます。鉄仮面が出てくるとは知らなかったので読みすすめてびっくりした。ボアゴベの「鉄仮面」を読んだことがあって、諸説は知っていたけど下巻の解説読むまでそのうち一つを除いて忘れてました。忘れていて幸いだったかも。デュマの「鉄仮面」は未読です。
全般的に物語は小説「三銃士」を下敷きにしたダルタニャン側から進行していきますが、途中で浮かんだどうしてシラノなのかという疑問、鉄仮面の正体がきっちり解明されていてすっきりしました。最後までテンション下がるどころか先を読むのを急がせる内容で楽しかったです。ダルタニャン物語とボアゴベ「鉄仮面」(昔読んだのは子供向けだったので)が読みたくなった。
□参考
佐藤賢一 「ダルタニャンの生涯 史実の『三銃士』」
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/6/4307710.html
復刊ドットコム 『ダルタニャン物語』
http://www.fukkan.com/darutanyan/
ダルタニャン物語外伝 恋愛血風録 販売ページ
http://www.fukkan.com/sell/?mode=detail&i_no=32633637
ボアゴベ「鉄仮面」(長島良三・訳)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1982966
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1982974
シラノ・ド・ベルジュラック「日月両世界旅行記」(赤木昭三・訳)
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/32/3/3250610.html
ロスタン「シラノ・ド・ベルジュラック」(辰野隆、鈴木信太郎・訳)
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/32/X/3256310.html
« 実写劇場版「鉄人28号」キャスト表 | トップページ | 雑誌「小説すばる」2005年5月号 ロボコラム大特集 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書籍「清少納言を求めて」(2023.05.31)
- 鹿島茂「パリでひとりぼっち」(2015.11.01)
- 榎木洋子「龍と魔法使い 龍の夢の花」(アンソロジー『龍と指輪と探偵団』所収)(2014.02.04)
- 近代デジタルライブラリーで新資料提供開始(2012年5月):フランスの推理小説(2012.06.04)
- 榎木洋子「ウミベリ物語 花嫁候補は窓の下」(2012.05.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント